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パーカッショニストには手を出すな!

”これまで、いろいろな女性ひととお付き合いがあったが、なぜかツンデレに振り回されるのが常の人生だった。”

これまでの自分の半生を振り返り、以前こう書いたことがある。
そして、書いておかねばならないことが実はツンデレの他にもう一つある。

唐突だが、パーカッショニスト(打楽器奏者)についてである。

前もって言って置くがパーカッショニストが嫌いな訳では決してない。
それどころかパーカッション(打楽器)大好きゆえにこんなことになっている節がある。

世の中に、ある程度以上の技量を持ったパーカッショニストがプロ・アマ合わせてどのくらいの人数がいるだろうか。

楽器の性質上、練習環境のこともありそれ程多くの演奏者が周りにいるとは思えない。
例え、自分のように中学からずっと部活動で吹奏楽部にいたとしても関わりのあるパーカッショニストはごく少数である。

そして女性に限定すると単純な計算でその半分の人数しかいないのだ。

前置きが長くなってしまったが、その多くはいないと思えるその人達がなぜか自分には不思議と関わってくるのだった。

始まりは、中学時代に吹奏楽部のパーカッションの女の子に一方的に気に入られてしまったことだった。
残念ながら自分は全くタイプじゃなかった。何度もNOと伝えた。
彼女はそれでも怯まなかった。

中学時代はその子から逃げ回っているうちに終わってしまった。
別の高校になった後も暫く追いかけられたくらいだ。

考えてみると、その子はツンデレじゃなかった。
最初から一方的に自分の方が追っかけられた。
ツンデレ属性を持たない彼女は、だから自分には響かなかったのかも知れない。

それでも懲りずに高校も吹奏楽部に入った。

暫くして後輩に、ちょっと生意気な女の子が入ってきた。
そして、お察しの通りなぜかパーカッションなのだった。
今度は自分が夢中になった。ちょっと引くぐらいツンデレだった。

高校時代はその子に会いたいがために毎日部室に行っていたようなものだった。
でも結局、願いは叶わなかった。

なぜ、いつもパーカッションなのだ。
他に別の楽器をやるたくさんの人間がいて、もっとたくさんの楽器をやらない人間だっているのに。

前世で彼らに何か悪さでもしたんだろうか?

大学時代は、市民楽団に入ったが無事パーカッショニストとの関わりを持たずに過ごすことができた。
そして、初めて彼女と呼べる人も出来た。普通の(パーカッション属性なしの)女の子だった。
ざまあみろ、パーカッションと縁を切れば人生上手くいくのだ。

そのまま、大学を卒業し就職した。

しかし、長く付き合っていた彼女には、あっさりと振られまた一人に戻ってしまった。

勤め先は、何でもないIT企業だった。
ある同僚の女性に惹かれていった。
今度のそれは、ゆっくりと少しずつだった。
なぜ彼女だったのだろうか。理由など考えたこともなかった。

気が付くと、彼女の家で家族と一緒にごはんを食べるようになっていた。
長い休みには自分の実家に一緒に帰省した。

でも、そうなる前に気付くべきだった。

彼女にはもう一つの顔があったのだ。
音大を卒業していた。休みの日にはお弟子さんに教えていた。

何科かって? もちろん打楽器科。もう笑うしかない。

逃れられない宿命なのかも知れなかった。
そして、二人のその後は・・・もう、書くのもつらい。

うそのようなホントの話。


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