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フォトコンテスト入選の極意

皆さんはフォトコンテストに挑戦していますか?私自身は、地元の自治体や団体が開催するフォトコンテストや、私の趣味である登山をテーマにした日本山岳写真協会のフォトコンテストに参加し、入選経験が複数あります。

フォトコンテストに参加しないことは、自分の中だけで完結することになりフィードバックがないことから、自身がステップアップする機会を失うことになってしまいます。。

とはいっても、参加するだけではステップアップすることは困難です。入選して結果を出してこそ、ステップアップすることが可能です。落選したあとに分析することなく入選者への愚痴を言ってしまっていては、「負け犬の遠吠え」で終わりです。

私自身のこれまでの入選経験で学んだことをこの記事で公開します。ポイントを知らずに落選して機会損失とならないよう日々アイデアを更新しながら共有します。

この記事をきっかけに皆さんがたくさん入選をして、自己実現へ繋がることを祈ります。

フォトコンテストの勝利の秘訣とは?

フォトコンテストには一般的なポイント(前提条件)審査の裏側のポイントの2つがあると考えています。最低限の前提条件を満たしていても、審査の裏側を理解していなければ、入選の可能性は低いと理解しています。

審査の裏側を意識してからは入選のランクまでは未知数にしても、このレベルなら入選には少なくても引っ掛かるよね。と予想して、実際に結果を出せるようになりました。そしてとある写真協会に入会をして、審査の実情について実際に話しを聞くことで、仮説が正しいことを裏付けることができました。

一般的なポイント(前提条件)は無料記事として公表しますが、審査の裏側のポイントは一部書いて良いのか悩むレベルなので有料記事としました。
それを知っていれば、最初から応募もしないよ・・・ということもあり得ます。。


フォトコンテストについて、はじめに知っておくべきこと

フォトコンテストとは

フォトコンテストは、写真の撮影技術や表現力を競うコンテストのことです。参加者はテーマや条件に基づいた写真を応募し、審査員による評価を受けます。フォトコンテストは、写真に興味や才能を持つ人々にとっての貴重な機会です。また、参加することで他の写真家との交流や、自身の作品の成長を実感することもできます。さらに、優れた作品は展覧会や出版物などで発表されることもあり、一般の人々にもその魅力を伝えることができます。フォトコンテストには様々な種類があり、それぞれ異なるテーマや応募条件がありますので、自身の興味や得意分野に合ったコンテストを選ぶことが重要です。

入選の景品

フォトコンテストによっては、賞金が100万円程度のものから3万円程度のものまで様々です。自治体が開催する小規模なコンテストでは、賞品は豪華ではなく展示の機会が主であることが多いです。一方、ソニーのワールドフォトコンテストのような大手企業が開催するコンテストでは、100万円の賞金や、ニューヨークの美術館での展示の機会など、プロへの登竜門となるコンテストもあります。

コンテスト情報の探し方

登竜門というコンテストのまとめサイトで探すのが多いです。
プロの登竜門となるコンテストから自治体開催の小規模なコンテストまで膨大な量が掲載されています。

https://www.jps.gr.jp/wp-content/uploads/2014/07/Workshop_131.pdf

現在応募受付中のコンテストはこちらのサイトで確認できます。

CAPAのサイトでは、既に募集を締め切った過去のコンテストや、恒例のコンテストを探すのに最適です。応募受付中のコンテストは時間的な猶予が少ないため、事前に目星をつけて準備することが入選の確率を高めます。

フォトコンテストの選び方

選び方は人それぞれ考え方がありますが、以下が一般的な選び方の基準となるでしょう。
・作品の「テーマ」「部門」
・参加費「無料」vs「有料」
・応募方法「印刷」「デジタル」
・求められる作品のレベル「組写真」「単体写真」「応募件数」
・目的「展示の機会」「賞金」「名誉」「セルフプロデュース」

作品の「テーマ」or「部門」

テーマ設定なしの自由応募のコンテストもありますが、多くは部門ごと、もしくは特定のテーマ(例:撮影場所や家族)が設定されています。応募したい作品からフォトコンテストを探すのが最適です。高い賞金を目指すなら、指定されたテーマに合わせて撮影計画を立てるのも良いでしょう。

大きなフォトコンテストになると「建築部門」「自然部門」「ポートレイト部門」「動物部門」など複数の部門に分かれており、自分の得意な撮影分野で挑戦することができます。

協会や自治体が主催のものは特定のテーマや場所に特化したフォトコンテストを実施するケースが多いです。こういったフォトコンテストは応募数が少なく、入選できる可能性が高いです。

例えば東京都水道局が主催のフォトコンテストでは、東京水道の四季「水と人・水道水源地域・東京の水道施設」がテーマとして設定されています。
このテーマは狙って撮影しないと難しいですが、応募件数は限定的だったこともあり!?、1回の応募で人生初の入選を経験できたので思い出となっています。

入選作品はカレンダーにもなるため、個人的にはオススメのコンテストの1つではあります。


参加費「無料」vs「有料」

参加費の有無も重要な選択基準です。無料のコンテストは気軽に参加できますが、有料のコンテストの方が賞金額が大きい場合が多く、また応募作品の質が高い傾向にあります。有料のコンテストに応募する場合は、参加費と可能なリターンを天秤にかけることが重要です。

例えば公益社団法人 日本写真家協会 JPS展は国内屈指のフォトコンテストの1つですが、一般部門:1枚につき 2,500円かかり、更にプリントでの応募が必要なためプリント代も別でかかります。

その代わりに最優秀作品は文部科学大臣賞 1 名(賞状・盾・賞金 60 万円・副賞)と名誉あるものになっており、実力があるなら費用対効果は高いといえます。


応募方法「プリント」or「デジタル」

応募方法はコンテストによって異なります。
デジタル応募の場合は手軽に応募でき、多くの小規模なコンテストがこの方式を取っています。

印刷物での応募を求めるコンテストでは、印刷や郵送の手間と費用がかかりますが、作品の質感を重視する審査が行われることが多いです。
写真だけではなく、プリントの技術も問われるため審査基準はグッと上がりますが、その分応募件数はデジタルと比較すると少なくなり、入選の確率としては高くなります。

ソニーのフォトコンテストでは「プリント」「デジタル」の両方の部門があり、それぞれに挑戦することができるため、人気のフォトコンテストの1つです。

参加する目的「展示の機会」「賞金」「名誉」「セルフプロデュース」??

フォトコンテストに参加する目的は人によって違います。賞金が目当てな人、自身のレベルを確かめたい人、技術向上の機会として参加する人、承認欲求を満たすために応募する人。そうした中で景品や展示の機会の有無など確認して選ぶことは大前提です。

注意事項

参加してはいけないフォトコンテスト?!

いくつかのコンテストは、応募作品の改変や二次使用に関して厳しい規定を設けています。たとえば、コンテスト主催者が応募作品を改変して使用する権利を持つ、または応募作品を商業目的で利用することができるといった条件がある場合、あなたの著作権やクリエイティブなコントロールが侵害される可能性があります。そうなると自分の作品であっても、例えばSNSに公表できなくなることもあります。

公益社団法人 日本写真家協会が提供する「フォトコンテストの応募要項にみる写真著作権の現状」を確認することをお勧めします。

応募要綱の徹底的な確認

コンテストに応募する前に、応募要綱を徹底的に確認することが不可欠です。応募要綱には、応募資格、応募方法、作品の要件、選考基準に関する情報など、応募者が知っておくべき重要な情報が含まれています。
規定を満たさない作品は、いかに素晴らしくても審査対象外となってしまいます。

改変の禁止

カメラのセンサーゴミの除去は一般的であり修正が認められていますが、その他のモノの除去等は改変となり、フォトコンテストでは失格対象となる可能性があります。

事例として2019年のアフリカジオグラフィックの「Photographer of the Year」の受賞者が画像操作により失格となった事例があります。この事件では、受賞した写真が後処理により、象の耳の裂け目が正確に反映されていないために失格となりました。このような操作はコンテストのルールに違反し、写真の真実性を損なうと判断されたためです。受賞者はこの操作が意図的ではなかったと主張しましたが、失格は取り消されませんでした​

公表作品応募不可

今どきSNSに公表することは普通のことですが、コンテストによっては公表した作品が応募できないものもあります。他のコンテストに応募したものも不可という条件もあり、作品管理の際にはコメント欄に公表したものかなどメモ書きすることが大事です。

参加費以外の費用

入選後に必要な入会費や展示会などの費用がかかる場合があります。
JPS展では展示用パネル制作費として1枚につき1万円の費用がかかります。
気軽にたくさん応募した結果、入選多数となり想定外の費用がかさむ可能性もあります。嬉しい悲鳴というやつですね。

JPS展 応募要項より抜粋

フォトコンテスト入選のポイント(無料部分)

フォトコンテストに入選するためには、多くの要素が絡み合います。ここでは、フォトコンテストでの成功のために重要なポイントをいくつか挙げ、それぞれの重要性と、どのように取り組むべきかを解説します。

応募要項の完璧な満足

応募要項は、コンテストごとに異なるため、各コンテストの要項を正確に理解し、それに従うことが不可欠です。テーマ、サイズ、フォーマット、応募数の制限など、細部にわたる要件を満たすことが、入選の第一歩です。

当たり前のことですが、応募作品の多くは募集要項を満たしているものが以外にも少なく、募集要項を満たすだけで価値があるそうです。。笑(某審査員より)

例:JPS展 応募要項より抜粋

ピントの正確さ

写真においてピントの正確さは、作品のプロフェッショナリズムを示す重要な要素です。若干ピントが甘いけど、気に入ってる作品だし評価されるかな??と思っても、評価されることはありません。

色域の正しい設定

JPEGで写真を書き出すときの色域はどう設定していますか?
sRGBやAdobe RGB、Macユーザーの方はP3に設定している人もいるかもしれません。

基本的に自分でプリントする場合を除き、sRBGを色域として設定することが重要です。他の色域を選んだ場合、審査員には別の色に見えてしまったり、色がくすんでしまう場合が考えられます。色域は広いものを選択すればいいという考えは大きな誤りです。

例えば、ニコンのフォトコンテストではsRGBと明記されています。書いていなくても、常識だと思って設定することを心がけて下さい。

撮影場所とマナー

皆さんは撮影場所のマナーを守っていますか・・・?
良いアングルで撮影するために、立入禁止の場所に踏み込んで撮影したいと思う人もいるでしょう。

多くの写真を見ている審査員が見ると、「この場所は立入禁止の場所から撮影されているのではないか?」と思われる写真がしばしば応募されるそうです。そういったマナー違反の疑惑がある写真を入選させると、主催者にとってリスクとなるため、募集要項には書いていないですが実情として落とすようです。

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