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Life Page vol.6 「”違い”を愛する水樹ハルさんの”LOVE“な生き方」

様々なキャリアを持つ大人へのインタビューを通し、仕事や人生について考える「Life Page by RYO-ZAN-PAK」。

こんにちは!話すときに、身振り手振りが多いとよく言われるRYO-ZAN-PAKインターン生、ハナコです!今回は私がnoteを書かせていただきます!

そんな私が少し前にマイブームになっていたのが、指をクロスさせてつくる「指ハート」。友達と写真を撮るときや、ありがとうの代わりに、この仕草をするときもありました。ちなみに、母に対しても、使っていました。

この意味は、ハート(ラブ)なのですが、私は「愛している」と言葉にして、人に伝えたことが、おそらく人生で一度もありません。もっと言うと、こうして文字にすることさえも少し照れくさいです。

ラブと言うことは簡単でも、「愛している」は重い。英語から日本語に変わる過程で、それらはイコールで結ばれますが、捉え方は全く別物の気がしてなりません。

そしてそんなラブを、キーワードに、今回インタビューさせていただいたのは、自分史専門家の水樹ハルさんです。

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水樹ハルさんの口癖というか、キーワードになる言葉が「LOVEだぜ」。

違いを愛するというこの言葉から、自分との向き合い方を見つめ直すきっかけを、とnoteを書かせていただきます。

1  3つの違和感

LOVEだぜ」は、愛を表すかもしれないし、挨拶、または感謝の言葉かもしれません。たった一つの言葉でも、意味は一つだけではなく、その多様性への理解がコミュニケーションに欠かせない要素となるはずです。

そして、ハルさんは多様であることの大切さを、3つの違和感を通して実感されていました。

①対等ではない関係

小学4年生の時からバスケットボールをしていたハルさんは、中学生になり、バスケ部に入ります。しかし、入部間もない頃に、顧問の先生から「シュートの打ち方が違う」と怒鳴られました。ゴールには入っているのに、一方的に強く言われたことが納得できず、最終的に部活を辞めることになります。先生に従うことが当たり前という空間。上下関係のもとでは、自主性・没頭力が簡単に奪われてしまうことを痛感しました。

②1人ではできない

バスケ部を辞めたハルさんは、ベースを始め、友達とのバンド活動に夢中になります。ただ、進学の時期になり、他のメンバーがバンド活動を辞めていく中で、一人ではできないことに気がついたといいます。それぞれが異なる役割を担っていたからこそ、ベースだけでは理想の活動はできない。当時はインターネットもなく、仲間を集めることが容易ではなかったこともあり、専門学校に進学し公務員になる道を選びました。

③らしさの圧力

そして、公務員になったハルさん。ある日、くるぶし丈の靴下に、ローファーを履いていると「お前、石田純一みたいな格好をせんと、公務員らしくしろ」と上司から言われました。公務員は、市民のために働いているのであって、上司のために服を着ているわけではないと違和感を抱き、それが普通なら、自分は普通の公務員ではないと感じたといいます

力関係への疑問、それぞれが持つ役割の実感、らしさを強制されることへの違和感、そんな経験をされたハルさんは「違いこそが価値」なのだといいます。だから、自分にはない部分、差異を持つ人へ敬意を持って「LOVEだぜ」と伝えるようになりました。愛は伝えづらい、でもラブなら、、!と精一杯の愛情表現でした。

そんなハルさんは今から2年ほど前に、「誰もが自分の人生を自分で決定できる社会を作る」ため、14年間勤めた公務員を辞めました。思い切った決断をするきっかけとなった彼の現在の思いを、伺いました。

2 時代は「ドラゴンクエスト」

「違いこそが価値になる時代になった。」

「ドラゴンクエスト」シリーズは、プレイヤー自身が主人公となり、世界を脅かす魔王を倒すために壮大な冒険物語を紐解いていくという、日本を代表するロールプレイングゲーム(RPG)です。

例えば、ドラクエの中で、誰も魔法が使うことができなければ、勇者が死にかけていても回復できず、前に進むことができません。バンドでも、ギターがいて、ベースがいて、ドラムがいて、ボーカルがいてというように、違う役割を持つからこそ、成り立つことができます。

そんな風に自分には持ち場があって、そのための才能と武器があるはず。ただ、武器をもとうとしたときに、受験、就職、公務員らしくなど、「社会のレール」がそれを阻むかもしれません。

終身雇用がなくなっていき、安定は保証されていない現在。そして、インターネットやSNSを使い、自分でなんでも発信できる時代。ハルさんはその中で、「どうしてとりあえず、大学に行ってから、就職してからと、社会のレールに捉われるのか」。と問います。

「社会にも、他の人の中にも自分の正解はない」という言葉がとても印象的でした。誰もが自分らしく生きたい。本当はドラクエのように人それぞれ活躍できる役割がある。ただ、その立ち位置や心の思いが明確にできていないから、生きづらさや不安を感じるのだとわかりました。

3 乗る船を決める

「男らしく、主婦らしく、公務員らしくでもなく、あなたらしく」

例えば、行き先がわからない船に乗るのは、とても恐ろしいことです。ヨーロッパに行きたいけれど、来た船にとりあえず乗るなんてことはしないと思います。

そのために、いつ、どこで、どの船かを考えて準備する。将来はそれと同じだといいます。自分がしたいことを定め、そこにたどり着く方法を考える。

ここで、ハルさんが「楽しさ」の正体を教えてくださいました。それは「前進感」。ドラクエでも、魔王を倒すために、小さなミッションをクリアして行き、進んでいることがわかるからこそ、楽しさを感じます。

そして、そのために必要な行き先を決める「情熱」や「願望」などの要素は、自分の過去の経験にあるのだといいます。

しかし、自分と向き合うのは本当に辛くてしんどいことです。私は就職活動を通して、自分と向き合うことの重さを初めて実感しました。

だからこそ、「一人では辛くても、誰かが寄り添ってくれたら、過去をたどり、方向を決めることがもっと楽にできる」と一緒に、自分史を振り返ってもらいたいという思いがあります。

ハルさんは、その機会を作るために、自分らしく生きるきっかけのために、自分史研究家として活動をされています。

4 これから

「誰もが自分の人生を自分で決定できる社会づくりを」

水樹ハルさんのこれからのことを伺いました。「楽しく、自分らしく生きるために、前進感をつくる夢や目標を持つことがとても大切」。自分の正解は、過去の経験から生まれてくる、その過去を引き出し、やりたいことへの理解をサポートする。

しかし、それが分かっていても、「夢を語ったら、アホちゃうかとか、それで飯が食えるんかと言われることがある」だからこそ、その夢をいいねと、背中押してくれる社会づくり、多様性を受け入れる社会をつくっていきたい。

生きづらいと感じている人の自分らしさを引き出し、夢や目標を見つけてもらうこと、そしてその希望を、守る社会づくり。この二つがこれからの課題だといいます。社会のレールに捉われず、生きたいように生きる、そのためにも、違いを認め合う「LOVEだぜ」がなくてはならないように、感じました。

5 さいごに

この日、ハルさんは全身黒の姿だったのですが、理由を伺うと、「何にも染まらないように」とのこと。私は純粋に、うわあかっこいいなと思いました。ハルさんを通して、乗る船もその行き先も明確だからこそ、自分らしくいられるのだと、学ばせていただきました。

そして、いろんな違和感を持ち、社会のレールに乗った経験があり、そして自分の道を開いた水樹ハルさんだからこそ、大勢の方に寄り添うことができるのだと思います。

そんなハルさんが日々更新されているnoteはコチラです。


著書

また、ハルさんは『グッバイ公務員〜チャンスの扉』という本を書かれています。公務員になった経緯から、退職時の思いなどが綴られており、自分の生き方、働き方を振り返るきっかけとなるような内容になっています。タイトルに使われているグッバイは、どこか昭和の雰囲気を持つ表現。この言葉に古臭い常識や社会のレールからの脱却の意味を含めたそうです。


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投稿者プロフィール
ハナコ(RYO-ZAN-PAKインターン生)
関西大学4年生。服とお笑いが大好きです。「個性」を大切に、人生の選択肢を増やそうと、もがいています。noteを通し、私なりの視点で、様々な方の魅力を紐解いていきます。  
Twitter→@41_hrs 


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文責:ハナコ

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