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会社で従業員がミス!その損害を100%支払わせることはできる?【弁護士 開設】

皆さま、こんにちは。弁護士をしております、中野秀俊と申します。今日のテーマですけれども、会社で従業員がミス!その損害を100%支払わせることはできる?というお話をしたいと思います。

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従業員に損害賠償請求したい!

これについては経営者の方から非常に多くのご相談をいただきます。たとえば、従業員のミスによって取引先を怒らせてしまい、取引が打ち切りになったために1千万円単位で入るはずだったお金が見込めなくなった、会社の備品を壊した、従業員の不法行為によって損害を被ったなどの場合に会社は従業員に対して損害賠償請求はできるのでしょうか。

全額の損害請求は難しい!

まず、従業員のミスによる取引の打ち切りや契約を逃したなどの営業上の損害については正直なところ請求は難しいと思います。従業員のミスは会社の中では経営者のミスととらえられるため、最終的には会社が責任を負うべきだとされています。もちろん、取引先を誹謗中傷によって意図的に怒らせるなど常識的に考えて明らかに故意の場合や犯罪性がある場合は別ですが、通常のミスに対して損害賠償請求をすることは難しいでしょう。

一方、会社の備品を壊す、退職時にカードを返却しないといった場合については損害賠償請求が可能かと思います。実際の裁判例でも従業員の故意の行為については損害賠償請求ができるとされています。ただし100%の請求ができるかというと、そこは難しいかと思います。やはり会社が従業員を雇っている以上は従業員の行為は会社の責任でもあるため、請求できるのは最大50%程度かと思います。裁判例では4分の1とした例や3分の1とした例もあり、かなり悪質なケースとして最大で認められたとしても50%程度が現状かと思います。

このように営業上の損害についての損害賠償請求は難しいといえます。しかし、会社の備品を壊すなどの従業員の故意の行為の場合は、100%は難しくても最大半分程度の損害賠償であれば可能だと覚えておいていただければと思います。

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