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法律が施行される前の行為は遡って処罰されますか?【弁護士が解説】

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、法律が施行される前の行為は遡って処罰されますか?というお話をしたいと思います。

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法律がスタートした後に、遡って処罰される?

たとえば、法律がスタートし、ある行為が違法となったとします。この時、「法律がスタートする前の行為については遡って処罰されますか?」というご質問を非常に多くいただくのでご説明したいと思います。

結論からいうと、刑罰不遡及の原則があり法律は遡って適用してはいけないとされています。考えてみると当然のことですが、今日までは普通に適法として行っていたことが明日から違法とされたとします。この時、過去に遡ってすべてに適用し、犯罪とされてしまったとしたら怖くて生活できません。ですので、あくまでもスタートしてからその行為を行ってはいけないとされており、スタートする前は行っても問題ないわけです。刑罰不遡及の原則、つまり遡って効力を及ぼすことはできないので、法律スタート前の行為について処罰されることはありません。

企業の経営者、担当者が把握しておくべきこと

ここで事業者として考えるべき重要な点は、いつ法律が施行、つまりスタートするのかを把握しておくことです。法律は毎年1月から6月30日までに開かれる国会で成立します。その多くが4月、5月、6月に成立し、成立すると報道が出されます。法律が成立するとその時からすぐに行ってはいけないのかな?と思うかもしれませんが、そうではなく施行というものがされます。施行とはその法律がスタートすることをいい、法律が成立してから一定期間経過後に施行されます。法律には「この法律は6か月以内に施行する」「1年以内に施行する」などと書かれており、施行日の1か月ほど前にはいつからスタートするのかが発表されます。

 法律は成立から一定期間経過後に施行されるため、いつ法律が施行されるのかを随時把握しておく必要があります。法律が成立した段階でたとえば「1年以内」と書かれていた場合、「これから1年以内なんだ」と考え、準備をしておかなければいけません。施行日が発表された場合も同様に「来月からか」と考え、準備を進めつつ禁止とされる行為は行わないように注意しなければいけません。

 施行日はネットで検索すると出てくるので、自分に関連するような法律についてはきちんと調べ、施行日を把握しておくことが重要かと思います。

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