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6 学級担任とサッカー監督

 わたしは、小学校担任の仕事は、サッカーの監督のそれと似ていると感じています。

 小学校担任は、音楽や理科以外は、すべて授業を行います。

 単学級では、専科は理科のみという所が多いのではないでしょうか。

 だからこそ、担任の授業がすべてという認識で、教壇に立たなければなりません。

 そこに、小学校担任の難しさがあるのだと感じています。

 1日6時間授業とか、ほんとに大変ですよ。

 小学校の担任の先生は本当に大変。

 妻は、高校で臨時採用とし働くことがあったのですが、その妻から見れば、「1日6時間、全部違う教科で教える小学校担任が授業準備の面では一番大変そうに見える」とのこと。

 すべての授業でスーパーな授業を行うのは、困難です。

 できっこない。

 少なくとも、わたしは無理です。

 しかし、日々はやってきます。少しでも、子どもたちの力を伸ばすためには、すべての授業において、個の力を高める授業を実施していくことが必要です。

 そのために、すべての授業で一貫して求めるものを子どもたちに求めるというスタンスが担任には大切なのだと思います。


▪️バルセロナのサッカーは哲学が浸透している

 サッカーのバルセロナは、選手全員に「ポジショニング、ポゼッション、プレッシャー」の3つの哲学が浸透しています。

 選手全員が、基本的にボールを味方が持っている場合、広く深い位置にポジションを取ります。

 そのため、素早い切り替えとスプリントが求められるのです。

 また、バルセロナの選手たちは、アカデミー時代からボールを大切に扱うことを学んでいるのでいます。これが後に活きてくるのです。

 学習では、基礎基本の徹底といえましょうか。

 また、バルセロナの選手は、ボールのない所での流動性、動きとボールを受けるポジション、そこにおける体の向きによって攻撃的で共通のイメージを持ってボールポゼッションを可能にしています。

 そのための準備を怠らず、全員が共通了解している状態なのです。

 さらに、バルセロナの選手は、守備時の意識も統一しています。

 ボールは人よりも早く動くという認識から、なるべくボールを追い回さないようにしています。

 ボールを保持することで、得点チャンスを多く作れるという考えから、攻守の切り替えにおいて、ボールを奪われたらすぐに奪い返します。

 ボールを奪われた直後が、一番ボールを奪いやすいためです。

 こうした動きが全員できる。これがバルセロナの強さの一つです。


▪️学級も哲学の浸透が必要

学級も、普段の授業から担任の先生がどんなことを大切にしているのかを全員が共通了解していることが大切だと考えています。

 それこそ、何度も教師が伝える。

ボディーブローのようにじわじわと効かせていく。

 例えば、やる気。

 全員が挙手をする。

 全員が元気の良い返事ができる。

こういった具体的な姿をイメージし、それを求めていく。

このことが、子どもを育てることになるのだと思います。

教師の中では、教えることだけに関心が行ってしまい、育てることを忘れてしまっているケースが多々見られます。

育てる視点が抜ければ、子どもは育ちません。


 また、いいクラスにするには、ルールとリレーションの確立も必要です。

 学級でのルールを全員が理解している。

 これは、絶対に必要です。なぜなら、学級は集団であり、社会としての場であるからです。

 集団や社会の場としての学級では、ルールが必須です。

ルールが無ければ、子どもたちで成員される学級は無法地帯になります。それは、子どもがまだまだ成熟していないからです。

 当然といえば、当然です。

 こういったルールの確立は、学級開きから3日で行うことが理想です。

 最低でも、1週間以内には確立したい。

 しかし、学級の実態によっては、1ヶ月はかかることもあるでしょう。

 また、担任の哲学が浸透するには、1〜2ヶ月はかかると、わたしは体験として感じています。

 そして、リレーション(関係性)。

 まずは、担任と子どもたちの縦のつながりを確立する。

 次に、子どもたち同士の横のつながりを確立する。

 これらは、同時進行で進めていってもいいですし、縦から横へという流れでやってもいいと思います。

 ルールとリレーションの確立は、こちらが念入りに、計画的に進めていくことが大切だと考えます。


 サッカーの監督も、選手との信頼関係を築けないと、力が発揮できません。

 選手間でのコミュニケーション、信頼関係を築けないと安定したゲーム運びもできません。

 学級づくりや授業づくりは、学級担任の成果です。

 サッカーも、勝敗は、監督の責任です。

 厳しいものですが、学級担任の仕事は、サッカーの監督のそれと相通じる部分があります。

 バルセロナのサッカーからは、担任であるわたしは、学ぶべき所がたくさんあるわけです。


 また、わたしはロアッソ熊本の大木武監督の言葉にも注目しています。

 ロアッソ熊本の元キャプテンであり、現在はジュビロ磐田に在籍している平川玲選手が、大木監督のことを、

 「当たり前のことを徹底してやらせることができるのがすごい。みんながサボらないし、誰も何一つ文句を言わない。」

 と語っています。

 これは、学級づくりでも、とても重要なことだと思います。

 大木監督は、選手から尊敬され、信頼されているのです。

 だから、選手は誰一人文句を言わずに付いてくるのです。

学級の子どもたちが担任の先生を信頼、尊敬している状態だったら、どんな指導でも入ります。

 まさしく、最強クラスになれますね。

 2月には、大木監督の講演会に参会します。

 大木武監督の研究を、学級づくりに活かしていきたいと思います。

 わたしは、子どもたちから信頼と尊敬を勝ち得るための努力を惜しまず続けたいと思います。




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