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アンドロイド観音はお釈迦様の夢を見られるのか?

先日は西智弘さんから「安楽死xSF」でみなさんも創作をしてみませんか?というお誘いの記事をアップしました

意外と多くの方に読んでいただけたようで、紹介したわたしも嬉しかったです。そしてどんな作品が出来上がってくるのかのか、いまからとてもワクワクしています

そしてSFといえば、アンドロイドですよね

え?、ちょっと強引?!

はい、その通りですね。とはいえ、SFにアンドロイドはいわば付き物。かの有名なSF映画『ブレードランナー』にも高度にヒト型に作られたアンドロイドが登場しています(いまアマゾンプライムで観られます)

今回の記事はその原案となっている小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』のタイトルをもじって作らせていただきました

〇アンドロイド観音マインダーとは

さて今日のお題は「アンドロイド観音」さまです

ちょっと前に、京都にある高台寺さんというお寺さんがアンドロイド観音さまを設置され。この観音さま自らが法話をするということで話題になりました。高台寺さんの特設サイトはこちら。観音さまの法話拝聴の予約も以下のページから行うことが出来ます

今回、別件で大坂まで行く用事があり、わたしもこの拝聴に参加をさせていただきました。いろんな方が拝聴に行かれて、それほど悪い評判を聞かないということもありましたし。何よりも、実物を拝顔しておかなくてはと思ったからです

〇高台寺さんについて

高台寺さんは正確には、「鷲峰山高台寺」といいます。臨済宗建仁寺派のお寺さんです

詳しい案内はお寺さんのホームページを見ていただきたいのですが、場所は清水寺さんの近くになります。行ってみて、こんなに広い境内なんだとビックリしました。美術館も、併設されているのですね

こちらは豊臣秀吉の正室であったねねさんが建立したお寺さんとして。またそれを支えたのが徳川家康だったことでも知られています。その辺りの経緯は、こちらのサイトなども読まれてみて下さい(内容の真贋については保証はいたしませんが…)

そんな歴史と由来のある高広寺さんがアンドロイド観音リマインダーを作られた経緯ですが、簡単にまとめると、より人びとに「仏教へ興味を持ってもらう」ことを目的に。「仏像をより人間に近づけることが出来ないか」と考えたからだそうです。そのためにここまで時間とお金、伝えられるところではアンドロイドの開発費だけで 2,500万円と言われています、をかけて作ってしまうの?という気がしなくもありませんが、とにかくそうした願いが込められたそうです

とはいえ、もともと観音さまを含め仏像は仏教を広めるために作られ、設置されてきたもの。それをAIやテックが発達していく時代に向けてを進化させていく、という狙いもあったようですね。そのあたりの経緯は以下のニュース記事でも紹介をされています

〇アンドロイド、般若心経を語る

さてこのアンドロイド観音さまの法話は、「般若心経」をテーマに、プロジェクションマッピングを交えて行われます。ただ観音さまが身振り手振り、そして口元や顔を動かしながらお話をされるのでなく。プロジェクションマッピングの中で描かれる聴衆とのやり取りを通じて、般若心経の意味について語っていく形になっていました

全体で25分ほどですが、正直、あっという間です

最初はアンドロイド観音さまが何をするんだろう。どういう動きや話し方をされるんだろうということに目が向いてしまうのですが、そのうち、それはどうでもよくなっていきます 笑

正直、映像とストーリーがよく出来ていて。観音さまの喋りは、その解説の中に溶け込んでいってしまう感じです。わたしも後半は、観音さまの動きは見ておらず。その語りを聴いているだけでした

お話自体も般若心経ですのでまったく未知のものというわけでもなく。多少の知識があれば、ああそうだよね。あ、この部分でこういう意味があるんだと改めて気付かせてくれるものになっています

わたしも最初、25分は長いなぁ…と感じていましたが。先に書いた通り、あっという間に法話の時間は過ぎていきました

〇結局わたしたちは何を観て、聴いたのか

と、ここまで書いてハタと気付いた方もいたと思います。では、アンドロイド観音さまって、なんの意味があるんだろう…と

わたしも正直、アンドロイドがどうのこうのというよりも。それを含めた作りや見せ方全体を、楽しませてもらったように思います。映像で情報が流れるように入ってくる分、内容も分かったような気にさせてくれる。観音さまはただその中で、語りかけるように喋って下さるだけで、それがアンドロイドかどうかということも最後はどうでも良かったです

つまりアンドロイド観音さまは、あるいみ、ただの「客寄せ」なのかもしれませんし。逆に、それでよかったのかもしれません

先に紹介した記事の中でも、仏教に興味をもってもらうことを制作された意図としてお寺の方が語られています。別に最初から、アンドロイドを観に来てください。その出来の良さを是非ご覧になっていって下さい!!とはお寺さんも言われてはいないのです

興味本位で観に来てもらい。観たことを通じて、少しでも、仏教の世界。般若心経が語る内容に関心や目を向けて貰えれば、それでOK。そういうことなんだと思います。おそらくは…

一方そのことやこの観音さまに対しては当然、既存の仏教界の方々や。仏教に関心のある方々からの反論や揶揄、批判も目にしました。そんなことにカネ掛けるぐらいなら、法話の一つでも磨け!。それがお寺さんのやることかっ!という声もあったはずです

それはそれで、やはり、正しい指摘ではあるのだろうと思います

ただそれを実物を観もしないで言うのは、やはりわたしは間違っていると思います。批判、非難するならまず実物を観て触れて欲しいですしし。その上で、自分はアンドロイド観音と違って何が出来るのか。ひとびとに提供出来るのかを、具体的に語っていただきたかったです

なぜならアンドロイド観音さまは、魂入れをした「観音さま」であって。単なるロボットではないのですから。そこへは最低限の敬意を払っていただきたいですし。その批判や非難にも、それなりの覚悟を持ってするべきものであろうとわたしは感じました

〇最後に

以前この拝聴をされたMBA坊主こと松本紹圭さんが、アンドロイド観音さまの壁に映る影の形が、まるで馴染みの観音さまの形に似ていると書かれていました

わたしも実際に写真を撮ってみましたが、みなさんにもそう観えたでしょうか?

ちなみに写真は、法話の開始前と終了後に撮ることができます。またわたしは法話が始まる前に、いちおう、アンドロイド観音さまに手を合わせました。わたし自身、そのことに、それほど違和感はなかったです

なお、アンドロイド観音さまの法話は5/6まで拝聴することが出来ます。その後は…おそらく京都を離れた各地で法話が開催されるのではないかと想像しています。その時、また近くに来て下さったら、改めて拝聴しに行きたいデス。。

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