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日本が世界一のギフト大国になった理由とは?


各国の国民性からの推察

こんな例え話があるそうです。
世界航路の豪華客船が今まさに沈もうとしています。船長としてはとにかく女性と子供を先に救命ボートに乗せたい。

そこでイギリス人に対しては「諸君は紳士だからまず淑女から先に乗せてください。

次にアメリカ人に対しては「君たちは今こそヒーローになるんだ。

ドイツ人に対しては「これはルールだからきちんと守ってください。

そして最後に日本人には「皆さんがそうしているので、そうしてください。

誰が言ったのかわかりませんが国民性の相違をよく表しているようです。
日本人は「赤信号、みんなで渡れば怖くない」タイプの国民性であるようです。
とにかく日本人は横並びにみんなと同じことをしていると安心で、忠実だしひとマネがうまい。しかし自分の責任で他人と違うことを決断するのが苦手なところがあります。

日本は馬型の国民性

馬はみんな同じ方向に向かって走る習性があります。だから競馬が成りたつわけです。

かつて源義経の「ひよどり越え」も、馬のこの習性があったから成功したわけです。ある意味で日本人は馬型の国民性なのかもしれません。
これについて馬は「同調性」が高いという研究発表もあります。隣が買えばうちも買うと言った横並び意識は、高度成長期の日本を支えてきたわけですが、今の時代では家庭もモノ余りになってしまいました。

振り返ってみれば、多様なギフトの習慣も馬型の国民性を有する日本人だからこそ支えてきたと言えるでしょう。
血縁、地縁、職場縁では、冠婚葬祭の贈答を「慣例に従って」右へ倣えで忠実に果たし、外国の「母の日」「父の日」「バレンタイン」など贈り物のシーンを次々と輸入し、「ホワイトデー」と言うお返しの日まで国産する念の入れ方で定着させてきました。
これも「みんながするから」の横並び意識によるものです。おかげで日本は世界一のギフト大国になったわけです。
これほど贈り物をする機会が多い国はありません。

モノが溢れる状況になった現在、ようやく日本人は同じ方向を向いて走らなくなってきました。

世代による変化

それでは日本人のギフト(贈答)に関する意識はどう変わってきているのでしょうか?
お中元やお歳暮のような「慣例に従った」フォーマルギフトが減少し、個性的で多様性のあるパーソナルギフトが伸びる傾向が続いています。

これは馬型(同調性の高い)で横並び意識が強く、高度成長期を支えてきた団塊の世代が引退して、その後継者として消費の主役になってきている世代が社会環境の変化の著しいVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)と言われる時代を背景に「多様なギフト機会」を求めて「コミュニケーション」を強化しようとしていると考えられます。

ギフト研究所では、この「世代別のライフスタイルの変化とギフトコミュニケーション」についても研究を深めていく予定です。


一般社団法人ギフト研究所
代表理事 山田晴久


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