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【金魚】導入トリートメント

目的

金魚を新たに水槽に導入する際のトリートメント方法を記載する。
らんちゅう、高級金魚を導入の際に、私が実際に行っているトリートメント方法を記載する。
導入時は個体差があるので、あくまで目安とすること。
らんちゅう等は、初日~2日目以降に急激に崩す傾向があるので、対処を変える可能性を勘案したい。

基本は、塩浴0.5%による体力回復(スレ傷の回復)、導入時ストレスの解消後、寄生虫の駆除、細菌感染の予防である。
白点虫(ウオノカイセンチュウ)の持ち込みにも注意したい。


必要期間

2週間

導入時期

高水温時(25~28℃)※ヒーター加温可
低水温時の導入の際は、様子を見る期間を長めにするなどし、慎重に行うこと。

注意事項

  • 病気を持ち込んだかどうかがわかるまで、数か月以上を要することもあるため、高水温時の導入を心がける。

  • トリートメントを行う事により、細菌感染や寄生虫の持ち込みを低くすることはできるが、ウィルスの持ち込み等は回避できない可能性がある。ウィルスの感染があった場合に備えて、速やかに加温を行うため、なるべく高水温時に導入する。

  • 本水槽に導入の際、もともといた魚が持つ病気が新しい魚に感染する可能性もある。

トリートメント初日

  1. 到着した状態のまま、まずは魚の状態を確認する。傷の有無、病変、エラの動き(呼吸回数)などを確認する。

  2. できるだけ到着した水と同じ温度の水を用意する。水温より室温が高い場合は、魚の入った袋を桶等に入れ、水をはり、水温を合わせる。必ずカルキは抜くこと。

  3. 水温があった後、少量の水を輸送の袋に入れ様子を確認する。袋内のphと用意した水と差がない事を確認する。ph測定ができない場合は、点滴法を利用して徐々に水合わせをすること。

  4. 水合わせが完了したら、魚だけ桶にうつす。輸送に使った水は入れない。

  5. 少しずつ水に塩を溶かし、0.5%塩浴をする。エアレーションは魚体に合わせて行うが、強めの方が好ましい。

Tips 100%換水後、1日経たず独特のにおいを出すことがある。水質や環境が変わった際に良く起きる。すぐに水が臭くなる時は、金魚が何らかのストレスを感じているときと考えて良い。体調不良の際も換水後すぐににおうことがあるので、覚えておくと良い。においが出たら放置せず換水するようにする。(朝晩換水することもある)

トリートメント2日目

様子をみて特に病変等が発生していない場合に実施する。病変が確認できた場合は、それに合った対処をすること。

  1. 100%換水、塩浴0.5% + プラジプロ(規定量)
    ネット上には、塩とプラジプロの併用をしない方が良いとされているブログがあるが、併用で問題ない。※海水にも使える。

  2. プラジプロは粘性があるので、鰓に直接入らないよう少し水に溶かしてから少しずつ入れる。原虫の寄生があった場合、こすりつけなど、多少魚が暴れる可能性があるので、慎重に行うこと。


トリートメント3日目

  1. 100%換水、塩0.5%+プラジプロ(規定量)
    24時間程度で魚体の原虫はほぼ取れているが、念のため継続する。プラジプロを投入後、ヒレを震わせたり、こすりつけを行っていたようであれば、3〜4日程度行うとよい。
    ※あくまで隔離水槽内の話であるので、本水槽内で実施の場合は、プラジプロの用法を守って実施すること。

トリートメント4日目~9日目

  1. 100%換水、塩0.5%+グリーンFゴールド顆粒(規定量)から開始。

  2. できる限り毎日100%換水、塩浴+薬浴

トリートメント10日目~14日

  1. 半分ずつ換水し、薬と塩を薄めていく。

  2. 14日目に真水になるように調整する。

  3. 特に問題が無ければ終了する。

トリートメント中に問題があれば、その対処を行う。

トリートメント中に環境変化による病変があれば、トリートメント方法を変更すること。

環境変化、水温変化による白点病が発生した場合は、アグテン、ヒコサン等の薬浴に変更する。
白点病治療が完了後、グリーンFゴールド顆粒等による細菌感染対応を実施する。(トリートメント4日目~9日目の対応)

赤斑病も導入ストレスで発生しやすい病変であるが、グリーンFゴールド顆粒による薬浴+塩浴0.5%で対処できる。

細菌感染によるエラ病等が明らかな場合は、エルバージュエース+0.6%塩浴等も検討する。

ストレスによる肉瘤穴あき病が発生した場合は、加温治療を実施する。

殺菌灯の導入を検討する

金魚の飼育において、細菌感染によるエラ病等は素人に判断がしにくく、導入後水槽内の魚が一斉に崩し、全滅という事も多々ある。
一般の飼育環境において、コンタミを避けることは難しいこともあり、消極的ではあるが水の共有は常に行っている。また、換水を頻繁に行ったり、新水かけ流しにするなどして、細菌発生を抑える。

しかしこれは、金魚飼育を難しくしている一因である。
産地を合わせる等もある程度は効果があるかもしれないが、感染経験のない細菌型が持ち込まれれば全ての水槽で感染がおこると言っても過言ではない。
そこで、殺菌灯を導入することにより、そもそも細菌の発生を抑制することにより、細菌感染を予防するという方法も検討したい。
コストはかかるが、比較的安心して飼育、混泳が可能となるだろう。


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