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平和のための種まき | 旅人からの贈りもの

旅人が旅先に貢献できることってなんでしょうか。

私がこのテーマを考えた時、なぜか真っ先に浮かんだのが”平和”というキーワードでした。現在、世界では戦争や内戦が起こり、ニュースで目にしない日はありません。連日、身も心も傷つけられていく民間人や生まれたばかりの赤ちゃんが痩せ細っていく姿が報道されています。そんな争いが1日も早く終わるように、そしてこれ以上、憎しみが世界に広がらないように祈るばかりです。

今回、本当に小さなことかもしれませんが、平和のために旅人が訪れる先でできる贈りものとは何かを考えてみたいと思います。

「大切な仲間である」というメッセージを贈る

旅をすると、人との交流が生まれ、お互いに思いやりを持って接すれば信頼関係ができ、相互理解につながります。

私が台北を訪れた時、あるフットマッサージ屋さんで、台湾人の無造作ヘアのお兄さんが流暢な日本語を話してくれました。なぜ話せるのか聞いたところ、日本で出稼ぎした経験を語ってくれました。そのお兄さんは「日本がとても好きだ。日本人は優しい。日本でたくさん助けてもらった。だから私もあなたを助けたいし、あなたに私の国も好きになって欲しい。」とオススメの観光地や小籠包のお店などをたくさん教えてくれました。そのお兄さんの優しさに心打たれたと同時に、こうやって優しさは循環していくんだと実感しました。

またその土地の言葉で「こんにちは」「ありがとう」を伝えるとみんな笑顔になってくれます。その国の文化を尊重し楽しんでいる姿を見せること、その国の素晴らしさを現地の方に伝えることで、自分の国は誇れるところがたくさんあるのだと、気づいていただけることもあるのではと考えます。

そういった人々の温かい交流は、たとえ言葉で言わなくとも「私たちは仲間です。私たちはあなたの国が大切です。」というメッセージを贈りものとして送ることができるのではないでしょうか。

その土地の真実を知り、発信する


今は現地に行かずともインターネットやTVなどの媒体でたくさんの情報が得られます。その多様な情報の中にはフェイクニュースなどの嘘の情報が入り混じることもあります。画面越しで得た情報だけでその国を判断するのはとても危険なことです。

そんな時代に旅人だからこそできること、それは現地に足を運び、自分の五感で現地を学び、真実を見ることです。「郷に入っては郷に従え」と言いますが、よその土地へ行ったらその土地の風習を尊重し、それに従うことが良いと昔から言われています。その国に溶け込む努力をすることで、自分の目でその国の素晴らしさやそこで生じている問題を確かめることができると思います。

そしてその自分で見た真実を、自分の声で誰かに伝えたり、SNSなどの媒体で共有していくと、誰かの偏ってしまった価値観や意見を少しでも変えるきっかけになるかもしれません。自分も現地で確認したいと新たな旅人が生まれるかもしれません。

旅人たちが真実を知り、平和とは何かを考え、発信することは平和への一歩につながるのではと考えます。

平和のための種まきをする


戦争が起こる理由は、これまでの長い歴史で生じた歪みや宗教問題など語り尽くせないほどの原因が複雑に絡まり合っておこると聞きました。だから戦争をしている双方どちらかを責めることはできない。

戦争は数人の決断で始められますが、戦争を止めるためにはものすごいエネルギーと沢山の人の想いが必要です。そして自国の中で戦争をやめようという小さな声をあげているのは、自国と他国の素晴らしさを知る、かつての旅人たちが多いのでは思います。小さな声が渦となって大きな力になることを願って。

ひとりひとり旅人が平和のための種まきをすれば、明るい未来をつくっていけると信じています。

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