【気分的超短編】博士と休日

「ふう、ようやく完成したぞ!」
博士は白衣の袖で額の汗を拭う。

元々はそれっぽいからという理由で購入した白衣だが、こうして自分の発明品が完成した今、彼の白衣はもう世界初の発明をした彼に馴染んでいた。
そう。彼はたった今、世界初の発明を成し遂げた。

それは、完全なクローンの作製だ。
それも技術者倫理的な問題もカバーしている。
ロボットとクローン技術を応用したのだった。

人間が作るロボットにおいて開発が不可能と言われている点が2つ挙げられる。それは人間と同等の脳の開発、すなわち人間の脳の理解と人間の関節の再現だ。
この二点は現在でも解決されていない。

まあ、少なくともたった一人で研究、開発に取り組んできた彼は解決していても知る由がないわけだが。

そして、彼は先の二点を解決したロボ、というか人造人間?を完成させた。
どうやったか?彼は論文の書き方も知らないただの元一般なのでしっかりとした仕組みは彼の頭の中にしかないし頭の中にしか残らない。

だが、簡単に説明すると、彼は工学的なロボの骨格に自身の細胞を培養して作った筋肉や皮膚を取り付けたのだ。
どうやって細胞呼吸を起こしているのかは不明だ。

ともあれこの仕組みで博士はこの私、人造ロボを作り上げた。
見た目は博士と瓜二つだ。

さて、博士、私を使って博士は休んでください。
「そうだな、GWはゆっくりとはねを伸ばそう。」
そのための私ですから。
ですが博士、GWはさっき終わりました。
「なんだと!?」
博士は“GWにしっかりと休む”という目的達成のための私の開発に熱中してGWを過ごしてしまったのです。
「無駄だったか・・・」
どの様にいたします?
「じゃあ、シルバーウィークに向けて二倍で仕事を終わらせよう」
はい。
そして二人でいつもの仕事、食品サンプル作りに取り掛かった。

ぐんぐんどんどん成長していつか誰かに届く小説を書きたいです・・・! そのために頑張ります!