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IGLの考え方

はじめに

IGL(In-Game Leader)は、フルパやチームでプレイする際に不可欠な役職ですが、簡単にできるものではありません。私の経験と知識に基づいて、IGLの考え方についてお話しします。今から話す内容は主に5人のメンバーが野良を含まない前提で話しているので、普段のランク(フルパ以外)では参考にならないことがあるかもしれませんがご容赦ください。

まず、IGLは自分のチームの状況と相手の状況を把握し、即座に自チームが何をすべきかを判断する必要があります。そのためには、エリアコントロールという概念が重要です。

エリアコントロールとは、自分たちのチームがゲーム内の特定のエリアを支配することを意味します。これには、相手の位置や人数、自チームの位置と人数などを把握する必要があります。

エリアコントロールのためのやり方は、いくつかの要素で構成されます。まず、情報収集が重要です。IGLは、マップ上の情報や相手の行動パターン、自チームのプレイスタイルなどを把握する必要があります。これにより、相手のエリアコントロールを予測し、戦略を立てることができます。

次に、コミュニケーションが不可欠です。IGLはチームメンバーとのコミュニケーションを通じて、作戦や戦術を共有します。正確かつ明確な指示や情報の伝達が必要です。

さらに、タイミングとスピードの判断も重要です。IGLは、相手のエリアを取る最適なタイミングを見極め、チームの動きやスキルの使用を適切に調整する必要があります。エリアを取る早さも重要です。素早い行動が求められる場合もありますが、時には慎重な進行が必要となることもあります。

IGLの役割は、エリアコントロールの判断に基づいてチームの戦略を立て、指示を出すことです。これにより、チーム全体が連携して戦うことが可能となります。

総括すると、IGLはエリアコントロールの理解と判断力が求められます。自分のチームと相手の状況を把握し、タイミングやスピード、スキルの活用などを適切に調整しながら、エリアコントロールを確保する戦略を立てます。IGLの役割はチームの成功に大きく貢献するものです。
以上のことをIGLのポイント3つとしてまとめて分かりやすく説明します。


IGLの3つのポイント

1.情報を取る

エリアコントロールにおいて、情報の取得が非常に重要です。
相手の情報を収集しないと、人数やスキルの不足により危険なエリアで戦わざるを得なくなったり、誰もいないエリアにスキルを使ってしまう可能性があります。
では、どのように情報を取得すればよいのでしょうか?
一番情報を得やすい方法は、両サイドに広がることです。なぜ広がることで情報を得やすくなるのでしょうか?

まず、広がることによって、自分たちがいるエリアが相手に取られていないことが分かります。これも重要な情報です。
また、音の聞こえる範囲も広がります。音が聞こえることによって、見えていない敵の位置や、どのエージェントがいるのかが分かるようになります。

固まった状態のエリアと音の範囲
青:取れてるエリア
緑:音が聞こえてる範囲


広がったときのエリアと音の範囲

固まった状態のエリアと音の範囲を考えてみましょう。
固まった状態では、エリアが限られており、音の範囲も狭くなっています。なのでAの情報しか得られないため、エリアコントロールを行うことはほぼ不可能です。そのため、エリアコントロールを行いたい場合は、基本的に情報の取得が容易な広がった形を取るようにしましょう。
一方、広がった状態では、情報を取ることができる範囲が明らかに広がっています。仮に初手でソーヴァがリコンを撃ち、KAY/Oがゼロ・ポイントを投げた場合、キルジョイタレットの音が聞こえることから、ソーヴァとキルジョイがBにいること、そしてKAY/OがAにいることが分かります。
エリアコントロールにおいて情報の取得は非常に重要です。広がった形で行うことによって、自分たちがいるエリアの占有状況や敵の位置を把握できます。これにより、効果的な戦略を立てることができます。

2.情報をもとに、どの作戦を実行するか決めましょう。

情報にもいくつか種類があります。

  1. BUY状況

  2. 居場所(エリア)

  3. スキル

  4. 人数有利と不利

これらを基に自分たちがどういう風に戦っていくかを決めていきます。

1.BUY状況

BUYは大まかに次の3つに分かれます。

1.BUY
2.ECO
3.オペレーターを含むBUY

1.BUY
BUYの場合は、状況に応じて様々な戦略があるので、適切に選択していく必要があります。

2.ECO
ECOである相手は、普通に戦ってもラウンドを取るのが難しいです。
攻めの場合、相手は武器やスキルが制限されているため、相手は人数をかけて攻めてくる(PUSH)か、人数をかけて守ってくる(STACK)ことが一般的です。

まずPUSHに備えて詰め待ちをします。開幕直後に相手がPUSHしてこなければ、PUSHしてこない可能性が高いです。
次に警戒すべきはSTACKです。STACKしている場所に安易に攻め込むと狩られてしまうことがあります。
したがって、相手の情報を慎重に集めつつ、相手が少ないと思われるエリアに進むことが重要です。

守りの場合も、相手は人数をかけて攻めてきたり、狭いエリアに攻め込んでくることがあります。一人で守る、狭いエリアに入ることを避けるようにしましょう。

以上がECO時の戦術のポイントです。相手が弱点を補う作戦を利用しつつ、的確な戦略を立てることが成功への鍵となります。

3.オペレーターを含むBUY
相手にオペレーターがいる場合、ドライピークだと相手にピックを取られやすいです。そのため、基本的にオペレーター相手にはスキルを駆使してエリアを取りに行く戦略を取ることが重要です。

ただし、スキルを使用すると相手に情報を与えることになります。情報が相手に渡ると、相手の攻めの目標が明確になる可能性があります。
また、オペレーターはマルチキルを即座に取るのが難しいため、その隙を利用してラッシュを選択することも有効です。ラッシュは単純な戦術であり、考えることが少ないため、実行しやすいです。

オペレーターがいない場所を攻めることが有効です。オペレーターはリテイクが難しい武器なため、オペレーターのいないサイトに攻め込むとリテイクがしづらくなり、ラウンドを取得しやすくなります。

以上が相手にオペレーターがいる場合の戦略のポイントです。スキルの適切な使用とオペレーターの回避、ラッシュの選択は、オペレーターとの戦闘で有効な手段となります。

2.居場所(エリア)
エリアの取り方は相手のエリアと自分たちのエリアによって異なります。
エリアには有利と不利があります。
以下の3つに分類できます
自分のエリアが相手のエリアより広い場合(自>敵)
自分のエリアが相手のエリアより狭い場合(自<敵)
自分のエリアと相手のエリアが同じ広さの場合(自=敵)
です。

基本的に、エリアが狭い方は積極的にエリアを取りに行く必要があります。狭いエリアでは情報が取りづらくなり、相手に囲まれる可能性も高くなります。

エリアを取りに行く状況

逆に、エリアが広い方は相手がエリアを取りに来る傾向があるため、取りに来たエリアを守るか、そのエリアを譲って他のエリアを取りに行くという選択肢があります。

上手く交わしたり、守ったり

以上がエリアの取り方に関するポイントです。
エリアの広さに応じて戦略を立てることが大切です。

3.スキル
相手の攻防に対して適切なスキルを持っているか、または使用したか否かどうかが重要です。
例えば、相手が攻めの状況でソーヴァやオーメンといったエージェントを使っている場合、リコンやスモークなどのスキルを使って、20秒間サイトに攻めないと考えられます。
また、相手が特定のエリアにスキルを頻繁に使用する場合、それは相手がそのエリアを制圧しようとしていることを示しています。ただし、相手もフェイクを仕掛ける可能性があるため、注意が必要です。
相手が守りの状況でアストラやセージといったエージェントを使っている場合、彼らは吸い込みやスローオーブ、バリアオーブなどのスキルを使って攻めの進行を止めることができます。特に吸い込みは非常に止めやすいスキルであり、クールダウンが終わるまでの約45秒間はそれを止めることが難しくなります。


これらの要素を考慮しながら、相手がどのスキルをどのタイミングで使用しているかを把握すると、相手の攻め先や守りの要がより明確になるでしょう。

4.人数有利不利
人数が有利か不利かの状況によって、チームの戦術は大きく変化します。
以下に人数不利と人数有利の場合の攻めと守りの動き方です。

【攻めの場合】
人数不利
設置前もしくは設置直後にリスクを取り1PICK取ることが重要です。
相手がリテイクのタイミングで多くの人数やスキルを使ってくるため、相手のペースでリテイクを許してしまわないように注意が必要です。

人数有利
相手は前目のラインを抑えたり、一人になっている敵を狙ってくる可能性が高いため、なるべく一人で行動しないようにしましょう。
人数有利の優位性を活かして、連携を重視して攻めることが重要です。

【守りの場合】
人数不利
設置前にリスクを取り1人を倒すか、分岐点となるエリアの前を制圧することが重要です。
人数を削られると、エリアに抜けが生じたり、一人で守らなければならない場面が生じます。このような状況では複数の射線を管理する必要があり、1対複数の状況でトレードが取られてしまう可能性があります。

人数有利
相手は設置前にキルを狙ってくることが予想されます。複数で固まって守ることや、リテイク時に人数をかけて局所的な人数不利にならないように注意しましょう。

以上が、人数が有利か不利かの状況における攻めと守りの基本的な動き方の概要です。
ただし、試合の具体的な状況や相手の戦術によって戦略は異なる場合もあります。適切な判断と連携を持って戦術を展開することが重要です。

3.実行する作戦をできるだけ簡潔に分かりやすく伝えましょう。

作戦を簡潔かつ分かりやすく伝えるためには、以下の手順を実践することが重要です。

  1. 事前に考え方ややりたいことを共有する: チームメンバーとの事前のコミュニケーションを通じて、自分の考え方や作戦のアイデアを共有しましょう。チームメンバーが自分の思考を理解していることは、指示の内容をより理解し易くする助けとなります。

  2. 作戦名やキーワードを使用する: やりたいこと(作戦)を共有している場合、作戦名やキーワードを使用するだけで伝えることができます。作戦名はチームメンバーが共通の理解を持っており、簡潔に伝える手段となります。

  3. 反省と共有を行う: 日々のスクリムや試合の結果を振り返り、自分の考えと実際の結果が異なる場合はチームメンバーと共有しましょう。そうすることで次のスクリムや試合でより簡潔かつ分かりやすく説明できるようになります。

以上の手順を実践することで、作戦を効果的かつ簡潔に伝えることができます。しかし、重要な点として、コミュニケーションは相互の理解を促進するためのプロセスであり、単に情報を伝えるだけではなく、チームの意思統一と共有を目的とするものであることを忘れないでください。

最後に

これまでの説明は、私個人の見解に基づいたものでり、その一部でしかありません。ですので、他人に意見を押し付けたり否定するようなことは避けましょう。異なる考え方もあると認識し、お互いの意見を交換しながら、自分なりのやり方や考え方を作り上げていくことが重要です。
そうすることで、より良いチームやIGLの形成に繋がるでしょう。

この情報が、読んでくださった方々が良いチームやIGLが出来上がれば幸いです。次回の記事でお会いしましょう。


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