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クラウドファンディングに未来はあるか?

コロナ禍になってから、クラウドファンディング(以下クラファンと略す)を始める人、支援する人が一層増えているようだ。私もミニシアターの支援をした。こんな状況になると政府や地方自治体の支援は動きが遅いので、クラファンに頼るというのも理解できるし、良いことだと思う。

でもクラファンで色々なプロジェクトを支援し始めてから7年位たって、これまでにも90ほどのプロジェクトを支援してきたが、最近はもうクラファンに未来はないんではないかと思うようになった。友人が”今のクラファンって4.

先払いの通販だよね。”って言っていたのを聞いてなるほどなと思った。

クラファンに期待していたこと

クラファンに魅力を感じていたのは、単にプロジェクトを金銭的に支援するだけでなく、プロジェクトの実行者と支援者の間にコミュニティというか、緩い関係性を生むことにあったと思っている。実際、クラファンを通じて知り合い友人となった人もいる。クラファンを始めた頃は、確かに魅力的に感じたプロジェクトも多かった気もする。(まあ最初は珍しいということもあったかとは思うが。)

クラファンを始めた頃は、プロジェクトの実行者も初めてのプロジェクトの場合が多くて手探り感があったので仕方ない部分もあるが、いずれ2回目、3回目のプロジェクトに挑戦する人がでるか、クラファン自体が成熟してより高度なプロジェクトに挑戦する、そして理想的には支援者側にまわるという流れが出てくるものと期待していた。

けれど、そういう方向には進んでいなくて、ただお金を集めて終わり、後でリターン送りますねという感じで、まさに友人が言っていた”先払いの通販”になっていて、魅力がなくなってしまったという感じである。

クラファンがどうなったらいいか

クラファンの何が問題かと考えると、結局お金を集めることができれば、それで終わりという設計になっているからだ。もともと米国でスタートしていて、私もindigogoで支援したこともあるけど、米国のプロジェクトは全く新規の製品を作るとかが結構多くて、それをいち早く手に入るということで投資している感覚だったが、日本にはその手のプロジェクトは少ない気がする。もちろん米国の真似ではなく日本独自のクラファンがあって良いのだが。

例えば、クラファンでプロジェクトが面白そうでサポートしたいが、お金は出せないので技術や知識で貢献したい場合もあるだろうが、そんな人はクラファンに参加できない。ではどうすればいいのかとか。

ではクラファンをどうしたら変えられるか私案を考えてみた。

1)リターン設計の変更:今は、資金が集まった時点でプロジェクト終了で、後でリターンを送るということで終わりであるが、1年後、3年後、5年後とかの報告をリターンに必ず入れる。それによって資金を集めて終わりではなく、実行者と支援者が緩く繋がる仕組みにする。

2)ステップアッププランの導入:一度プロジェクトを達成した人は、次のプロジェクトはより大きな資金を集めるようなプロジェクトしか実施できないようにする。(違うタイプのプロジェクトに挑戦する場合はそうでなくてもよい。)

3)サポート支援の導入:お金はないが、技術や知識、もしくは労働提供でサポートしたいという人のため、例えば金額は100円だが、それぞれのサポートを提供し、それに応じて、プロジェクトの実行者が返礼するという仕組みを入れる。それだとクラファンじゃなくてクラウドソーシングに近いかもしれないが、こういう支援があって良いと思うのだ。

上記のようなことが、今のクラファンでは実現できないので、もうクラファンは卒業でもいいかなと思っている。唯一、アカデミアの支援をしているクラファンのアカデミストだけは興味がある。クラファンが日本を良くしていくエンジンとなってほしいと願っているが、無理な注文だろうか。

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