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新年と願う未来

『ゴーン ゴーン・・・』「明けましておめでとうございます。」「おめでとうございます。」「今年も、宜しくお願いします。」「宜しくお願いします。」

彼女は、わたしの後に続いて言葉を紡ぐ。子供は、コタツでグッスリと涎が垂れていた。


笑いながら、今年も新年が明けた。人混みは避けたいと、今日は寝正月である。彼女と夜更かししながら、テレビを見て寝たので、遅めのお節を食べる。


親からの電話か来た。まだ本調子じゃないので帰省しないと伝えると父が出てきて「鍛え方が足りんから、病気になる。」と怒られ、兄弟からは、「何でも病気の所為にするなよ。」と怒られる。理不尽であろうと話が長引くので「分かった。」と答えて電話を切る。


3日になり、昼前から初詣に出かける。人が多い、そして、寒い。

体重が減ったこともあり、わたしのお肉の防御力では無力のようであった。

参拝したら、カフェに寄って帰ろうと考えながら順番を待つ。

「早く参拝して、温まりたい。」「寒いの?」「寒いよ〜。そっちは、大丈夫なの。」「いつもと同じじゃないかなぁ。冬だから、寒いのは当たり前じゃない。(笑)」「温室育ちだから、寒いと枯れるのよ。(笑)」と会話しながら、笑い合う。

ちびっ子は、ほっぺたが冷たくなっているけど笑っている。抱っこしてみると、『温かい?』背中は汗をかいてやがる!モコモコに着せてきたが、暑いのか?と思いながら、タオルで拭く。

ようやく、日常を取り戻したんだと実感した。

順番が来た、「パンパン」手を合わせ(順調に、完治しますように。普通に家族と居られますように。)わたしは願いながら彼女を見た。

黒い髪、白い肌、白い手袋で掌を合わせている。わたしは、最後に(彼女が、幸せであります様に。)と祈った。

お祈りが終わったのか、顔を上げて「お待たせ、行きましょ。」と3人で、手をつなぎ引き返して行く。


※ ※ ※ ※


仕事始めも、上司からは「よかったのか?」「手術の事でしたら、よかったです。」そして、わたしは「ペースメーカーなんて入れたら、皆で心配されて、哀れまて居た堪れなくなりますから。」「そうか、ならいいが無理はするなよ。」と言われた。


帰りに、クリニックへ寄る。

久しぶりに、先生に会った。

「明けましておめでとうございます。」「おめでとう」「今年も宜しくお願いします。」「あぁ。よろしく。」紹介状以外にも、やり取りしてた様で、「うん。投薬治療ね。まぁ、日常生活が遅れるか様子見させてもらうよ。毎日、朝や寝る前でも脈を測っといてね。」「はい。」「後、年に最低2回は検査をとしたいところだけど、3回から4回で、調整しましょう。」「ちょっと多くないですか?家族に心配させたくないし、頻繁に通うのは避けたいのですが。」「いやいや、無理して退院して状態も完治に程遠いから仕方ないでしょ。でも通院間隔は、月1でもいいよ。」「ありがとうございます。」「あ~、薬は余り見られたくないなら、一包化してもらうといいよ。頓服で鎮痛剤ね。じゃ、出しておくね。」「ありがとうございました。」

わたしは、病院を後に帰宅した。


「ただいま~。」「おかえりなさい。」と温かいご飯に、お風呂。

最高なのである。当たり前がそうでなくなると、辛いのだと実感する。

こうして、わたし達の新年は明けていった。


いつも読んで頂きありがとうございます(*´∀`)