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【社員紹介】運営・イベント/西村 弘司 

こんにちは、名古屋グランパス採用担当の松浦です。

今回は「グランパスで働く先輩社員」をテーマに、みなさまご存じ、元名古屋グランパスゴールキーパー西村弘司さんにインタビューしました。

【第二事業部 運営・イベントグループ/西村 弘司さん (39歳) 】

―――――ニシさん、本日はよろしくお願いいたします。ついに満を持して登場いただきましたね。はじめに、これまでのキャリアを教えていただけますか

(ニシ)僕はサッカー選手出身のグランパス社員なので、他の社員の方と入社の仕方がちょっと違うんですけど僕の話で参考になりますかね・・・。

―――――もちろん大丈夫です。話を聞きたい方、たくさんいらっしゃると思います。

(ニシ)ならよかったです(笑) 僕は三重県の四日市中央工業高校から京都パープルサンガ(現 京都サンガF.C.)にサッカー選手として加入しました。京都で5年間プレーをした後、2008シーズンに名古屋グランパスに移籍、2016シーズンまで名古屋でプレーをして現役を引退しました。2017シーズンからはグランパスの社員として、現役時代とは違った形で関わらせていただくことになりました。

―――――グランパスの社員にならないか、という打診はいつ頃あったんでしょうか。

(ニシ)シーズンはだいたい12月頭に終わるんですけど、2016シーズンが終わったタイミングで、クラブから契約満了です、と通達がありました。自分の場合はありがたいことに大きなケガがあったわけではなかったので、現役続行を模索していました。ですが、自分の理想とこれからの長い人生を考えた時に、なかなか納得のいく結論を出すことが出来ませんでした。グランパスからは指導者としての打診をいただいている中で、グランパスの社員としての打診もいただいていました。それが12月中旬くらいだったと思います。契約満了の通知から1ヶ月以内、年内には結論を出していましたね。選手契約が2017年1月末まであったので、2月1日に名古屋グランパスに社員として入社をしました。

現役時代のニシ

―――――グランパスから指導者の打診もある中で、なぜ現場ではなく事業側としての社員の道を選択されたのでしょうか。

(ニシ)現役時代からセカンドキャリアとしてイメージしていたのはGKコーチでした。GKコーチはサッカーの中でも専門的な分野で全国的に人数が少ないんです。Jリーグのアカデミーはいるんですけど、中学や高校生年代にGKコーチがいないチームが多いので、その年代に対してGKコーチとして教えられることがあるのではと思っていました。でも、グランパスの社員の打診があった際に「自分の想像していなかった未来も見てみたい」という意欲に駆られました。サッカー選手をしていたので指導者についてはある程度イメージが出来ていたんですけれど、グランパスの社員が何をしているのかは選手からは全然わかっていなくて、そこを知ってみたいと思いました。

―――――グランパスから社員の打診があったとき、特定の部署やポジションを提示されていたんでしょうか。

(ニシ)なんにもなかったですね。 グランパスって部署異動が結構あるじゃないですか。僕が入社したのがちょうど2017年2月でJ2に降格したタイミングだったので、社員の部署異動が結構たくさんあって、その中で広報に配属してもらった感じですね。打診があったとき、僕より先にグランパスの社員になっていた中村直志さんにも相談しましたね。当時はホームタウングループに直志さんがいらっしゃったので、「どんなことをしているんですか」とか、いろいろ話を聞かせてもらいましたね。直志さんの話を聞いて、やってみよう、と思いました。

―――――現役続行を模索している中でのご決断、葛藤はかなりあったのではないでしょうか。

(ニシ)そうですね。正直、サッカーを続けたいとは思っていました。でも折り合いがつかないというのもあったし、これ以上、家族を僕のやりたいことで振り回すことは出来ないな、と思いました。僕には3人子どもがいるので、僕が現役に拘った結果、引っ越しを繰り返して子どもたちに転校させることになるのは避けたいな、と。あとは、現役の時にはプロ契約になるので、毎年、契約更改の時期になると家族から「今年はどうなりそう?」と心配させていたので、雇用が安定する、というのも社員になることのメリットでしたね。僕にとっては家族がなによりも一番大切なので、家族みんなで安心して一緒に暮らせる環境を選択しました。

―――――入社してからはどのような業務を経験されているのでしょうか

(ニシ)引退してグランパス社員として入社してすぐは広報グループに配属になりました。広報グループの中でもチーム付きの担当になったので、チームと常に行動を共にしてチームとメディアをつなぐ役割を担っていました。僕が入ったときはINSIDE GRAMPUSが立ち上がったタイミングでもあったので、どんなコンテンツを配信するか企画したり、選手とメディアの取材調整などを行っていました。

―――――ニシさんは選手出身なので、チーム付き広報の業務について、やりやすい部分、そうではない部分もあったのではと思いますが、実際いかがでしたか。

(ニシ)やりやすいと感じた点は、やはり既に関係性が出来ていたことですね。チームに残っていた選手もいたので、最初から相談しやすい関係性が出来ていたのはありがたかったですし、チームに新しく来た選手に対しても元選手というのはプラスに働いていたのではないかと思います。選手としての感覚がわかるので、選手の表情とか調子とかをみて話しかけたり、撮影をするタイミングを判断しやすいのはよかったことですね。ただ、逆に、選手としての感覚がわかるからこそ「いまはこの質問をされたくないからやめておこう」「いまは撮影されたくないだろうからやめておこう」と思ってしまうことは良いことのようで悪いことだったのかも、と思う事はありました。選手のそのギリギリのところを見せるために取材や撮影したほうがグランパスファミリーの方にとっては良かったのかもしれないな、と。自分にブレーキをかけていた部分はあったと思います。

―――――選手の気持ちがわかるからこその葛藤ですね。ニシさんが広報でやりがいを感じていた瞬間はどういった時でしょうか

(ニシ)やっぱりグランパスファミリーの方からの反応が嬉しかったですね。SNSとかで「面白い!」「めっちゃ良いモン見れた!」とか良い反応をしていただいたのをSNSで見ると、頑張って対応した甲斐があったな、と。SNSの反応は気にして見てましたね。

―――――グランパスファミリーのみなさんの感想がやりがいになっていたんですね。

(ニシ)そうですね。自分は選手引退してからすぐに広報に配属になって、チームの近くにいたのでたくさんのグランパスファミリーの方に声をかけていただきましたね。僕が選手にインタビューした動画とかだと僕の声が入っていたりするので、みなさんに「あの動画よかったよ!」と声をかけてもらったり。スタジアムで会ったりしたときに直接感想をいただけるのはとても嬉しかったです。

―――――広報で一番印象に残っている仕事はなんでしょうか

(ニシ)広報は6年間やらせていただいたんですけど、一番印象に残っているのは、楢﨑選手の引退会見の司会を僕がしたことですね。これ、知らない人結構いるかも(笑) 涙をこらえながらやってましたね。自分の人生の中で、楢さんは最も厚く高い壁だったので、楢さんの引退会見の場に立ち会えたのは感慨深いものがありましたね。

楢﨑正剛選手引退会見の様子

―――――最も厚く高い壁、最大のライバルでもあったんじゃないでしょうか。

(ニシ)ライバルだなんでおこがましくて言えないです(笑)でも、楢さんと9年間、同じクラブでプレーできたのはゴールキーパーで僕が最長だった、というのも嬉しかったですし、楢さんの現役最後の花道に立ち会えたことは人生の中で本当に良い経験になったと思います。

―――――広報でも素敵な仕事をしていたんですね。ニシさんはそのあと、運営・イベントグループに異動となりましたが、運営・イベントグループではどんな仕事を行っているのでしょうか

(ニシ)僕は入社から6年間広報をさせていただいて、違う部署での経験もしてみたいと思っていたし、運営・イベントグループの業務内容もイメージ出来ていたので、異動辞令を言われた時は非常に前向きに受け取りました。
いまは主にホームゲームの運営やイベント企画に携わっています。スタジアムに足を運んでくださる来場者のみなさまに安心安全に過ごせるスタジアムの環境を提供するための業務を行っています。スタジアム周辺の警備の調整や、ボランティアさんのサポート、スタジアム場外のイベント広場で行っている飲食やイベントの企画・調整なども行っています。2024シーズンに企画したもので印象深いのは、3月2日の町田戦でボランティアブースでひな祭りに関連した折り紙イベントを開催したことですね。グランパスくんとグランパコちゃんの折り紙なんですけど、折ると、グランパスくんのお内裏さまとグランパコちゃんのお雛さまになるんですよ。これ、デザインからぜんぶ僕がやりましたね。新エンブレムをみなさんに知ってもらえるように、とか、色味をどうするかとか、いろいろ考えてデザインしました。

(ニシ)ただ、当日はめっちゃ強風で!(笑) その場で折り紙を折ることが出来ないくらい強風で。来場者の方に見本を写真で撮ってもらって、折り紙2枚渡して、「おうちで折ってね~!」って言ってました(笑) あの日の朝は「え、めっちゃ風強いやん!折り紙折れへんやん!」って焦りましたね。

―――――天候だけはどうにもならないですもんね。

(ニシ)そうなんですよね。運営の観点で言えば、当日は風が強いという予報が出ている時は、朝から場外のテントの幕を取り外したり、キッチンカーの出店者の方とモノが飛ばないように強風対策を行ったり、雨や雷についても運営本部で常にレーダーを確認しながらリアルタイムで対策をやっていて、ご来場いただいた方の安心安全を第一に考えています。暑い時期になれば熱中症対策もやりますが、その一環で水鉄砲を大噴水のところで親子で出来るようなイベントも企画しましたね。「せっかくやるなら面白いものを」という気持ちを大切にしています。

―――――運営・イベントグループでやりがいを感じるときはどんな瞬間でしょうか

(ニシ)僕は試合日にスタジアム場外の広場にいることが多いので、ご来場いただいた方の表情が良く見えるんです。みなさん試合前はワクワクドキドキしている表情ですし、特に子どもたちがイベントを楽しんでいる様子を見るのは僕にとってやりがいを感じる瞬間ですね。スタジアムから帰る時の表情はどうしても試合の勝敗に左右されてしまうんですけれど、チームが勝った時、お客さんが笑顔で帰っている時は自分の選手時代のことも思い出しながら、非常に嬉しい気持ちになりますね。みなさんの生活に影響を及ぼす“サッカーのチカラ”を改めて感じますね。

―――――サッカーのチカラ。ニシさんは選手もスタッフも経験されているので、いろんな側面でそれを感じることが多いんですね。
ニシさんはどんな人と一緒に働きたいですか?

(ニシ)グランパスで働いている社員はみんなサッカーが好き、グランパスが好きという気持ちで入社してきているので、みんなグランパスに対する情熱を持っています。なので、グランパスに対しての情熱を持っていて、各部署でそれぞれの業務領域は違うけれども「グランパスをより良い方向にしていきたい」という気持ちがあれば大丈夫だと思います。社員それぞれキャラクターが異なりますが、グランパスへの情熱があることが共通点なんじゃないかなと思っています。

―――――次はプライベートについて伺わせてください。ニシさんは趣味はありますか?

(ニシ)正直言うとないです(笑)いまは趣味はいらないですね。僕は子どもが3人いて、家族と一緒に過ごすことが一番大切だし、一番楽しいので、ひとりの時間はいまはいらないです。家族が一緒にいられる時間って本当に一瞬だと思っているので。グランパスは日曜月曜が休みなんですけれど、日曜日は家族みんなで過ごしていますし、月曜日の午前は子どもたちが学校に行っているので妻とふたりで過ごしています。美味しいランチを食べに行ったり。プライベートでなにやっているのか、と聞かれると、毎朝犬の散歩に行っているくらいですかね。

愛犬のルル(男の子)

(ニシ)あとは健康と体型維持のためにお風呂上がりのストレッチをしたり、週3回程度のランニングをしていますね。走ることが好きなわけではないですし、むしろ走りたくないからGKやってたくらいなんですけどね(笑)でも、体型維持のための手段として走っています。何も運動しないとどうしても太っていってしまうので、継続は力なり、で頑張っています。

―――――家族をとても大切にしているニシさん、すごく素敵だと思います。今日はお話お聞かせいただきありがとうございました!