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【コーチング】「猛烈に忙しいこの状況を何とかしたい」#ケーススタディ もういちどやり直すならこう対応する

 コーチングの中で、しばしば遭遇する状況です。コーチングを受けている方は、仕事熱心な方が多いですので、こういうケースは珍しくありません。

 このケース、どんな質問や対応が考えられますか?
マネージャーの方、経営者の方、ご自身がまさに今猛烈に忙しい方、良いアドバイスはございませんでしょうか。コーチの方々は過去このケースでどんな対話をされてきましたか。

私がしてきた質問、対応

 あるクライアントは、転職したばかりの会社で、海外とのやり取りを一手に引き受けていました。そのため、日中も夜も対応することとなり、文字通り休む間がない状況になっていました。
 「この状況をどうしたいと思っていますか」
「優先順位をつけて云々ということはわかっているけど、どの仕事も私しかできないので、どうしようもない。特に海外との調整については私はこのために雇われたと言ってもいいようなものなので、今他の人にやってもらうべきでもない。日中の仕事は何かやりようがあるような気がするけど、入社したばかりだから、とりあえずやってみないと分からないので、やるしかないかと」
「本当のところ、この忙しい状況をどうしたいと思っていますか」
「まあ、いつまでもこの状況がつづくというわけでもないので、やれるっちゃやれるんですよね」
「忙しいことで失っているものにはどんなことがありますか」
「睡眠時間、健康かと。」
 結局仕事をやり切りたいという気持ちが強く、この状況でやれるところまでやってみる、という結論に至りました。

 いくつかのプロジェクトを兼任して、忙しくなっているケースもありました。
「もし、締切の期限が半分になったら、どう処理しますか」
「〇〇の業務は誰かにやってもらうしかないかもしれない。いや、でも自分でやりたい気持ちの方が強い」
「そうなんですね、自分がやりたいと思うのはどういった理由でしょうか」
「これが自分のやりたい事なんで、自分のスキルや経験を通じて貢献したい。」
 と、このケースでも、優先順位付けをして整理するとか、委任すると言う事にはならず、なんとか乗り越える、という結論で納得されました。

 コンサルティングであれば、より効率的な仕事の進め方や、権限移譲などど解決策をアドバイスするのでしょう。コーチング的アプローチでは、クライアントの価値観を中心に対応しますので、ひとつの回答、ひとつの正解に導くことはしません。
 上記のケースでは、結果的にその後これを乗り越えてよかったということになりました。そういった回り道がクライアントにとって価値ある経験となったようです。

 しかしですね、もうちょっとクライアントの思考を広げられる対応はなかったものかな、とも思います。 

やり直すとするならば、こんな質問

 他にどんな質問が考えられたのでしょうか。質問の軸を使って反省してみます。

時間の軸

・「今の忙しさは、一年後のあなたにどんな影響を与えますか」
・「今どれか一つの仕事を手放したとして、一年後のあなたにどんな影響を与えますか」
こういうのは対話のどこかであって良さそうですね。

人の軸

・「あなたの身近に忙しくないのに、理想的に働いている人はいませんか」
これだ、多分!ロールモデル作戦。クライアントの前提を動かす可能性を感じます。
・「あなたがあなたの上司ならどんなアドバイスをしますか。」
・「あなたがあなたの同僚ならあなたに、忙しい状況に対してどんな風に声を掛けますか」
いいですね、だんだん客観視できてきそうです。

状況の軸

・「締め切りの時間が半分になったら、どう処理しますか」
という質問はしたんですよね。よく聞く質問ですので一応分類しておきます。
・「締め切りの時間が半分になったら、どれから手をつけますか」
・「締め切りの時間が半分になったら、何をやめますか」
少し具体的になってきました。
・「明日から1週間、病気で仕事ができなくなったら、どう処理しますか」
これ、いいかもしれませんね。強制的に休むとなったらどうするんでしょう。

場所の軸

・「あなたの様子を横の席から見ていたら、どんなふうに見えますか」
ありですね、自分を客観視できますよね。

やり直すとしたら、どんな対応

 私は最初から優先順位を聞くことはしなかったです。どのような経緯でこの状況になったのか、あなたはこの状況をどう感じているのか、など伺ってみます。その結果やはりこの状況を受け入れて、忙しいままやってみる、ということになるなら、それでもいいのではないかな、という考えでコーチングをしていました。
 コーチングを受ける方々は仕事熱心なプレイヤー、向上心のある管理職の方が多いですので、仕事の優先順位のつけ方はご存じですし、必要であればいくらでもご自身で効率化の勉強もされます。その上で「この状況、どうすっかな」という状況です。なので、クライアントがどうしたいか、ということを中心に考えていました。

 とはいえ、ですね。ここまで反省してみますと、もっとクライアントの前提を変えてみるような対応もあって良かったかな、と思っております。

 例えば、コンサルテーションによって、クライアントがさらなるスキルを身に着け成長し、同じ仕事を短い時間でできるようになった可能性もあったわけですよね。
 であれば
「仕事量を全く変えずに、時間を短縮するには何に取り組むといいですか」
「仕事量を全く変えずに、時間を短縮する方法を教えてくれる人はいますか。」「いるとすれば、誰ですか」
こんな質問もできたかもしれません。
 過去私が受けたコーチングでは、誰か助けになる人を見つける質問をよ受けました。これがまた実に効果的なんです。人に教わること、協力してもらうことも自己実現の一つの選択肢に違いないです。

まとめ

 やはり反省してみますと、ああすれば良かった、今度はこうしようというのが出てきますね。また、折を見てケースの振り返りをやってみたいと思います。


楽しく、願いが叶う人生に!


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