2014/10/5 記 昨日の話の続きで言うと、やっぱり今の話題は"危険ドラッグ"か。 テレビで見てると車の中で涎を垂らしているのだとか、わーわー言いながらふらふら歩いている奴の様子が映っているけど、どうしたらあんなふうになれるのか。 俺もなってみたいものだよ。 俺はどうしても我を見失うことができない。記憶が飛んだなんて、数あるドラッグ体験の中に一度もない。 だいたい記憶が飛ぶなら面白くないし、恐ろしいことだ。 そうなったらもうドラッグには手を出さないだろうな。
2014/10/4 記 "何とか警察24時"とか、"警察密着"なんてテレビ番組もすげー多いね。 特に薬物でパクられてる奴の映像見てると他人事とは思えなくって身に詰まる思いがするよ。もうこんなことしてられる時代じゃないなって。 しかし、何日間もつけ回されてる奴は気が付かないかって? うん、わからないんだよな、これが。 「まさか俺が」とか、 あれっと思うことがあっても 「気のせいだ」とか、つい自分に都合のいいふうに考えてしまうのだ。 前々回の逮捕の時、8ヶ月間内偵
2014/10/3 記 今朝もいつもと同じように、皆より先に検身場に入り、着替えて工場の窓を開け、湯沸かしの電源を入れたあと、皆が着替えるのを待って洗濯のカゴを検身場から出そうとした時、 「動くな」 と、オヤジ連中が集まってきた。 検身場にはまだ人がいて、喧嘩らしい。 どんどんオヤジも増えて、俺たちは整列したまま目を閉じてそれから30分も立たされたままだった。物々しいムードの中作業が始まる。いつもより1時間遅れだ。 着替えをしてないツナギが3人分。そう、3人連行さ
2014/10/1 記 工場に2人いる経理係。 衛生係の俺と、計算係のもうひとり。 腕章巻いたこの二人はオヤジに信用されてこの作業についている。 だって他の奴らとは違って、やろうと思えばいくらでも反則できる作業をするからだ。 係に就く前にオヤジから重々言われてたよ。 「同囚に、これやってくれませんか、あれやってくれませんかと言われたら俺のところに言いに来い」 行けるか!そりゃチンコロだよ。 言えるわけない。 それなら断れって? 人に頼まれて断れる性格ならこんなと
2014/9/30 記 先月、宿題となっていた短歌クラブに提出する夏にちなんだ俺の歌はこれだ。 やっぱり全然才能なしだな。 また今日の短歌クラブで先生にコテンパンかなとおもってたらさ、 「いいね!灯りも落ちたという表現」 ときたよ。そしたらその後こうだ。 「君とゆく帰路好きと言えずに。うん、こういうのほんとにあるんだよなぁ」 と、旧にでかい声で言い出した。 「昔あったことなんだろ、これを歴史的現実表現というのさ」 と、やけに今日はプラスの方に食いつきがいい。
2014/9/28 記 退屈な連休最後の今日は、最近テレビでもよく取り上げられている潔癖症の話を。 懲役の雑居に入ると、ことの他うるさいのがいるので言われないように神経質になって掃除をする。 俺はここまでやらなけりゃ気が済まないほど綺麗好きですよってアピールも入っちゃうわけだよ。 そんな生活をしていると、それが当たり前になって、娑婆に出てもすっかり綺麗好きになっていたりする。 勿論、言うのがいなくなった分、反動でだらしのないのに拍車が掛かる奴もいる。 そんなのが
2014/9/27 記 しかしテレビをつけりゃ、オネエだニューハーフだって、挙げ句の果てには汚ねえおかまやホモが出てるものだよ。 俺は若い頃なぜか頻繁におカマに誘われることが多かったトラウマで大の苦手だ。 面白いからって誘われるけど生理的に受け付けないのでオカマバーには行かない。 勿論差別する気はないけれど、知らずにベットインして最後の最後にパンティー脱がしたらキンタマ出てきたら、殺すかもしれない。 府中刑務所には第二内掃工場が全てオカマで、全員独居。 雑居に入れ
2014/9/25 記 昨日と今日、副担が休みなので交代のオヤジが色々来る。 懲役もオヤジのあだ名を色々とつけるもので、ウマだカバだカマキリだと、挙げ句の果てにはフランケンなんて。 でも今日来たオヤジのあだ名は 「投げられちゃった奴」だ。 なんじゃそりゃあ。 古い懲役に聞くと、前任の本担はかなりイケイケの奴だったらしく、その「投げられちゃった奴」は、しょっちゅう怒られてて、襟首を掴まれては脅かされていたらしい。 交代できても、 「お前はいらねえ」と、返してしまう
2014/9 の雑記帳14から 懲役長いせいで、性格が変わったのか以前の自分なら、仕事のミスがあったとしてもいちいち気にせず気分を入れ替えてガンガン次の仕事をやってたのにそれができなくなった。 完璧でないことが許せず、小さなミスをいつまでも引きずりボーっとして、それが次の仕事に支障をきたす。いつの間にかそんな精神状態になってしまった。 最近では人間関係にもこんな状態になった。とても不安定なところを歩いてる気がする。危ない。 あと3ヶ月で釈放だ。なんとかもってくれ俺の精神
2014/9/21 記 昨日の話の続きは俺のことになるけど、昔こんな敗戦があった。 甲府で同じ舎房のオッサンと揉めた。俺も若かったので、相手を見て全力で向かうほどもないと判断し、ちょいと懲らしめてやるか… くらいの余裕。 顔面パンチはオッサンが可哀想と情けをかけて先制パンチは左ボディ一発。 オッサン効いたらしく、グォっと唸って体を前に折り曲げた。 俺の方に倒れ込んできたので、終わったと思って気を抜いた俺はオッサンと一緒に畳んである布団の上に転がった。 その瞬間
2014/9/20 記 さてさてまた、いつもの週末なので、この前の様々な武勇伝を記憶を辿って話そうかな。 刑務所ではたくさんのケンカを見てきたけど、この月形刑務所では、ただの一つも見あたらない。 だから前刑までの目撃談で、まるでテレビドラマの格闘シーンのようだった甲府のミシン工場での話を。 陰謀渦巻く再犯刑務所だから、工場内には派閥ができる。 ある男は、気に入らない男を工場から追い出したかったのか裏で色々空気を入れる。 俺のところにも来たよ。 「後藤さん、奴はね
2014/9/19 記 独居はね、夜に便所をながせないんだよ。 水洗の音が上下の階や隣に響くからだ。 特にここの音はすごく響く。 しかし俺の場合クソは死活問題なので便意を催した時は迷わず済ませ、そして流す。 バケツに水を汲んでおいたってそんなんじゃ綺麗に流れないのさ。 とは言いつつも、同じ工場の同囚が両隣にいるのだからなるべくなら迷惑はかけたくない。 だから皆と同じように夜中の小便は音がしないように座ってやるし、そのまま朝まで流さない。 汚いと思うかもしれない
2014/9/17 記 脱法ハーブは危険ドラッグと呼び名を変えて、連日ニュースや警察の密着番組で取り上げられている。 危険ドラッグを使用した上での車の運転が死者を出すまでの事件になっているからだ。 こいつらは人の命を奪っておいて、飲酒運転同様に道交法で裁かれるだけだ。 一方、覚醒剤に関わったチャゲ&ASKAのASKAは、執行猶予付きだが3年の実刑判決を食った。 彼は誰かに迷惑をかけたのだろうか?薬によって前後不覚になり、他人を轢き殺したりしたのだろうか? 覚醒剤は
2014/9/16 記 さて、週明けの今日は、運動会翌日ということもあって、他の皆と違って俺はやることが多いよ。 連休分の洗濯物についで、運動会で使用した体操着、短パン、ゼッケン、鉢巻に、増貸分の下着と工場着。先週末のままだから大変だ。 本当なら嫌気がさして行く気がしないところだろうが、今はなぜか違う。もうすっかり慣れたのだ。 仕事が山積みで大変なほど 「よし、やったるか」と、やる気が出る。出役するのにも全く苦にならなかった。 なぁ、俺って結構前向きな性格してるよな
2014/9/15 記 先週は、バツ明けに続き、新入も来た。バツ明けと違って新入工場から来てる奴は、衛生係の俺としては色々説明しなくてらならないので大変だが、それが初犯となるともっとめんどくさい。 例によって食堂でバックの中身を出させて、荷物検査の用意をさせてはツナギを着させ、マスク、安全靴ゴーグルなども用意してロッカーの場所や服の畳み方まで…。 そんな中でオヤジが来るまでは、リラックスさせてやろうと雑談も混じる。 「〇〇さんは今回何年の刑ですか」 と聞くと、 「
2014/9/14 記 チャゲ&ASKAのASKA氏は、保釈中から薬物依存離脱のための病院だか自助施設のグループワークに参加してるとか。 有名人だから社会に与えた影響が大きいせいか何かと話題にされてしまうよね。 まぁ、反省の意をアピールするにもいいことだ。裁判の印象を良くするために弁護士に勧められたのかな。そこまでせずとも執行猶予は間違いないけどね。 しかし彼が最も救われたのは、奥さんが離れて行かなかったことじゃないかな。このことは彼の復活には大きな力を発揮すると、