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『ルポ 誰が国語力を殺すのか』

こんにちは。
いつも5CMをご愛顧いただきありがとうございます。
5CMには、ありがたい事にたくさんのお客様にご来店いただいています。
日々、お客さまと接していますとお話も多岐にわたり
髪の毛のことだけではなく生活の知恵やご近所グルメ、旅情報、育児やペット。
オススメの本や映画、漫画など。
ありとあらゆるお話が話題に上ります。
5CMのnoteでは、お店で繰り広げられるお話のおすそ分けをしていこうと思っています。
誰かのお話が誰かの好奇心をくすぐることを期待して。

今回は、お客様に教えていただいた一冊の本を紹介していきます。


『ルポ 誰が国語力を殺すのか』

著者 石井光太

子供たちの言葉を奪う社会の病理と国語力再生の最前線を描く渾身のルポルタージュ。

序章
子供たちの国語力は本当に失われているのか。
だとしたら一体、誰が、何が、なぜ、国語力を殺したのか。
子供たちの国語力を回復させるには、どのような取り組みが必要なのか。
本書では、学校をはじめとした様々な教育・支援の現場で、子供たちの国語力崩壊の実態とそれを取り巻く諸問題に光を当てていきたいと思う。
1章〜3章では、家庭・学校・ネットの順に、国語力が脆弱になっている実態を検証する。
4章〜6章では、不登校・ゲーム依存・少年院を舞台に、どん底からの国語力再生の取り組みに光を当てる。
7章〜8章では、日本の国語力育成の最先端教育について考える。

作中より

『ごんぎつね』を誤読する小学生の話から始まり8章にわたって書かれています。

国語力とはなにか
文科省が定義するには
「考える力」「感じる力」「想像する力」「表現する力」の四つの中核からなる能力としている。

まず、習得しなければならないのが、あらゆることの基盤となる語彙力。
語彙を増やすのと同時に育てていくのが、「情緒力」や「想像力」。
多様な価値観から発せられる相手の主張を文脈の中で理解し、自分の意見を筋道を立てて構築していく「論理的思考力」。

学校の国語の授業で行う言語活動、「聞く」「話す」「読む」「書く」に必要な力と言える。

子供たちは国語力を身につけることによって生きていくのに必要な力を得る。
この生きていくのに必要な力を得られずに成長していった子供たちはどうなるのか。

著者は国語力を、社会という荒波に向かって漕ぎ出すのに必要な「心の船」と表現していました。
語彙という名の燃料によって、情緒力、想像力、論理的思考力をフル回転させ、適切な方向にコントロールするからこそ大会を渡ることができる。と

超素敵‼︎


手助けが必要な支援が届いていない家庭、高額な教育費を払える家庭。
家庭格差からくる教育格差。
民間の支援が届かないとなれば、公立の学校に期待される役割は大きくなるばかり。
そんな中で公立の学校にできることにも限界のある現状。
人材不足に家庭や社会から求められる要求の多いこと。
読めば読むほど学校って大変って思わざるを得なかったです。

言葉を奪われた子供たちの言語回復プログラムや少年院の子供たちの言葉を取り戻すところでは涙。
スポンジが水を吸収するように言葉を吸い取っていく彼らの姿には感動しました。
刑期を終えた彼らの心に色彩を与えるための表現教育や”感情の細分化”を目的とした「心のバブル」。
こちらは、すぐに家庭でも実践してみようと思いました。

最先端教育のところは、特に面白かったです。
広島県の小学校や神奈川県の中学校で行われている教育法はユニークで興味深かった!
本物に触れることの大切さや知識を横に広げる方法。
社会科の授業で言われていた「用語は暗記するものではなく使うもの」という言葉は、まさにそれ!!
国語の授業に1年間で1冊の本を読み抜くというのは私もやってみたいです。

哲学対話も色んな学校で取り入れてもらいたい!
相手の意見を聞いた上で、自分なりの考えを形成していく力を身につけて欲しいし。
「答えのない問題」に面した時に、多面的に物事を捉える力がいかに大切なことかわかるはず!

本を読み終えて、国語力は子供たちだけでなく大人にも大事なことが痛感しました。
まずは大人が国語力に重きを置いて「心の船」を適切に操ることが必須!!
この本は、言葉を持つことの大切さや尊さを気づかせてくれる一冊になると思います。

心の中に「辞書」を形成していくという言葉が特に胸に残りました。

オススメしてくださったお客様、ありがとうございました。

ではまた。


5CM

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