町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)

八王子市生まれ、震災の前年より釜石へ。プライマリ・ケア認定薬剤師。ケアカフェ釜石支配人…

町田和敏(変な髪型をしたポンコツ薬剤師)

八王子市生まれ、震災の前年より釜石へ。プライマリ・ケア認定薬剤師。ケアカフェ釜石支配人。『荒木博行のbook cafe』コメント職人の部室員。音声配信:『本を読んでは独り言ラジオ』(stand.fm & Spotyfyで配信中)積読系弱小Podcaster

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『わかりやすさの罪』を読んでは独り言

娘との日々の会話の中で 「どうだった?」と 感想を求めることがある それ自体はおそらく どんな家庭でも 繰り広げられているのではなかろうか 「よかった」 そう言う娘に対して 心の中で色々な声が出てくる (何が良かったんだ?) (どう良かったんだ?) (どれくらい良かったんだ?) そうした心の声に背中を押され その声が言葉になる 「何が良かったの?」 そう聞いても 娘の口からは 「よかったの!」 の一言が繰り返される もっと言語化できるようになって欲しい そん

    • 絵本『ふたりの約束』を読んでは独り言

      「あいつが悪い」 薬局で吠えるように 負の感情を爆発させる方がいる その方は 何かあると大声を出し 揉め事を起こすことで有名だ 出禁になったお店も数知れず そんな方と話しながら 冒頭の言葉のように 何か一つに原因を決めたがる傾向にある そう感じていた ・・・・・・ 「やっぱり運動が足りないのでしょうか…」 糖尿病に関する薬を飲んでいる 患者さんと話していると そんな言葉を聴くことがある その度に 運動も大切だけど 食事や睡眠だったり 心の持ちようだったり

      • 『ビジネスシーンを生き抜くための仏教思想

        薬で苦しみは減るのだろうか 薬という物質で 目の前の人の苦しみは 減るのだろうか いやそもそも 目の前の人が口にする言葉によって 表現されているものは『苦しみ』なのだろうか ・・・・・・ 目の前の人が語る言葉に 苦しみを感じ取る それは私の感覚によるものだ だから それが本当の意味での 苦しみなのかどうかはわからない けれど その苦しみに対して 対話を用いて対応しているつもりだ いくら対話をしても 目の前の人の苦しみの 根本的な部分は解決できない なぜ

        • 絵本『ネコとサカナ』を読んでは独り言

          気の合いそうな人 気の合わなそうな人 何だか気の合いそうな人 何だか気の合わなそうな人 人と人との関わり合いの中で 何となく感じ取る それはどこから来るのだろうか 言葉なのか 表情なのか 声の質なのだろうか 声の大きさなのだろうか 仕草なのだろうか 行動なのだろうか それら一つ一つでもあり それら全てでもある 何気ない日々の中 私たちは直感的に判断している 微妙な違いを感じ取っている ・・・・・・ 今日もまた 読んだんだか読んでいないん

        『わかりやすさの罪』を読んでは独り言

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          『世界は贈与でできている』を読んでは独り言・其の四

          薬局の待合室には TVが置いてある 私の勤める薬局では 日本テレビ系列に チャンネルを合わせている ちょうど 患者さんとお話ししながら その方の肩越しに TV画面が目に入る 患者さんの波が途切れ 静かな待合室に TVの音が少しばかし響く その響きに耳を澄ませながら パソコンに向かって記録をする TVでは朝の情報番組 『DayDay.』の中で 中学受験が特集されていた その特集の中で ある家庭での 母親の言葉が 妙に目に止まった その家庭では 子供の塾に関する費

          『世界は贈与でできている』を読んでは独り言・其の四

          絵本『いろんなところに いろんな とり』を読んでは独り言

          昨日に引き続き 鳥に関する本ということで 鳥ばかりだなと思われるかもしれない そう 私は娘の影響を受け 今まさに鳥に夢中なのだ 自分でも まさか鳥に夢中になるとは 夢にも思わなかった 今では 空を飛ぶ鳥に目を奪われ 鳥の鳴き声に耳を澄ませ 鳥の動きに思いを馳せるのだった そんなことを思いながら 今日もまた 読んだんだか読んでいないんだか 積んだんだか積んでいないんだか といった本達の中から一冊紹介し 心の琴線に触れた一節を取り上げ ゆるりと書き記していきたい

          絵本『いろんなところに いろんな とり』を読んでは独り言

          『トリノトリビア』を読んでは独り言

          鳥好きな娘と一緒に 近所の川の周辺を歩く 河原の草っ原から 鳥の鳴き声が聞こえる 何の鳥なのか 双眼鏡越しに眺めては あぁでもない こうでもないと 娘と語り合う 娘は娘なりに 鳥の雑学や過去の経験を語りたがる その中には 「それ本当か?」と 首を傾げるようなものもある 例えば 雀の巣があるよ と話をしてくれるが 私には巣なのかどうか 確かめようがない 『娘がそう思っている』 という意味では事実だろうが 『娘の言う場所に巣がある』 という意味では事実かどうかわから

          『トリノトリビア』を読んでは独り言

          絵本『せいめいのれきし』を読んでは独り言

          先日6歳になった娘は 鳥や花や恐竜に興味津々だ 恐竜に至っては かれこれ3〜4年前から そのレベルは上下しながらも 興味関心を抱き続けている そんな娘と最近 映画『ジュラシック・ワールド』を 一緒に観たのだ ちょうど 金曜ロードショーで 放送されたことがきっかけだった この映画は 以前にも一緒に観ようと 誘ったことがある 確か1〜2年前だったと思うが その時にはリアルな描写に 「みたくない」と拒否られてしまった 確かに大人が観ても 怖いと思うシーンがあるので

          絵本『せいめいのれきし』を読んでは独り言

          『自分とか、ないから。』を読んでは独り言

          4年間の大学受験浪人時代 今振り返ると 自業自得と思う なんせ 勉強していなかったからだ 高校に入るまでは 学校の勉強はできた しかし 勉強らしい勉強をしていなかった 己の記憶力を頼りに 何とかやってきたのだ 授業を受けただけで 何となくわかったし 問題も何となく解けていた 学校以外で 塾にも通っていたが 予習や復習をした記憶がない 単に記憶がないだけかもしれない そんな私が 今振り返って思うのは 大学入学までの間に 勉強らしい勉強をした記憶がないのだ

          『自分とか、ないから。』を読んでは独り言

          絵本『ほんなんてだいきらい!』を読んでは独り言

          最近 娘は図書館についてきてくれない 「図書館行くけど一緒に行かない?」 「いい、いえにいる」 そんな言葉をきき どこか寂しさを覚えながら 1人で図書館に行く たまに 障害を持つ息子と一緒に 図書館に行くことはある バギーという ベビーカーをゴツくしたような 障害児用の押し車に息子を乗せて 図書館で本を物色する 「今日は娘さんは一緒じゃないんですか?」 司書さんに語りかけられ思わず本音が出る 「そうなんですよ…寂しい限りです…」 娘は図書館が嫌いになって

          絵本『ほんなんてだいきらい!』を読んでは独り言

          『親子で哲学対話』を読んでは独り言

          以前も書いたことがあるが ちょうど最近6歳になった娘と 一緒に寝る際に 娘から「パパ、こしょこしょばなしをして」 とせがまれることがある こしょこしょばなしとは 私が作ったお話で 過去に読んだ絵本を 思い出しながら語ることもあれば 何か娘に伝えたかったり 何か娘に考えて欲しかったり そんな思いから生み出される創作物語でもある ちょうど昨日の夜 娘から所望され 私は「どんなお話がいい?」と問い返すと 「たまごのはなしがいい!」と娘が言う 卵からイメージしたお話を

          『親子で哲学対話』を読んでは独り言

          絵本『わたしの森に』を読んでは独り言

          独特の空気を身に纏い まるで人を避けているかの如く 声を張り上げ威嚇しているように 見える人がいる その人の本心はわからない 身体は大きく あまり愛想も良くはない 地声は太く低く 身体の大きさが 声の大きさを 生み出しているかのようだ その人は周りの人から警戒されている その人に親しげに話しかける人は少ない でも よくよく観察してみると 人と交わりたかったり 一人で寂しそうだったり 一見細かくて一見怖いけれど どこか人間臭さを感じたりもする そうは思っても

          絵本『わたしの森に』を読んでは独り言

          『記憶と感情のエスノグラフィー』を読んでは独り言・其の三

          「先生は運動しろって言うけどなかなかね…」 糖尿病の薬を飲んでいる患者さんの言葉だ 私の務める薬局に訪れる患者さんの 7~8割は一軒挟んで隣にある診療所を受診している 診療所の医師が 昔ながらの人情味溢れる先生で 細かな指導をするタイプではないこともあり 医師から「運動しなさい」「痩せなさい」「動きなさい」 といった言葉を言われた結果 冒頭の言葉が薬局にて吐き出されるのである 「なかなかね…」に続く言葉にも 患者さんの嗜好や特徴が出る 「痩せ薬はないのかしら?」と冗

          『記憶と感情のエスノグラフィー』を読んでは独り言・其の三

          絵本『エリカ 奇跡のいのち』を読んでは独り言

          最近考えていること それは 生きる ということについてだ たまたまなのか 無意識にそうさせているのか わからぬが 手に取る本も 『生』に関する本が多い気がする 日々 薬局という現場で 患者さんの声を聴くことで 『生』を考える契機を得ている とも言えるかもしれない 今絶賛読み途中の 『プシコ ナウティカ』も 本編を読み終えた 『世界への信頼と希望、そして愛』も 私にとっては 生きることについて 気づきをいただく読書体験である そんなことを思い浮かべながら 今日

          絵本『エリカ 奇跡のいのち』を読んでは独り言

          『プシコ ナウティカ』を読んでは独り言・其の四

          あの人が来る 薬局の入口のガラス越しに その方が来るのを 恐れている自分がいた 鳩尾の辺りが 何とも言えない不快感に包まれ 動悸が止まらない いつ来るのか どんな状態で来るのか そんなことを ついつい考えてしまう その人との過去の記憶が蘇り 当時の身体の記憶が蘇る ・・・・・・ その方は当薬局を利用する患者さんなのだが 過去に薬局内でこれでもかと 怒鳴り散らしていったのだ その方なりの論理で その方なりの考えで 怒りの沸点を超えていったのだが 当時の記憶は私

          『プシコ ナウティカ』を読んでは独り言・其の四

          絵本『かしこい さかなは かんがえた』を読んでは独り言

          こうして毎日のように くだらない文章を書いている なぜ書くのかと言われてみると 書きたいからとしか言いようがない あとは 読書した内容を 少しでも頭の片隅に残したい という欲が働いているのだろう それに 書くことで 少しでも書く力を 伸ばしたいという欲も あると思っている こうして 本を読んでは独り言noteとは別に 本を読んでは独り言Radioという 音声配信もしている こちらでは 読んでもいない本についても 語りたいから語っている いや喋りたいから喋って

          絵本『かしこい さかなは かんがえた』を読んでは独り言