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クロの日

著:宮沢龍生
お題:伊佐那社が日頃の感謝を込めて夜刀神狗朗に手作り料理

「母の日と父の日があるんだからクロの日があってもいいんじゃないだろうか」
 そんなシロとネコの言葉に“また変なことを言い出したぞ”とクロは思ったが、とりあえず彼らに任せることにした。
 二人は相談しあって、九月六日(安直にクロと読めるから)を“クロの日”と勝手に決めた。そしてこの日、クロに感謝の意を表明するため、クロが普段こなしている家事をシロとネコは二人で分担してこなすことにした。
「クロはいつも働き過ぎだからね! 今日くらいは僕らに任せて」
「ワガハイ、いつもありがとうの気持ちは持ってる!」
 洗濯機から取り出した洗濯物をおぼつかない手つきで物干し竿に干すシロ。風呂掃除をしようとしたら水をはったバスタブにどぼんと転がり込むネコ。
 クロはシロがシワも伸ばさず、風通しの効率なども一切、考えず洗濯物をただひたすら楽しそうに鼻歌交じりに干していくのを見て溜息をつき、びしょびしょになったネコが半泣きになりながら浴槽から這い出てくるのを見て溜息をついた。

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1,393字

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K Fan ClanおよびK Fan Clan Nextの小説等コンテンツを再掲したものです。

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