deepdive into AK-hi-board 先行版

-本記事は都合により無駄に高額になっています。購入しないようお願いします。-
今回はかなり実践的にフロップAKハイボードでのプレーについて深掘していきたいと思います。
上級者向けの内容です。用語の説明などはしないので読めない人もいるかもしれません。
シチュエーションの全体集合は
100bb-cashの1on1状況4betまでです。
(コールド4betなどは入らないHUでフロップへ進んだ状況という意味です。)
また、必ずラストアグレッサーをとっているとします。
(つまりcb戦略です。)
参照するGTOソフトとしてはGTOWizardのgeneralを用いております。

反響があれば、deepdiveシリーズをこれからも投稿していこうと考えています。

フロップ以降の勉強方法についてですが
・ポジションを固定する
・フロップをいくつかに分ける
・各フロップでの集合分析を考える
というのボードテクスチャによる分類が基本精神としてあり、
これとは別に
・ターン以降のプレーに一般的な指針を持つ(RobustEQなどはこの辺り)
・個別具体的なハンドレビューで補完する
というのがほとんどかなと思います。

この方法は私も実際行っていますし、標準的でよいと思いますが以下のような弊害があります。
例えば、BTNvsBBのSNGにおけるペアードボードについて勉強をしたとしましょう。
・33%程度のbetが好まれる
・60%程度の頻度でbetする。
・pairがローカードによると50%overのbet選択肢が出てくる
このようなものがよく知られていると思います。
しかしながらこの傾向はHJvsSBではどうでしょうか?
3betpotではどうでしょうか?

前提として状況を固定した後にボードテクスチャに沿って集合分析していくことは下の図で青い部分を動かして水色を埋める作業です。
(Uは全体集合)
この方法をとるとかなりの労力をかけて手に入るのは
・BTNvsBBのSRPは自信をもって取り組める!
という状況です。
(このための労力はかなり甚大で、30種類程度のボードをうまくまとめていく必要があります。)

一方でこのシリーズでは青を動かして黄色を決めます。
労力が必要なのは変わりませんが、得られるものは
・AKhiボードなら自信をもってとりくめる
というものでしかもリバーまで方針を持てます。

みなさんはpokerをプレーするときにどのような思考回路で考えていますか?
・フロップをみる
・(positionなどを考慮して)cb頻度やcbサイズを考える
・上項に自身のレンジ内で優先順位を割り振る。
・アクションする
・ターンを見る
・以下繰り返し
というのが標準的かと思います。
であるならば、フロップに対してポジション横断的な戦略を持つ、ということはその思考回路に沿っているといえるでしょう。

solverやwizardの性格上、全ポジションでの法則を探る作業はかなり大変ですが実践に耐える戦略は直感的であるべきです。
今回はアグレッサー有利の代表格AKハイボードについて記載していきます。
もし評判が良ければ
・ペアボード
・モノトーンボード
・Aハイボード
・Kハイボード
・QJハイボード
などなどいろいろ増やしていきたいと思っています。

正直、今回の記事を読むだけでもプリフロップレンジやpoker自体の勉強方法など様々な発見があると思っています。

・4betpot

まずSPRの小さい4betpotから行きましょう。
概論として
・4betcallレンジにAxs,Kxs以外のスーテッドがかなり少ない
・基本的にナッツアドバンテージを持っている
・SPRは2程度で33%ベットがジオメトリックになるのはSPR2.5であること
を念頭に考えてください。

・UTGvsHJorCO

UTG cb Flop aggregated

チェックは極小(4.4%)
モノトーンは75%bet以上が40%程度あるがそのほかでは1.2%ほどしかない
ということがわかりますね。モノトーンは狭く安くといわれますが例外の代表格がAKハイなのは有名です。

まずモノトーンですが
75%を打つのは何もフラッシュばかりではなく、BDすらないポケットを除きほとんどのスートで平等にbetします。
75%betに対しIPは
・TPTK以上
・ダブルバックドア
でAllinを
・TP
・セット
でコールを選択します。

AK2 monotone turn aggregated

コールされた後ハートやA,Kが落ちればチェックや安ベットを多く使用しましょう。安betにはレイズは返ってきにくいですがBMCBを打たれると下ペアは降りる必要があります。
ターンがラグなら基本強いところでshoveです。

次にFDのあるボードについて確認すると

twotone Flop aggregated

ストレート完成ボードでは少しbet額が大きくなる傾向です。

UTG cb AhKhJd

しかしながら基本的にハンド自体で頻度が大きく変わるということはないようです。
10%betは
・BDなし下ポケへのEQ放棄要求
・ドミネートへのバリュー
という観点で優れています。
25%を打つと
・BDありのポケットへのEQ放棄要求
という側面が出てきます。

ここら辺は好みでどうぞ。

ただし10%を打った場合は25%時と比較して倍近くレイズを返されます。
具体的には25%へのレイズはかなりポラーで2pair以上がメインです。
10%を打ってレイズが返ってくるとA,K以外のポケットはかなり厳しく、QQまで降りることが視野です。
それの自信がないなら25%安牌かなと思います。

この安betにコールを受けた場合にはターンカード次第でアクションを変えていきます。
まずはスートから見ていきましょう。

25%bet on Flop Turn Aggregated

全体的には
・checkで間違えることはない
・50% or 25% or check
ですが、全レンジで均等にとはならず、2p以上のバリューハンドとブラフハンドを選択しつつ、戦略を定めます。

4betpotでは、お互いのレンジに残っているほとんどのスーテッドハンドがAorKを含むのでフラッシュ完成ボードとなった場合は
・AKがスート
・AxないしKxがスート
で変化が起き前者の場合はナッツFDや2p以上でAllinが選択肢となります

また
ダブルFDボード(今回はダイヤ)の場合は少し狭く大きめのサイズが増え、セットのEQをかなりbetに寄らせて守ります。

次にcardsで見ると
ターンがJの場合はかなりOOP有利でbet頻度が跳ね上がります。
全体的にJが落ちた場合は50%betを採用することでQQのEQを放棄させることができます。

チェックした後相手にBMCBを打たれたら
2pでshove
setとTP
をベースにコールしてポラライズ対応をしましょう

最後にレインボーボードですが

AKXr Flop Aggregated

全体的にFDボードと顕著な違いはありません。やはりJはレイザー有利です。ターンについてはJがいれば安いbetが残りますがいない場合には50% or checkで頻度として1/3程度betすれば十分になります。

リバーに関してですが、かなり特殊なボードでなければ残っているところで
完全に諦めてcheck
or
広範囲でAllin

となります。
checkした場合Allinが返させると90%程度Foldすることが多いようです。

まとめると
・モノトーンフロップはBD以上のハンドで無差別に75%,25%,check
→ターンで何か重なれば安ベットが視野。そうでないならALLinかcheck

・ツートーン,レインボーでは全レンジ25%安牌で10%もOK
→ターンにスート重なりとが強いほどbet頻度を下げてデカベットもありになる。

・UTGvsBTN


PreFlop BTNvsUTG3bet

BTNのレンジは以下の点で特殊です。
・BTNにCCvsopenがある関係で3betレンジがポラー+頻度になっている
・伴って4betCallがAやKの強いところが少ない

このような点はモノトーンボードで顕著に表れるようです。

cb % with position

モノトーンでのチェック率がそれなりに下がります。
BTNのハンドにはトラッシュが多く含まれるのでこのEQを奪い取りましょう。
先ほどvsCOとvsHJは同一のセクションで纏めましたが、実は明確な違いがあります。
それはFDの構成とNutsFD比率です。


FD % with position

vsUTGではVillainのNutsFD比率が少なく、COやBTNとなると多くなってきます。ここに圧をかける50%betが増加してきます。

その他の点でHJ,COと大きな方針は変更ありません。

・UTGvsSB

これまでと異なり4bettorはIPをとっています。
そもそも4betpotのOOPにおけるEQRは壊滅的です。

UTG4bet EQR

AKハイボードではOptimalにプレーすることで相手のEQRを57%まで叩き落すことができ

Nuts FD EQR of OOP

相手にとってはトップヒットナッツフラドロというRobustなハンドでさえ

SB vs UTG4bet

よってvs4betレンジではポラーでミニ5betを好むようになり、Axsホイールを守るためAAやAKsがコールレンジから消えます。
レンジとしては3betレンジの性格からBTNにかなり近く、
上述の理由で消えたAAに加えKTやAQoなどきわどいハンドが抜け落ちた形になります。代わりにJTsでボードカバレッジを維持します。
ナッツアドバンテージもレンジアドバンテージもないですから当然ドンクは行われません。
さて、それではcb戦略ですが

UTG vs SB Flop Aggregated

ポジションを活かしてチェックバックするレンジを最大で32%程度持つボードが現れてきます。
・AKQボード
・モノトーンボード
の2つでチェックが多くなっていますね。
vsSBorBBでは向こうのレンジにのみJTsが存在しています。
ここが明確に生きてくるAKQボードではチェックを選択肢に入れてよくなってきます。(AQのコンボ数も影響しています。)
また、これに伴いAKを含まないフラッシュ完成ハンドも多くなっています。
こちらを考慮してモノトーンでのチェックが発生してきます。

pioでこのようなスーコネを4betcallに回せない人へのExploitを考えてみます。直感的にはチェック頻度を減らして強く打てると思えます。


上のレンジでSBを固定してみましょう。

pioの場合はAKQモノトーンでの適切なチェック頻度は53.19%に対しレンジを変化させるとでは37.38%と減少しさらに3%程度でALLinの頻度が生まれます。
IPのEVは24bbから27bbへと増加します。

プリフロップだけ見ればSBのコールレンジは強くなっているはずです。相手のレンジが強いとき、レイザー有利のボードではパッシブにしておこうと思われるかもしれません。しかしなぜGTOがその戦略をとるのかを意識しながら勉強し、ボードとの関りを考えると適切にExploitを組み立てることができるでしょう。

少し話がそれましたが、戻りましょう。
・AKQとモノトーンではレンジbetだと甘い
ということまでわかりました。

モノトーンボードについて安betをしたとき相手のアクションですが基本的にはそこまで変わりません。(Foldが増える、AKQではレイズが存在する。などありますが)
チェックコールで回りターンについて考えましょう。

今回相手はOOPですからハートが落ちれば高頻度でドンクがあります。

monotone turn Aggregated for Donk

ドンクはかなりバランスをとって幅広く行われますがここに対しては
・Kヒットでブラフ
・セットでバリュー
として3betを返します。
ここにもコールされればリバーで相手はポラーに打つか
ボードフラッシュではATCオールインとなりますので適当に守りましょう。

ドンクがなくチェックで回ってきた場合にはセット以上をバリューとしてポラーに25~50%程度のバレルを打っていき
リバーハート→ドンクAllinに対応
リバーラグ→ドンクなければ半分程度shove
で対応します。ドンクの有無により少し複雑ですが基本精神はvsHJと同様ですね。

ターンがハートでなければドンクがないのでvsHJに同じく

全体的には
・checkで間違えることはない
・50% or 25% or check
ですが、全レンジで均等にとはならず、2p以上のバリューハンドとブラフハンドを選択しつつ、戦略を定めます。

となります。

AKQ,モノトーンを除くとそこまで傾向はHJやBTNと変わりません。

・UTGvsBB

大前提としてBBの3betレンジにおけるミドルカードのカバレッジはスーコネで担保されておりミドルポケットはいません。
何が言いたいかというと
UTGvsBBの4betモノトーンボードはかなりやばいです。
当然ながらレンジでは勝っていますが、ナッツアドバンテージをとられています。

UTG vs BB monotone aggregated

でかいサイズのベットは消え失せます。
モノトーンでは必ず10~25%の安いbetを利用しましょう。
安く打ってレイズが返ってきてしまった場合には
2p以上でAllin or ディフェンス
ドローのすべてでディフェンス
をしましょう
コールをもらった場合、ポラライズに進むにはSPRを考えて少し大きめに50~75%のベットを使用しましょう

逆に、モノトーンが落ちなければ10%cbでは生ぬるいです。
10%で考えていた部分を25%へと変更し相手のBDを無価値へと叩き込みましょう。ここで10%を使用すると相手のBDからレイズが返ってきます。

ここにコールされてターンが落ちると相手はかなりドンクが打てます。

AhKs6h turn donk Aggregated

安いドンクについて概観を話すと

フラッシュ完成ボードのドンクに対しては
全体の8割程度(ツーペア以上で必ず)でコールしフラッシュorナッシングのぽラライズに対応しましょう。

その他のドンクに対してはAK以上でjamかコールを頻度(FDはコール)

となります。
ドンクがない場合はいつもどおりです。

・UTGまとめ

お疲れ様です。UTG originalでの4betpotについてまとめましょう。

HJCOを基準にして基本的には
・全レンジで10% or 25% のcbを使っていく(25%おすすめ)
・モノトーンは75%で打って下ポケフラドロなどに圧をかけるのもok
・ターンは以降は基本チェックを挟んでよいがSPRの関係から50%-Allinのぽラライズを検討する。フロップが高かった場合はターンでshoveもある
・チェックにポラライズを開始された場合は2pを基準としたxrやcallで対応する

という方針を持ちましょう。
ここから

BTN:weakが多いのでフロップチェックを減らす
SB:AKQやモノトーンでチェックバックが生まれてくる。ターン以降はドンクがあるのでドンクに対してはsetとブラフでお仕置き。
チェックに対してポラライズ開始の判断をしていく。
BB:フラッシュ完成ボードではナッツアドバンテージがなくやばくでかいbetは絶対しない。逆にモノトーン以外のFlopで10%ベットはぬるすぎる。

という知識によりアジャストしてください。

先行版はここまでです。
いかがでしたか?
とても実践的ですし、エクスプロイトへも通じる内容となっているかと思います。細かい部分で気になったところや、難しく多くの人のリークになっているだろうと思うところを見つけたら、ぜひpioなどを回してexploit戦略を作り上げていってください。

よく見るような、特定のシチュエーションで集合分析をかけ再現性の高い戦略の構築する記事とは異なり、GTOvsGTOでアクションの意味を考えながら説明を与え、理解し自分のものへと昇華させることを目指した内容になっています。
設定は机上のものでも、得られる知識や洞察は架空のものではなく、このような座学から逃げずに取り組めば確実に実力は上がると考えます。

今回はUTG4betでしたが完全版ではすべてのシチュエーションに対応し、読めばAKhiマスターとなれるようなものを作成中です。
先行版で推敲をあまりしていないので誤字などあればすみません。完全版までには見直すつもりです。
かなり大変な作業であることは皆さんお察しの通りですので、お布施などで応援いただけると次の記事が早く出せます。。。よろしくお願いします.

以下はちょっとした話が書いてあるだけで内容とは関係がありませんがお布施いただいた人用に記載しています。

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