娘たちへ(8)立派な人になるな
立派な人にならなくていい。いや、ならない方がいいと思う。
立派になると、それらしく振る舞わなくてはいけない。肩が凝る。疲れる。無理をする。
盗塁王の福本豊さんが国民栄誉賞を断った理由は、「外でうっかり立小便もできないから」だったそうだ。この方らしいエピソードだ。
そもそも世の中に、本当に立派な人は少ない。
人間は至らない所だらけなのに、人は他者より優位に立ちたいと考え、自分を立派見せようとする。そんな人を見て立派な人だと勘違いする人もいる。そう思われた人は、更に勘違いをする。
立派な人になんてなるもんじゃない。なろうとしない方がまともな生き方ができる。
大切なことは、人に恥じない生き方をすることだ。
芸能人、スポーツ選手のスキャンダル、大企業の社員や官僚の横領、不正行為など、残念なニュースが目に入る。それらの共通点は「見つからなければ問題ない」と考える浅はかな心から起きていることだ。
どんなに勉強ができても、オリンピックでメダルを取っても、事業で大成功をおさめても、人の道に外れることをしては全て台無しになる。
お父さんが若い頃、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉があった。いつの頃からか、私たちは恥じる心を忘れてしまったようだ。家族や大切な人に見られて恥ずかしい生き方はしたくないと思う。
お天道様は見ている。そう思う。
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