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娘たちへ(11)私たちは自分の幸せに気づいているだろうか

この世の中、食うか、食われるか、いずれかなのだと言って憚らない人がいる。「勝ち組」「負け組」という言葉の裏に潜む考え方だ。

戦国時代にあって、戦さに敗れた武将やその一族の悲惨な末路を思えば、あながち間違った考え方とは言えないのかもしれない。数年前、中南米を一人旅していた日本人の若者が、スマホをひったくられ、思わずその犯人を追ったところ、拳銃で撃たれて死亡した事件があった。その国において、人の命はスマホより軽いということか。

盗られる前に盗る。殺される前に殺す。我が国にもそんな時代があり、現代においてもそうした国がある。

そう考えると、他人の財産や生命を奪わずとも暮らせる時代に生きていることは、とても幸せなことなのだろう。逆に、不幸とは、他人に奪われることではなく、他人に優しく接することが許されないことではないだろうか。

周囲の人に優しく接することができる。悩む人、困っている心を寄せることもできる。これがどれだけ幸せなことか気づかない人が多い。

せっかくこの時代を生きているのだから、この幸せを噛み締めて日々を送りたいと思う。

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