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3つのファミレスでソーセージ食べた話

私はファミレスが好きだ
なぜならソーセージがあるから

時には脇役として野菜の傍に、
また時には主役として焼きたて鉄板の上に堂々と鎮座している
暖色の店内照明の照らされ油で輝くその姿
それを見ているとついついうっとりしてしまう かけがえない尊い存在だ

そんな私は今ドイツに滞在している ソーセージが好きすぎて
ドイツで気になるソーセージを食べては充実した日々を過ごしている

だがひとつ、こちらへ渡独する前に心残りがあった
それは『ここの所ファミレスのソーセージを全然食べてなかった』こと
うっかりワーホリビザを取得してしまったので、私は最長1年間ファミレスのソーセージをお預けされることになる
それはあまりに辛い 日本を出る前に少しでも食べて行かねば

そう考えた結果、私は渡独前に3店舗ファミレスを訪れることができた
「たったの3店舗?」と思ったかもしれない
本当ならもっと巡りたかったが、渡独に向けた準備で時間が無かった 許して欲しい

しかし聞いて欲しい どのお店もどのソーセージもとても良かった
ドイツに飛んで3か月、その事を急激に思い出してしまい、いてもたってもいられず今こうしてnoteを開いている
今日はこの話をしたくて仕方ない させてくれ
私のファミレスソーセージ巡りにお付き合いください

ロイヤルホスト 粗挽きソーセージのグリル(638円)

最初に訪れたのはロイヤルホスト
広い店内には人もまばらで、隅っこで二人のマダムが静かにパフェを食べている
実は地元に何店舗かあるのに、私はロイヤルホストに来たことがなかった
これという理由は無いが、強いて言えばやはり他のファミレスよりちょっと敷居が高いなと感じていた
しかし下調べをする中で、ここにソーセージがある事を知ってしまった
そして知ったからには来ずにはいられない 私は初めての入店に胸ときめかせていた

席に案内され早速メニュー表を手に取り目的の品を注文
その名も「粗挽きソーセージのグリル」
写真を見ると黒い鉄板の上に二本のソーセージが寄り添い並んでいる
今日はソーセージを二本も食べられるんだ! 既に嬉しい気持ちでいっぱいだ

注文して料理が届くまで、私の頭の中はソーセージの事でいっぱいである
そうして一人の店員さんが私のもとにお皿を持って近づいて来る きたっ!!

カゴメのケチャップが乗った皿だった
あっなんだまだか…恥ずかしい…

思わず店員さんを見上げたら、私としっかり目を合わせてにっこり微笑んでくれる
えっ何この微笑みは 言葉はなくとも「もう来るから」と念を押されたような
どうしようドキドキしてきちゃう…

そうして今か今かと待ちわびていると、遠くからジュワジュワ…という音が近づいてくる
今度こそ「きた」と思う この瞬間の緊張感がたまらない

コト…

うおおっ…!!!!
想像より大きなソーセージ2本が、熱い鉄板の上でジャグジーのように跳ねる油を浴びながら私を歓迎している
もうこれだけで嬉しい 目の前にあるすべてが嬉しさで満たされた光景だ

照明に照らされ表面をオイリーにキラキラさせて私に「おいしいよ」と語りかけてくる
期待感は最高潮 たまらずナイフとフォークで切り分けると…

お肉がぎっしり詰まったおいしそうな断面がお目見え
時間を置かずアツアツの一口目を頂く パク…

ん~~!!おいしい~~!!

お肉がプリプリ!やはりソーセージに求めるのはこれ 私好みの粗びき肉の食感がたまらない
初手でちゃんと舌が喜んでいる それがわかるソーセージは最高だ
皮はハリがありその中からあふれる肉汁が口中を満たしてくれる

そしてジューシーなお肉の隙間からハーブのさわやかさを感じる(パセリかな?)
添えられた粒マスタードもスパイシーで大人味なのがいい
酸味も丁度よく、途中の味変にぴったりだ
普段ソーセージを食べる時はケチャップもマスタードもあまり使わないが、この時はしっかりつけて頂いた

ハーブ系ソーセージにはスパイシーなマスタードがよくマッチする
脳が喜ぶ組合せをわかっていらっしゃる~!!

ふと鉄板に油溜まりができていることに気づく
これはソーセージがたっぷりの油でしっかりソテーされている証拠だ
ソーセージは恐れず多めのオイルで焼くことが大事だと、以前好きなフレンチの店長さんが教えてくれた
ここはそれをしっかり行っている 信頼できるお店だ

添えられたポテトは塩味が効いていて揚げたてカリカリ
そのままでも十分おいしいのだが…
いやしい私は鉄板の油溜まりに浸して食べることにする
フライされて既に油まみれの芋に、そこに更に油を足しジュンジュンにしてしまうのだ

油たっぷりのソーセージを食べたら、その合間に油をディップしたフライドポテトで追いかける
ア〜〜いけない いけませんねこれ
あまりに贅沢すぎる 体に悪そうとかそういうのが一回全部どうでも良くなっちゃう味

二本もあったソーセージはじっくり食べていたはずがあっという間になくなり、ポテトもほぼ同時に無くなった
カレーとライスを丁度良く食べるのが下手な私も、ポテトとソーセージなら上手く食べられる事がわかった

食べ終わった後は油と塩分と炭水化物で得た満足感に包まれた
たかがソーセージではない、量も味も食感も心の満足感も全てを満たしてくれた なんてロイヤルな一品なんだろう
心地い余韻にたっぷり浸ってお店を出た

ちなみにロイヤルホストにはフライドチキンとソーセージの盛り合わせもあった
日本に帰ったら、今度はこれを独り占めしに来ようと思う

サイゼリヤ チョリソー(400円)

2品目はサイゼリヤで食べることにした
サイゼリヤのソーセージと言えば定番の『チョリソー』である

前回と打って変わって、店内は若者たちの話し声で満ちている
私はささっと紙に注文番号を書き込み店員さんに差し出し注文を済ませ、静かにソーセージを待つ
このチョリソーを食べるのは久しぶり 旅立ちの前にどうしても食べておきたかったソーセージの一つだ

そして来た!!
茶色の鉄板に上に5本のチョリソー、ころりとしたポテトが添えてある
この茶色い鉄板は、これまでサイゼリヤでしか見た事がない レア鉄板である

サイゼのソーセージはナイフを使わずとも食べられるサイズ感がいい
フォークを刺そうとしたら、皮のハリのよさに跳ね返されて中々刺さらない
無理に刺そうとすると子供が体をひねるようにプリッと逃げていく ふふかわいいヤツめ…
ソーセージにじらされつつ、なんとかフォークを刺し待望の一本目にかじりつく

パリッ…
このパリッと食感好き〜〜!
これだよねサイゼのチョリソーは〜〜!

焼きたてお肉の熱さが口の中に飛び込んでくるのでハフハフする
落ち着いて咀嚼し呑み込む ああ、いい…

始めはそんなに辛さを感じないが、喉を通る瞬間にピリッと来てジワジワと口内を攻めてくる感じ 好きなタイプのチョリソーだ
そして食べ進めるほど口内がホカホカと熱くなってくる

2本食べただけで口内が温まってきたので、口休めにころころのポテトを食べる 塩が効いたホクホク系でおいしい
辛いチョリソーと交互に食べるのに丁度いい ベロに残った刺激が芋によって少し和らぐのだ

やっぱり断面が見たくなってナイフで切ってみた

チョリソー→ホクホクの芋を交互に繰り返せば5本もあったソーセージもあっという間に胃の中に落ちていく
食後のチョリソーでアチアチになった口内を持て余すこの感じ、思わず冷えたビールを流し込みたくなる
しかし自転車できたのでお酒は我慢 お冷やで口内を鎮火したら次の人に席を譲るためささっと退店した

いつ来ても安くておいしい安心感
気軽に来れて変わらないソーセージが食べられる場所が人間には必要だ 

ココス 国産ソーセージのグリル(385円)

ドイツへ発つ約1週間前、私は地元のココスにいた
ここは昔「カーサ」という別のファミレスだったが、私が小学生の頃に名前が変わった
誕生日に来店すると、食後にチェキを撮って店内に飾ってもらえるサービスがあって、私はそれがいつも楽しみだった
誕生日とは特別な日なんだと教えてくれる、夢みたいな場所 それがこのココスにあった
名前が変わっても提供するものが変わっても、私は店内にかすかに残る面影にカーサを感じている

そんな思い出のファミレスで、大人になった私は好きなソーセージを食べようと思う
全てタッチパネルでの注文、私は迷わず「国産ソーセージのグリル」を選んだ

しばらくすると、肉が鉄板の上で焼ける音が近づいてくる
ジュワジュワ…ジュワジュワ…
外食の楽しみとは究極、食べ物が近づいてくる時の高揚感に詰まっているのかもしれない

運ばれてきたのは黒く小さな鉄のフライパンの上にどんと鎮座する大きなソーセージ
てかてかと油をまとって私を見ている ソーセージと目が合う瞬間はいつもドキドキする

ナイフを入れるとあらびき肉がぎっしり詰まった断面が出現
フォークを刺そうとすると、そこから肉汁がジュワリとあふれ出す
熱々の鉄板の上でぱちぱちと跳ね上がる せかされる様に、まずはそのまま一口目を試してみると…

あっ!!ちょっとスパイシーだ!!

パプリカパウダーかとも思ったが、断面には黒コショウらしき粒があるので、辛さの正体はこれかな?
しっかり塩味が効いていて、そこにスパイスも加わりタッグを組んでキレのある味が口内を暴れまわる感覚
今までで一番味付けしっかりでガツンとくる味 パワフル系でおいしい〜!

今度は粒マスタードをつけて食べてみる
ほんのりピリリと刺激が加わり良い感じ 辛味も酸味も強すぎないマスタードだ

と思ったのだけど、一旦マスタードのみをフォークの先ですくって味見してみるとしっかり喉にビリビリ、鼻にツーンと辛い刺激がきた 単体で食べるとしっかり辛い

粒マスタードはつけなくても十分おいしいが、ツーンとくるマスタード特有の辛味が好きな人はお試しあれ

そして鉄板の上で輝く油だまりを私は見逃さない
ココスもしっかりたっぷりの油でソテーしているようだ うんうん
そしてそれを残すわけにはいかない、いやしくもソーセージにこすりつけ追い油したソーセージを頂く

うっっっま
いやダメダメ 油の濃厚なコクとそれをねぶった勢いでついた鉄板に残ったコゲも香ばしさを足して犯罪的なおいしさに登り詰めている これはアカン

ちなみにココスにはこれのポテト付きプレートもあった
ソーセージ単体を食べたい日とポテトも食べたい日で、好きな一皿を選べるのが嬉しい
炭水化物も摂取したくなったら、私もポテト付きプレートを選びたい

そんなこんなで、あんなに大きかったソーセージもぺろっと完食できてしまった
たった350円でこんなに満足感を得られていいのだろうか 私は今不安になってくるほどお腹も心も満たされている

段々と申し訳なくなってきて、私はチョコレートアイスを追加注文した
アイスは程よい量と大きさのチョコチップが入っていて味付けも濃厚、塩分の効いた口内をしゅんわり優しく冷やしてくれた

いや国産ソーセージのグリルからのチョコレートアイスめっちゃいいな…
心地よい余韻に浸り、私は大満足で店を出た 

まとめ

改めて、どのお店もソーセージの付け合わせはポテトだった
形状は違えどやはり肉と芋は切っても切り離せない存在なのだと再確認
ドイツもそこかしこで芋とソーセージの組み合わせた料理を目にする おいしいもんね
そして個人的に発見だったのが食後のアイス
口の中の刺激を鎮火させるのはキンキンの水かビール一択っしょ!と長年考えていた私には、新たな扉が開かれた感覚だ
焼肉の〆がアイスのように、ソーセージの〆にもアイスが流行ってほしい

たった3店舗だが、渡独前に私は心ゆくまで日本のファミレスソーセージを堪能することが出来た
もしお店がお近くにあったら、いえお近くになくても、どうか足を延ばして食べに行ってみて欲しい
そして少しでも素敵な体験ができたなら、私に教えてください
楽しかったしおいしかった 私は大満足です

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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