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鉄旅その① - 三陸海岸 -


30年来の友人を誘って、念願の三陸海岸鉄道旅に行ってきました。東京から一ノ関を経由し、大船渡線、三陸リアス線、八戸線を乗り継いで八戸まで、3泊4日の鉄旅です。4月初旬の三陸は花や新緑を楽しめない代わりに、観光客が少なく、ゆったりとした時間と空間の中で移動することができました。


JR大船渡線と大船渡線BRT

途中奇跡の一本松で下車し、一本松と震災遺構、津波伝承館を見学しました。海岸沿いの平らで広い土地、新しい道路、新しい建物、そして新しい防潮堤。その新しさが、津波によっていかに多くのものが失われたかを物語っていました。

防波堤から海を背にして見る道の駅「高田松原」

旅の楽しみに欠かせないのはご当地グルメ。道の駅で海鮮丼をいただきました。奇跡の一本松には2時間半ほど滞在し、大船渡線BRTで盛駅へ。

三陸リアス鉄道(盛~宮古)

鉄旅のハイライト三陸リアス鉄道。一日目は盛から釜石を経て宮古まで移動しました。リアス式海岸の鉄道は独特で、トンネルと海岸沿いの小さな集落が交互に現れます。トンネルを出た瞬間にパッと海景色が現れるかと思っていましたが、防潮堤に遮られて海が見えないところが多く、景観か防災かという話題がニュースで取り上げられていたことを思い出しました。それでも、それが今の三陸海岸。釜石までの鉄旅を楽しみました。
失敗したのは、釜石から宮古への移動が18時を過ぎていて、外が全く見えなかったこと…。電車の本数が少ないので計画が難しいのだけれど、時間をやりくりして日没前に宮古に着くべきだったと深く後悔。因みにリアス式海岸は宮古までです。

釜石で乗換え。ポツンと一車両

宮古

宮古で一泊目。晩ご飯は、ホテルに行く途中で見つけた居酒屋「笑(わら)びす」で。お通しはホタテとイクラと海藻。東京から来た人間には、500円のお通しにホタテとイクラが出てきたことにも驚きましたが、ホタテの美味しさにも感動しました。陶板焼きメニューが豊富でどれにするか迷いましたが、イカと肝の陶板焼きを選択。最後に肝がたっぷり混ざった汁にご飯を入れておじやに。これが絶品でした。イカの塩辛を載せた「おにぎらーず」も、塩分控えめで旨味あり。これまた美味しくいただきました。

イカの塩辛のせ、おにぎらーず

2日目は、浄土ヶ浜で遊覧船とさっぱ船に乗りました。昼前には青空も見えてきて、海岸沿いの遊歩道はとても気持ちが良かったです。ホテルを出てから再び電車に乗るまで6時間。後から散策コースが3つあることがわかり、先にビジターセンターで情報収集をしておけば、もっと時間を有効に使えたのに…と、ここでも反省。

遊覧船から見た浄土ヶ浜
お昼は「シートピアなあど」で海藻ラーメン

三陸リアス鉄道(宮古~久慈)

再び三陸リアス鉄道に乗って久慈へ。途中、あまちゃんのロケ地である袖ヶ浜駅(堀内駅)で停車したので、ホームに出てみました。

駅のホームから
ホームの脇にふきのとうがいっぱい!この後あちこちで見かけました

久慈

久慈で2泊目。晩ご飯はホテル近くの「ほたて家あんどう」でホタテづくし。酒蒸し、なめろう、グラタン、かつ丼、全てホタテ。

ホタテの酒蒸し

3日目の朝は、乗車前に久慈駅「三陸リアス亭」でお約束のウニ弁当を購入。JRの待合室でいただきました。事前リサーチでは1500円台の時もあったようですが、今は2500円。サイズは2/3ほどに縮小した模様です。

三陸リアス亭のウニ弁当

JR八戸線

久慈から一気に八戸へ。初の青森県。リアス式海岸とは打って変わって、景色は岩場と砂浜に。八戸駅に近づくと、鉱山の町らしい巨大な工場設備が目に飛び込んできました。
ところで今回初めて「三陸」の意味を知りました。陸奥(=青森)、陸中(=岩手)、陸前(=宮城)で「三陸」なのだそうです。知らずに三陸海岸の旅などとはしゃいでいましたが、この知識は思いがけず旅の収穫となりまいした。

JR八戸線久慈駅

八戸

駅に荷物を預け、100円バスで「八食センター」へ。館内に並ぶ魚屋さんから好きな魚介を選び、煙モクモクの「七厘村」にて炭火焼ランチを楽しみました。食べ終わった後に野菜を焼いている人に気付き、その手もあったか、と思いましたが時すでに遅し。

まぐろのカマ、ホッキ貝、イカ、ツブ貝。この後マテ貝と鮭のハラスも焼きました

旅も3日目にもなると疲れが出てくるお年頃なので、八戸では温泉ホテルに泊まることにしました。ゆっくりとお風呂に浸かった後は、部屋で時間を気にせず、駅で買い込んだイカメシや青森のお酒でのんびりと過ごしました。

最終日。結果的にご当地グルメのハイライトとなった、JR八戸線・陸奥湊駅近くの「みなと食堂」で、ヒラメの漬け丼定食をいただきました。土曜日の朝10時、私達が入ったあと店はすぐに満席となり、出る頃には5,6人が並んでいる人気ぶりです。なかなかのボリュームで、せんべい汁を付けた分、ご飯は少なめにしておくべきでした。因みに友人は完食。

ヒラメの漬けに黄身を絡めると、、絶品! せんべい汁も美味でした。

おいし過ぎる漬け丼の余韻に浸りながら、再びJR八戸線に乗って鮫駅へ。鮫ってあの鮫?と思いましたが、本当にその鮫のようです。

鮫駅前

鮫駅から周遊バスで葦毛崎展望台まで行き、種差海岸を散策。その後バスで戻って蕪島を見学しました。ちょうどウミネコの繁殖時期、分かってはいたけれど、凄まじいウミネコの数に思わず足がすくみました。3万羽ほどいるそうです…。種差海岸は遊歩道になっていて、時間と体力があればどこまででも歩きたくなる気持ちよさでした。

種差海岸

八戸まで戻り、あれこれとお土産を買い、新幹線で東京へ。食べ損ねた「イカメンチ」は冷凍を見つけたのでヤマト便で送りました。旅の締めは鯖の棒寿司と「八甲田おろし」のカップ酒。

旅のお会計

・交通費:約33,000円
 新幹線(東京→一ノ関、八戸→東京/えきねっと25%割引利用)、
 JR大船渡線、大船渡線BRT、三陸リアス鉄道、JR八戸線、バス)
・遊覧船、さっぱ船:3,000円
・ホテル3泊:19,500円(1回だけ朝食付き)
・食事:約19,000円
・お土産:約12,000円
合計:86,500円


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