銭ガール 第6話(最終話)
刑事から取り調べを受けるのも初めてだ。
頬からの血でシャツを赤くした私は、どんな角度から見ても見事な被害者だった。医務室で当ててもらったガーゼが顔の半分を隠している。
いつもなら、机の天板を割りそうな勢いで叩き、怒鳴り散らしているだろういかついおじさんが、苦り切った顔で事実を確認していく。
「仕事の進め方でおたがいの意見があいませんでした。お酒も入っていて、つい、反抗してしまって。すいません。大人なのに」
しおらしく頭を何度も下げる。
「お嬢ちゃん。顔に派手な傷がつい