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夜舞桜の下で。【春弦サビ小説】

スピンオフのリレーに感謝の気持ちを込めて。

The LAST。


Inspired by suzu lyric and words.


あたしは馬鹿だから。

独りじゃ逃げきれなくて。


夜の桜並木。
気付けば人の気配は全くなく。
ルナは悟った。

「ここまでやるのか……国ってやつは」


一帯を封鎖してルナを完全に包囲。
武装した連中に囲まれていた。

桜の花びらが舞う。


「そんなに、あたしらが怖いかね」

ーー悟は……あんたらにとっては脅威だったかもね。

悟が桜を散らせて逝った時のヴィジョン。その時にあたしの中で何かがはじけた。

異能力『映像化』
使い方次第でーー。


「知ってるか?あたしの能力は、
更に進化するんだよ」

ーースズねぇの台詞貰っちゃった。

小隊からの銃撃!乱打!
ルナの身体を貫いていく銃弾達。
銃弾の威力に身体が後方へと弾けていく。ルナの小柄な身体は宙を舞い、地へ落ちた。


「能力解放『創造映像化クリエイトヴィジョン』」

あたしの能力は人の思いの映像化。
それを受け取ることが出来るが、人にも送ることができるようになった。
ならば、あたしが想像した映像を人の頭に送り込むことも出来るはず。
その映像は現実とたがわずに認識され、誤認する。
その時間……人はフリーズする。


小隊が観たのはルナの作り上げたヴィジョン。
フリーズした小隊30名は無防備。
ルナは神速で頸動脈を狩る!
舞う紅。
地に伏す小隊。


「あら……まだまだくるわけね」

いち小隊が瞬殺されても、押し寄せる部隊。ルナを逃がす気はないようだ。

「殺るしか……ないか」

能力発動と共にフリーズ化させるが、大軍ともなると、送りきれていない輩がいた。
フリーズさせられぬ相手から受ける攻撃に傷付いていくルナ。

後ろから襲い来る男。
ルナは疲弊から全く気付けない。
刹那。ルナに触れる事無く、男が弾け飛んだ。

ーーあれ……?背中……あったかい。


悟、最期の刻。
「能力解放、完全模倣『呪壊annihilate
最期の異能力、自分がコピーした呪いの力。それは己を傷付けた人間への呪いの具現化だが、それを向ける相手をルナに変えていた。
ルナを守るという意思の力に変えて。

ルナの背中に悟が居た。
おそらく誰にも見えていない。

戦うルナの背中を守るように悟。
何時ぞやのふたりが居た。

しかしーー。
『呪壊』の物理的干渉には限界がある。ルナに届く攻撃は、確実にルナの生命を削っていった。


「はぁ……はぁ……ここまで……かな」

ーーなんか、アイツが背中にいた気がしたけど……。気の所為かな。

ルナの身体を撃ち抜く銃弾。
それは心臓を貫いて。


斃れていくルナの身体。

手を伸ばせど、悟は……
触れることすら出来なくてーー。

ーーあたしもそっちにいくよーー

夜舞桜がルナに舞い降りて、
悟の思念は消えていった。



~𝐄𝐍𝐃~



コラボ、スピンオフ、
遊んでくれた皆様。
本当にありがとうございます🥲‎
めちゃくちゃ楽しかったです。
The LASTが書けたのもインスピレーションをくださったイベント『春弦サビ小説』のお陰です✨
心から感謝を込めて。

フライングで燃え尽きた。(笑)


#春弦サビ小説
#春弦

サポートなんてしていただいた日には 小躍り𝑫𝒂𝒏𝒄𝒊𝒏𝒈です。