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妖の唄

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呪符師『麒麟』の不思議なオムニバス形式の物語。 過去作3つありますが、こんな世界観で遊んでくれる方募集。 スピンオフも大歓迎✨ なんなら妖しいお話でもありあり(笑) 『タイト… もっと読む
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#麒麟

妖凛のクリスマスの朝

妖凛のクリスマスの朝

金曜日から土曜日の朝迄しこたま食べ、麒麟との事も有り、日曜日の休日の凛は胸いっぱいで独りでケンタッキーをウーバーして自宅に引きこもり、思い出してはキャーキャー言いながらベッドへダイブして居た。

そして明日はまた麒麟ウォッチングが有るからと、ストーキングの時にもいつ出会えても良いように!と、念入りに全身の保湿をして眠りに着いた。

朝5時過ぎ、凛は麒麟の気配で目が覚めた。
とうとう妄想レーダーが働

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妖の推し活と進展

妖の推し活と進展

麒麟さんが源さんと仲良くしっぽりとおでんをつついていた時、眠る前の推し活時間として彼女は近くのビルの屋上でファミチキを食べていた。

コンビニのジャンクフードは24時間体制でマジで神だ!そう思いながらコーラと一緒に飲み込む。

彼女は薄らとだが、自分が他の妖から名前で呼ばれた事が無い事も、妖になる前の僅かな記憶からでさえも自分の名前が分からなかった。

麒麟さんに自分を認識して欲しい。
でも、自己

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妖の唄~推しに生きる妖~

妖の唄~推しに生きる妖~

最初自分が妖に成れたと気付いたのは死んだはずの自分が動いて居て、尚且つ誰にも見えて居ない事に驚いた日だった。

異世界転生とやらか?と、頭を悩ました所で気が付けば隣にサングラス姿の麒麟と名乗る生きていた頃には出会った事の無いイケおじが座って妖について説明してくれていた。

恋に落ちるのは一瞬だった。

しかし、妖の仕事も与えられる内に忙しくなり、麒麟の事を影からこっそり見るのが習慣となっていた。

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妖の唄─コンの酒

妖の唄─コンの酒

「きり~ん!」
ポテポテと俺の前を呼びながら
向かってくる女。
手に持っている妖怪酒を
グビグビと飲みながら
やってくる。

苦手だ。
コイツに捕まると後が面倒くさい。

「どした?つかれたのか?」
下から見上げて、
ニヤリとしながら足元のスーツを
引っ張る女。
すでに酒の匂いが凄い。

妖怪酒なぞ一口飲めば
人間ならすぐにコチラにくる
猛毒だ。

はぁ。
と心の中でため息をつき
今夜は徹夜で相手

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