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キャラ弁が伝える、誉め言葉を素直に受け取ることの大切さ

今回は、子どものお弁当作りで感じた、「誉め言葉を素直に受け取ることの大切さ」について書こうと思う。

料理が苦手

私は大の料理嫌い。
家庭を持ってからは、家族の生命維持だけをモットーに、何とか最低限の食事を作ってはいるけど、本当に苦手。

どんなささやかな料理を作るのにもパーティーでもするのか!?というくらい時間がかかってしまうし、どんな簡単なメニューを作るのにも、いちいちクックパッドで検索しないと作れない。
そう、カレーを作るのさえ、カレールーの箱の裏を見ながら、そこに書いてある通りにしか調理できない人間なのだ。


ついにこの日がやってきた
「キャラ弁作って♪」

そんな私に、ついにこの日がやってきた。
5歳の娘がキラキラした眼差しでいう、

「明日はお弁当だからね!」
「キャラ弁作ってね!!」

・・・キャラ弁!?

娘は保育園児。
普段はほぼ給食なのでお弁当を作る機会はほとんどなくて、年に1度だけ、お弁当の日がある程度。

8歳の息子は小学生なので、長期休みなどにお弁当が必要になることはあったけど、これまでそういったリクエストをされたことはなかった・・・。
せいぜい、
「ウィンナー入れといてな!」
「ふりかけかけといてな!」
くらいのもの。

さすが女子。
キャラ弁を欲するのか。
それもこの私に・・・!


秘密兵器を投入


私には秘密兵器があった。
こちらの抜いてのせるだけキャラ弁セット。

確かうちでは使わないのでと知人からもらったおさがりで、キッチンに眠っていたのだ。

おもむろに説明書を読む。
ひげや目は、こんぶの佃煮でって書いてある。
顔はスライスチーズで型抜きしようかな。
リボンもパプリカって書いているけど、娘はきっと食べないからかにかまにしよう。

大丈夫・・・!
これならなんとか乗り切れる・・・!!


そしてできあがった残念なキャラ弁

入念な準備をし、迎えた当日の朝。
苦心の末に出来上がったのがトップ画像のキティちゃん弁当である。
絶妙にかわいくない。
ひどくいびつである。
とてもキティちゃんとは言えない・・・
せなけいこさんの書かれた絵本に出てくる猫ちゃんのようにも見える。

私は焦った。
そっとお弁当のフタを閉じ、現実逃避をした。

改善点はいろいろあった。
しかし、時間がない。
もはや今からそれをリカバリーすることはできない。

何事もなかったように起きてきた娘に、
「お弁当作ってくれた!?」
と聞かれて、
「つ、作ったよ!!うふふ!!」
と苦笑するのが精いっぱい。

私の心には、お昼になってお弁当を開け、
「・・・思ってたのと違うー!!!!」
と、スンッ・・・となっている娘の顔が浮かんだ。

娘の感想

娘に会うのは怖かったが、いつもどおりお迎えに行き、娘と対面した。

「お弁当ありがとう!」
「キティちゃん、すごく嬉しかった!!」

私の思いとは裏腹に、娘は笑顔でそう伝えてくれた。

しかし私は、自分ではそのお弁当は失敗だと思っていたし、かわいいとは到底思えなかった。

その思いが拭えず、

「変なキティちゃんだったでしょー。ごめんね」
「がっかりしたよね」

と、私なりに娘を慮った。

娘は続けた。
「なんで?キティちゃん可愛かったよ?」
「お弁当もおいしかったよ?」

いやいや。
心の中の否定が言葉になる。
「お母さん料理下手だから、全然上手に作れないんだよね・・」

そこで娘がしゅんとした。
「もう!私は可愛いと思ってたのに!嬉しかったのに!」
「なんで違う違うって言うの!!」

そこで初めてハッとしたのだ。

娘がどう感じたかは、娘が決めること。
作った人間として、自信はなかったが、娘は要望通りにキャラ弁を作ってくれたこと、おいしいお弁当だったと喜んでお礼を伝えてくれている。
目がしょぼしょぼでも、そんなお弁当のキティちゃんを可愛いと思って食べてくれていたのだ。

私の自信のなさや謙遜しすぎる癖は、それを嬉しく思った娘の気持ちを否定することになっていたのだ。


誉め言葉を素直に受け取ること

「褒められて、謙遜すると、褒めてくれた人に失礼」
よくそんな言葉を見かけた。

しかし私はそれがなかなか理解できなかった。
本とに心から言ってないんじゃないか。
お世辞じゃないか。
自分なんかが褒められるわけがない。

そう思うことで自身のない自分を、傷つくことから守っていたのかもしれない。

しかし、娘の屈託のない笑顔は、それらの言葉がお世辞や気遣いではないことを示していた。
私はそれで、ようやくその言葉の意味が分かったのだ。

嬉しい。だから、ありがとうを伝える。
心配。元気になって欲しい。だから、励ます。
そうした言葉がけで母が元気なれば、娘はもっと嬉しい。

そんなシンプルなことを娘は教えてくれているんだ。
なかなか自身は持てないけど、少しでも言葉を素直に受け取れる自分になっていきたいと思う。

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