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僕の職業がアイドルのマネージャーになりました。EP9

前回はこちら!

丹生「いや〜、、、素晴らしい姉弟愛ですね、、、」グスッ

岩本「〇〇ってあの写真をスマホの壁紙に
   してるよね?」

〇〇「、、、なんで知ってんの。」

岩本「〇〇がスマホの画面見ながら泣きそうに
   なってる時あるからさ。チラッと、、、」

〇〇「、、、恥っず///」

丹生「いいじゃないですか〜!
   あっ、私の壁紙は3人で撮った写真ですよ!」

そう言って丹生ちゃんはスマホの壁紙を僕らに見せた。

〇〇「あー、、、蓮加が僕にボロ負けして泣きそうに
   なってる時のやつか笑。」

蓮加「えー!なんでその画像なのー!」

丹生「だって可愛いじゃないですか!
   ほらほら、この蓮加さん見てくださいよ!
   涙目になってて〇〇さんの事をポカポカ、、、」

蓮加「あっ、、、あのぉ、、、///」

〇〇「あの蓮加は可愛かったね〜笑。」

丹生「ですね〜♪」

蓮加「お願い丹生ちゃん、、、今すぐ変えて、、、///」


先週、姉ちゃんである白石麻衣の卒業コンサートが行われた。

その様子は数多くのメディアで報道され、多くの人から惜しまれつつも卒業というアイドルとして完璧な終わりを迎えた。

、、、、、、世間では。


〇〇家

麻衣「〇〇〜、、、チューして、、、」

〇〇「しない。」

麻衣「じゃあバックハグでいいから、、、」

〇〇「それもしない。」

麻衣「卒コンの時はギュッてしてくれたじゃ〜ん。」

〇〇「あれはその場のテンションだから。
   お疲れ様の意味も込めてのだから。」

麻衣「あれ!ここに卒業してお疲れ様がピッタリな
   人がいるぞ〜!」

〇〇「女優・白石麻衣までの充電期間でしょ?」

麻衣「けち〜。」

母「あんた達ホントに仲がいいわね〜笑。」


姉ちゃんは卒業してから少しの間、お休みを頂くことにしたらしい。

あ、ちなみに事務所は七瀬姉ちゃんもいる乃木坂46合同会社にお世話になることになった。

七瀬「またまいやんと一緒やな〜♪」


〇〇「じゃあ僕は仕事行ってくるから。」

今日は乃木坂46マネージャーとしての仕事だ。
確か今日は新4期生の方々と。

今まで同じ空間にいたことはあるが、お話ししたことはまだない。

最近は飛鳥さんを筆頭とする1期生、2期生の皆さんに可愛がってもらってる。

麻衣「まって〇〇〜、、、せめてハグだけでも、、、」

最近の姉ちゃんは僕に甘えてくる頻度が高くなった。今までアイドルとしての枷が外れ、僕と2人きりで出掛けようとする事が急増中。

まぁ僕も学校に仕事に忙しいからそんなに行けないけど。

僕は仕方がなく、姉ちゃんに軽いハグをした。

〇〇「早く弟離れしてよ、、、」ギュッ

麻衣「えへへ〜、無理かな〜♪」ムギュッ

〇〇「じゃあっ、、、ちょっ、、、」

まったく、27にもなってこんな甘えるなんて、と思い仕事に向かおうとする。しかし、姉ちゃんの腕が全くと言って良いほど動かない。とんでもない力、、、

〇〇「姉ちゃんっ!力強いって!」

麻衣「離れたくないも〜ん💕」

〇〇「、、、母さんお願い。」

母「はいはい。〇〇の邪魔しないの。」

麻衣「、、、はい。」

母は強しという言葉は今日のためにあったのだな。
僕は気を取り直して家を出る。

〇〇「いってきまーす。」

母、麻衣「「いってらっしゃい!」」


事務所。

今日は乃木坂46、新4期生の皆さんにインタビューのお仕事だ。

2月に配属され、乃木坂46として活動した初めの3ヶ月をどの様に思ったか、、、

そんなことを聞かれるインタビューらしい。

僕も初めて話す人達ということで久々にコミュ障を発揮しそうだが、何とか距離を縮めていきたい。

さて、そろそろ5人が来るはずなのだが、、、

ガチャッ

「「「「「失礼します!」」」」」

後ろから挨拶の声が5人分聞こえた。

僕は彼女達に向かって自己紹介をする。

〇〇「しっかりお話しするのは初めてですよね!
   今年からマネージャーを務めている白石麻衣
   の弟、白石〇〇です!」

よし。僕が小学生の時から辛く思っている自己紹介を乗り越えた!

僕に続いて彼女達も自己紹介してくれた。

弓木「えーっと、新4期生の中で最年長!
   弓木奈於です!奈於の於は漢文?の何とか字
   に使われてるやつです!」

〇〇「、、、たぶん置き字ですかね?」

弓木「あっ、そんなやつです!〇〇さんは年下なの
   に頭がいいですね〜!」

〇〇「いやまぁ、、、」

弓木「でも〇〇さんにご迷惑をかけてしまうかも
   しれないです、、、」

〇〇「そんな事気にしないでください!
   迷惑ならいくらでもかけてください!」

弓木「いや私って凄い落ち込みやすいんですよ。
   もうズンドコまで落ち込んでしまって。」

〇〇「ズンドコ?」

弓木「はい、、、」

〇〇「うーん、どん底じゃないですか?」

弓木「あっ、そうだ!やっぱり頭良いですね!」

、、、弓木さんは少しおバカな人なのかな?


佐藤「はい!岩手県出身、18歳の佐藤璃果と
   申します!よろしくお願いします!」

〇〇「はい!よろしくお願いします!」

18歳、、、僕より年上なのか、、、
可愛らしい童顔だから年下なのかと思ってた、、、

佐藤「はいっ!国語、数学、理科、社会、、、
   〇〇さんの好きな教科は〜?」

〇〇「ぼっ、、、僕の?」

弓木「理科〜!って大きな声で言ってください!」

佐藤「お願いします!じゃあもう一回やりますね?」

〇〇「がんばります、、、?」

そう言って佐藤さんは咳払いを一つ。

佐藤「国語、数学、理科、社会、、、
   〇〇さんの好きな教科は〜?」

〇〇「りっ、、、りか〜!」

佐藤「ありがとうございます!
   乃木坂46、新4期生の佐藤璃果です!」

パチパチパチパチ、、、

他の4人から拍手をもらう。
なんかめっちゃ恥ずかしかった、、、///


黒見「はい!3の倍数9・6•3!黒見明香です!」

〇〇「よろしくお願いします!確か生まれが香港の
   方が黒見さんですよね?」

黒見「そうなんですよ!」

〇〇「あやめから教えてもらいました!
   これからよろしくお願いします!」

黒見「はい!よろしくお願いします!」

そう言って手を差し出す黒見さん。

〇〇「、、、え?」

黒見「握手ですよ!」

〇〇「あっ、すみません、、、?」

握手って一般的には上司から部下にするから立場的には合ってるか。入ったばかりの黒見さんに握手を求められるとは思わなかった、、、

将来、黒見さんが先輩になったらすごい頼りになりそうだ。

黒見「よろしくお願いします!」


松尾「はい!乃木坂46、新4期生の松尾、、、」

〇〇「松尾、、、?」

松尾「ふぅ、、、松尾ミュウッ!!」



〇〇「えっ?!」

突然、大きな声を出して自己紹介をした松尾さん。でも松尾ミュウって一体なんだ?

〇〇「あの〜、松尾ミュウっていうのは?」

松尾「うぅ、、、乃木坂工事中に出させて頂いた時に
   設楽さんに考えてもらった自己紹介で、、///」

確かあやめも言ってたな。

あやめ「設楽さんに無茶振りされても頑張って
    返してる子がいてね!
    それにアクロバットも凄いんだよ!」

それがこの方か。
設楽さんも入ったばかりの子に大変な無茶振りするなぁ、、、笑。

松尾「よろしくお願いします、、、///」


林「、、、はい。
  マケルナショゲルナハヤシルナ、キョウモイチニチガンバルナ。
  、、、林瑠奈です。よろしくお願いします。」

〇〇「よっ、、、よろしく、、、お願いします?」

確かあやめから聞いたところによると、彼女は林瑠奈さん。極度の人見知りらしく、初めましての人には毎回こうなってしまうらしい。

どうにかして親睦を深めていきたいのだが。

そう言えばあやめから、、、


あやめ「林ちゃんはね?お笑いが好きなんだよ!
    ニューヨークさんとか、さらばさんも
    好きだったと思うよ!」

そうだそうだ。
確か林さんはお笑い好きだった。

そっち方向の話を振ってみたら盛り上がるかな?

〇〇「林さんってお笑いが好きなんですよね!」

林「えっ!何で知ってるんですか?」

〇〇「あやめから聞いたことがあってね。」

林「なるほど〜!そうなんですよ!」

どうやら話に食いついてくれたみたいだ。

林「特にニューヨークさんが好きなんです!」

〇〇「そうなんですね!でも申し訳ないことに
   あまり詳しくなくて、、、」

林「なら今度みんなで劇場行ってみましょうよ!
  絶対にハマりますよ!」

この人ほんとに人見知りなの?
すごい饒舌に話ができてる様な気がするけど?


それからインタビューの時間に。

5人ともハキハキと質問に答え、相手のインタビュアーの方にも好印象を持って頂いた様だ。

インタビュアー「それでは今回は以上となります!
        ありがとうございました!」

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

〇〇「皆さんお疲れ様でした!毅然とした対応が
   とても素晴らしかったです!」

林「〇〇さんとお話してリラックスできました!」
佐藤「これからよろしくお願いしますね!」


それから僕は事務所に戻り、少しの事務作業を終えある場所へ。

時刻は18:00、高校近くの公園で。

和「あっ!こっちこっち〜!」
奈央「待ってたよ〜♪」

〇〇「ごめん!ちょっと遅れちゃった、、、」

和「しょうがない〇〇だなぁ。」
奈央「だなぁ〜♪」

最近、僕と和と冨里さんはこの公園で自主レッスンをしている。

乃木坂46、5期生に合格するための特別レッスン。

〇〇「この前は歌の練習したから今日は
   ダンスにしよっか!」

奈央「はい!〇〇先生!」

〇〇「先生って笑。いつも見てるリハーサルで
   思ったことを伝えてるだけだよ笑。」

和「それがありがたいの〜!他のオーディション
  受ける子より一歩先に進めるチャンスだから!」

僕が普段から見てる乃木坂46の皆さんが気をつけてること、、、

例えばダンスのターン、周りとのバランス、意識を向けるとやりやすい事を2人に伝えている。

〇〇「今日は"命は美しい"やってみる?」

和「うん!やりたい!」

〇〇「冨里さんもいい?」

奈央「うーん、、、」

〇〇「あっ、他の曲がいい感じ?」

奈央「冨里さんじゃなくて奈央って呼んで!」

〇〇「ん?」

奈央「だから奈央って呼んで!」

〇〇「、、、奈央さん?」

奈央「だから奈央って呼んで!」

和「早く奈央って呼びな?なんかドラクエの村人
  みたいになってるから。」

〇〇「、、、奈央。

奈央「は〜い♪」

、、、え、なにこれ。


〇〇「じゃあ今日は"命は美しい"ね?
   振り付けはわかる?」

和「何となくは分かるよ!」

奈央「先週、七瀬さんにコツ教えて貰ったから!」

和「そうだよね!うんうん、、、、、、え?」

〇〇「、、、いつ?」

奈央「この前のライブが終わってから七瀬さんに
   LINEを教えてもらったの!そこで聞いた!」

和「、、、コミュ力おばけ。」
〇〇「まじでそれ。」


それから約1時間、僕たちは自主レッスンを続けた。

奈央「ふぅ、、、つかれたぁ、、、」
和「だね、、、」

〇〇「2人ともお疲れ様!はいお水!」

奈央「ありがとぉ、、、」

〇〇「後で今日の撮影データ渡しとくね。
   2人ともすごい綺麗だったよ!」

和「、、、えへへ///」
奈央「良かったぁ♪」

〇〇「うんうん、、、ってもうこんな時間か。」

時計を見たらもう19:20。
そろそろ家に帰らなければ。

〇〇「少し休憩したら帰ろっか。」

奈央「うん!」


帰り道。

和「いいなー。
  私も西野さんとLINEしてみたい、、、」

〇〇「いや無理でしょ笑。遠慮しちゃって自分から
   メッセージ送れないのが目に見える笑。」

和「そっ、、、そんなことないもん!」

奈央「良い人だよ〜♪
   今度の日曜日に映画行くんだ!」

和「そんな深い関係に、、、!」

〇〇「なんか変な言い方だな。」

そんなことを話していると、、、

ドンッ!!

??「いってて、、、」

しまった!
話に夢中で誰かにぶつかってしまった。

〇〇「ごめんなさいっ!大丈夫ですか、、、?」

??「はい、、、」

和「あれ?あなたって確か、、、」
奈央「同じクラスの子だよね?」

五百城「あっ、井上さんと冨里さんですよね!
    それに白石くんも、、、///」

〇〇「五百城さんごめん!怪我とかしてない?」

五百城「大丈夫だよ、、、///」

奈央「あちゃー。」
和「どうしたの奈央ちゃん。」
奈央「これはきちゃってるね。」
和「なにが?」
奈央「恋が。」
和「、、、え。」
奈央「だって見てよ。五百城さんの空気感。」

〇〇「あっ!ちょっと擦りむいちゃってる、、、」

五百城「こっ、、、これくらい平気平気!」

〇〇「だめだよ!ほらこっちに手を出して!」

僕はカバンの中から絆創膏を取り出して、五百城さんの傷口に貼った。

五百城「あっ、、、ありがとぉ、、、///」


奈央「ね?顔がトロトロに溶けちゃってるよ。」

和「、、、〇〇は顔も性格も良いからみんな好きに
  なっちゃうんだよなぁ。」

奈央「おや。ここにも恋する乙女が?」

和「ちがっ、、、私はそんなんじゃ、、、///」

奈央「隠さないで良いよ〜。
   お姉さんが相談相手になるよ?」

和「同い年じゃん、、、」

奈央「細かいことは気にしないの〜♪」


五百城(やっぱり〇〇くんってかっこいい、、、
    初めて話したけど凄い優しい、、、///)

〇〇「五百城さん?」

五百城「あっ!なんでもないよ!
    それじゃあ、また学校で会おうね!」

早口でそう言った五百城さんは風の様なスピードで走り去ってしまった。

〇〇「あっ!またねー!」

奈央「不思議な子だね〜。」

〇〇「いや奈央も十分変わってるよ?」

和「、、、早く帰るよ!」

〇〇「ん?なんか怒ってる?」

和「怒ってないもん!」

和はそう言って1人で先に進んでしまう。

〇〇「どうしたんだ?」

奈央「いいかい〇〇くん。」

〇〇「ん?」

奈央「〇〇くんにはまだ早いことだよ。」

〇〇「なにが?」

奈央「それはまだまだ先に分かる事だよ〜♪」

〇〇「はぁ?」

奈央「ちなみに〇〇くんの初恋は?」

〇〇「はっ、、、初恋なんて聞かないでよ、、、///」

初恋を聞かれただけで顔を赤くしてしまう〇〇。

冨里「そういうとこ!じゃあ帰るよ〜。」


麻衣「おかえり〇〇〜♪」ギュッ
〇〇「はいはい、、、」

僕はされるがままに姉ちゃんのハグを受け入れた。

麻衣「、、、そんでね〇〇。」

〇〇「なに?」

麻衣「今度、しあわせの保護色の握手会あるじゃん?
   発売記念のやつ。」

〇〇「うん。もう姉ちゃんは出ないでしょ?」

麻衣「まぁそうなんだけどさ、前回の握手会で
   気になった事があってね。」

〇〇「、、、気になった事?」

姉ちゃんは僕の顔を真剣に見つめ、話し始めた。

麻衣「〇〇には握手会の警備をお願いしたいの。」

〇〇「警備?それは一般企業の方が行うから
   大丈夫なんでしょ。」

麻衣「そうじゃないの!
   前回の握手会で怪しい人が数人いて、、、」

〇〇「、、、それで?」

麻衣「その時は私がすぐに運営の人に報告して
   何にもなかったの。」

少し震えている姉ちゃん。
こんな姿を見るのは生まれて初めてかもしれない。

麻衣「でも今回の握手会は嫌な予感がしてて、、、」

僕が言うのも何だが、姉ちゃんの嫌な予感は結構当たる。だから今回もきっと、、、

〇〇「分かった。メンバーの皆さんは僕が守る
   から安心して!」


??「あぁ、、、
   はやく握手会の日にならねぇかなぁ♪」


幸せが溢れる場所の握手会に近づく不穏な影。
一体何が起こるのだろうか、、、

次回「握手会編」

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