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鈍感な主人公が1番ムカつくってこと。

『どうして私の気持ちが分かんないの、、、!』

「え?なんのこと?」

『うるさいバカっ!!』

「おいっ!ちょっと待てよ!」


テレビから流れるセンチメンタルなBGMと、夜の街を走り抜けるヒロイン。

最近話題の大人気女優の瞳には大粒の涙が溜まっていて、そのシーンを最後に第7話は幕を閉じていった。


田村「はぁ、、、」

〇〇「なに、ため息ついてどうかした?」

私、田村真佑はソファにだらしなく座りながら親友から『泣けるから見て!』と言われた恋愛ドラマを見ていた。

隣にいる彼氏の〇〇は結構、話に入り込んでいるから私がいうのもアレだけど、、、、、

正直、あんまり泣けない。


田村「話の流れとかBGMとかはいいんだけどさ。
   この主人公がしんどくて、、、」

〇〇「主人公?
   確かにちょっと馬鹿っぽいというか笑」

田村「そうっ!そこなのっ!!」


このドラマは鈍感な主人公に振り回されるヒロインが可愛いとか泣けるとか、、、

でも私はそれ以前の問題でそろそろギブアップしそう。


田村「この鈍感主人公がホンッットに嫌なの!」

〇〇「あー、、、真佑ってそういうの苦手だよね」

田村「最後のだってさ?!
   あんだけヒロインが怒ってたら気づくでしょ!」

〇〇「まぁね笑」

田村「そのくせ『え?なんのこと?』ってなに?!
   ぶっ飛ばしたくなってくるんだけど!」ブンブンッ

あぁ、、、改めて話すと余計にむかついてきた!!

習ったこともないシャドーポクシングを〇〇の横でお見舞いしながら腹立たしさを発散させていく。


〇〇「そんな怒んなくてもいいじゃん笑」

田村「なんかモヤモヤするの〜っ!
   もうっ!お風呂入ってくるっ!!」

〇〇「はいは〜い、、、、、」ニヤッ


数十分後。


田村「ふぅ、、、さっぱりしたぁ〜♪」


お気に入りの入浴剤を使って、ハマってるアーティストの音楽も掛けて!

買ったばかりのもふもふパジャマも着て!


田村「最高の時間だなぁ〜♪」


ドライヤーで髪の毛を乾かしながら鼻歌まで歌っちゃったりして。

先ほどのイライラなんて何処かにサヨナラしてしまった。


田村「ふんふ〜んっ♪
   あとで〇〇にも甘えちゃおっかな〜」

あとは〇〇に頭を撫でてもらったり、ギュッてしてもらったり、チューしてもらったり、、、、、、

たっくさん甘やかしてもらお!


田村「よしっ!髪の毛もバッチリ!」


〇〇が誕プレにくれたコードレスドライヤーを丁寧に片付け、リビングで待つ大好きな人の元へ。

どうやら彼は私がさっきまでグダッてたソファに座り、ミステリー小説を読んでいるらしい。

今日もカッコいい、、、💕


〇〇「おっ、上がった?」

田村「うんっ!ぽっかぽかだよ〜♪」

〇〇「そりゃ良かった笑」


ニコッて笑う〇〇の顔に胸を撃ち抜かれながら、〇〇のすぐ隣へ。

肩に頭を乗っけて少しスリスリ、、、


〇〇「どした?」

田村「う〜ん、、、甘えたくなっちゃった!」

思いっきりの上目遣いと甘い声。

大好きな人の目を見つめながら甘えてみる。


〇〇「へぇ〜、、、、、、じゃあ風呂入ってくる」

田村「え?」

〇〇「また後でな」

田村「えっ!〇〇〜!」


私の『甘えたいコール』を華麗に無視し、スッと立ち上がる〇〇。

下着を取り、スウェットを取り、、、淡々とお風呂への準備を進めていく。


田村「なんでよぉ、、、」


1人になったリビングでそう呟いた私をテレビの液晶画面が映し出す。

それはひどく滑稽なワンシーンだった。


〇〇「ふぅ、、、」


あれからまた何十分か経ち、お風呂から上がってきた〇〇。

濡れた髪の毛が〇〇の色気を何倍にも増幅させ、また私の甘えたい欲を存分に脇立てる。


田村「〇〇〜っ!」

〇〇「ん?」

田村「ねぇ、、、今日さぁ、、、、、💕」

そういえば最近、2人でシていなかった、、、

1週間ぶりくらいかな?

高まった興奮がどんどんと溢れ出し『〇〇に思いっきり愛してほしい』って欲望が止まらない、、、!


田村「私のこと愛してほしいなぁ〜、、、って、、、💕」

〇〇「ん?真佑のことは大好きだよ?」

田村「そうじゃなくてっ!」

〇〇「えぇ、、、何のこと?」


、、、、、、ん?何かがおかしいぞ?

いつもだったらすぐにキスしてくれるし、抱っこしてベッドまで連れていってくれるし。

それにこのセリフどこかで、、、、、、



「え?なんのこと?」


あっ、あのドラマのセリフ、、、


〇〇「ちょっとよく分かんないかな、、、」ニヤニヤ


ニヤニヤといたずらっ子のような可愛い笑顔を浮かべながら私を見つめる〇〇。

これは私のことをイジってるときの顔だ、、、


田村「、、、、、、言ったじゃん」

〇〇「え?」

田村「鈍感な男がいっっっちばん嫌いなのっ!!」グイッ

〇〇「えっ?!ちょっ!!」


まだ状況を理解できてない〇〇の腕を引っ張りながら寝室へ。

乱暴にドアを開け、電気もつけないまま〇〇をベッドに押し倒す。


田村「よいしょっ、、、!」

〇〇「ちょっ!真佑っ!」

田村「うるさい鈍感さんは静かにしましょうね〜💕」


チュッ

押し倒した〇〇のうるさい唇を強引に塞ぐ。

シャンプーやボディソープの匂いと大好きな〇〇の匂いが混ざり、至福の香りが鼻をくすぐる。

数分の間、息が続かなくなるギリギリまで唇を重ね続けた。


田村「んふっ、、、、、ぷはぁっ、、、💕」

〇〇「はぁ、、、はぁ、、、、、///」


目がとろんっとして可愛い〇〇にまた興奮が滾ってくる。


田村「あっ、ちなみに私のだ〜いすきな人はね?」

パジャマのボタンをゆっくりと、上から下へ一つずつ外していく。


女の子みたいに怯えちゃった彼の目。


嗜虐心っていうのかな、、、、、、まあいいや!


彼のことをイジメ抜いてあげたい気持ちが私の心を支配していく。


そして息も絶え絶えで惚けた表情の〇〇へ、馬乗りになりながらそっと呟く。





田村「真佑に骨抜きにされちゃった〇〇が大好きなの💕」

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