ラクダを飼ってた少年
子供って“見栄っ張り〟でないにせよ
「うちは貧乏だ」なんて
決して、死んでも口にしない。
なぜならば“開き直る〟という
生きるための技術を
まだ手にしてないから。
人は人、俺は俺、
死なないだけまだマシ、
生きてるだけで丸儲け、と
思うにはまだまだ幼い。
他人との違いを“個性〟とは思えない、
他人より劣ることが
恥ずかしいと思うからね。
貧乏な家の中を見られたくない。
貧相な飯の様子を知られたくない。
できることなら
一生隠し通したいのだ。
【この話は私が小学4年の時の実話】
クラスで“ペットの話〟になった。
あたしんちは、猫でチンチラ!
俺んちは、犬で柴犬!
僕の家は、インコで喋るよ🦜
私の家は、うさぎでネザーランドだよ
ほとんどが犬や猫や鳥などの小動物。
その時、「えっ、お、俺の番?」と
でも言いそうな松岡(仮名)くんが
俺の家は“ラクダ〟を飼ってるよ
えーーーーーーー!
うっそーーーーー!
一斉に松岡くんを見る!
驚きと疑惑と限りなく失笑に近い笑み。
すご〜い!
松岡くんち、ラクダがいるのー?
動物園でしか見た事ないのに
すご〜い!
1人の男子が
「じゃ、今度学校に連れてこいよ」
と、意地悪な要求を出す。
松岡、大ピンチ!
松岡くん慌てる💦
さぁーどうする、松岡!
固唾を飲んで見守る女子と
笑いを必死に堪える男子w
「人間を見ると死ぬんだ。
それに今、入院してるよ、
びょ、病気で」
(お前は人間じゃないのか?)
もう大変!
それは1クラスを超えて
学校中の噂になって
引くに引けない状況に!
結局、その後どうなったのか
忘れてしまったけど
“人の噂も七十五日〟の流れに沿って
自然にフェードアウトしたように思う。
ふと咄嗟についてしまった小さな嘘が
とんでもないほど大きくなって
しまうなんて、笑えないけれど
最高におもしろい🤣
人の不幸は蜜以上に美味い😋
ラクダじゃなくて
せめて豚にしとけばよかったのにねw
「連れてこいよ」と言われたら
「もう食ったよ」と言えば済むし(笑)
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