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星の王子さまの★エッセイ絵本・その1


あたらしい、シリーズです。
よろしくお願いします。

『何も咲かない寒い日は、

下へ下へと根を伸ばせ。

やがて大きな花が咲く』


という、言葉があります。


根がしっかり張っている木は、

いつか立派な大樹になります。


だから、

結果がでなくても、

諦めずに努力をしましょうね。
頑張りましょうね。


という、励ましの言葉です。


でもね……。


ほんとうに、そうかなあ。


たぶんこの言葉は、

成功した人たちが、

使う言葉だと思います。


それなりの目標を

達成した人たちの口から、

出てくる言葉だと思います。


成功していない人って、

その何倍もいます。


何千倍かもしれません。


『何も咲かない寒い日は、

下へ下へと根を伸ばせ。

やがて大きな花が咲く』


ぼくは、

この言葉を、

心の支えとしていた時期がありました。


とても、不遇なときです。


いまだから、わかります。


この言葉、とてもポジティブですが、

ぼくは、この言葉、

自分を慰めるために使っていたのです。


とても、ネガティブな使い方ですね。


そうやって、

不遇な毎日から、

自分を逃避させていたのです。


ぼくは、必死で根を広げているつもりなのに、

木は、ちっとも大きくなりません。

それどころか、やせ細っていきます。


なにをやっても、うまくいきません。

葉は、どんどん枯れてきます。

青い葉は、まばらです。


ぼくという木は、今にも倒れそうです。


つっかえ棒をして、支えました。

サラ金という、つっかえ棒です。


でも、でも!!……。


ある日、

星の王子さまの弟さん、

ふみおくんが、


こんなふうに、

話しかけてきてくれました。


「ねぇねぇ、

ねっこがくさると、

木が大きくならないの」


「えっ?」


「あのね、きもちがくさると、

 ねっこも、くさるの」


はっとしました。


ぼくは、くさっていたのです。


やることなすことが、

すべてうまくいかず、

いつも、気分が腐っていたのです。


「そうかああ!!
ふみおくんの、言う通りだね。

どんなに不遇でも、

気もちを、腐らせてはいけないんだね。

それって、とても大変なことだけど、

すごく難しいけど、

ちょっとしか、

できないかもしれないけど、

やってみるね」

「は〜い」


ふみおくんに、

そう、気付かされました。



『何も咲かない寒い日は、

下へ下へと根を伸ばせ。

やがて大きな花が咲く』


この言葉、

その瞬間から、

こんなふうに、

アレンジしました。



『何も咲かない寒い日は、

下へ下へと根を伸ばせ。

やがて大きな花が咲く。

そのためにとっても、

大切なこと。

それは、

根を腐らせないこと。

気持ちを腐らせないこと』



   ふみおくん、

    ありがとう。




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