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映画『愛にイナズマ』の感想


2023年10月27日公開の映画
『愛にイナズマ』
エレファントカシマシの曲
「ココロのままに」が主題歌のこの映画、
とても楽しみにしていました。

きっかけは何でもいい、この映画を観る機会があってよかったと思う作品でした。

今回は、映画『愛のイナズマ』を映画館で二回観た感想を主に書きます。
(映画の内容を含みます。)

俳優さんの演技は素晴らしい、そしてこんなに何にひきつけられるのか?自分の感想を一回目と二回目に整理しながら書いていきます。

【一回目の感想】
尊厳を奪われた花子
自分の家族を描いた作品になるはずだった映画を撮る機会を奪われ、自分の存在さえも無きものにされてしまうのでは?といぶかしむ主人公
花子(松岡茉優)
そして、家族の中でも自分にだけ知らされていないことがあった。花子の尊厳はどこに?彼女の怒りモヤモヤ、行動はそこから来ているのかもしれません。

正直すぎる二人
コロナ禍の中、なんだかよくわからない正義を振りかざす人と責められ激昂する大人のケンカを止めようとして殴られてしまう正夫(窪田正孝)
この出来事の前から出会う兆しはありましたが、二人は殴られる人とそれをカメラで撮影する人として知り合い、惹かれ、行動を共にするようになります。

落合(仲野太賀)が「二人は似ている」という場面があります。
二人が似ていると思うのは、純粋で正直すぎるところ。正直であることは周りから都合よく扱われ、自分をすり減らしてしまうこともあるんじゃないかと思います。

花子「負けませんよ、嘘ばっかついてる自分に」

自分以外の人から傷つけられる尊厳がある。
外向きの自分がいやでいやでしょうがないけど作ってしまっている。それをわかっている。
(これは自分のことでもあるけど)あたりまえみたいにいつも自分で自分を下げてしまっていることがある。

自分の尊厳を、自分を大切にすること
そもそもそれってどうするの?がわからなかったりする。

映画の中にもある家族や周囲との関わりにより
傷ついてしまうさまざまな出来事。
が、つらいことだけどそれは気づきでもある。
自分がおろそかにされていたことや、自分自身を下げて大切にすることをおろそかにしていたり。

それでも純粋すぎる二人は正直さと共に生きていくことはきっと変わらないと思う。
日々は続いていく。
花子「意地でも諦めませんよわたしは」
そして二人のこれからがはじまっていく。

【二回目の感想】
二回目はニコニコしながら観ているシーンが多くなりました。お父さん(佐藤浩市)さんが愛おしくて、花子の長兄、誠一(池松壮亮)次兄、雄二(若葉竜也)も人間的なところがあふれていて
“どうしようもない家族”なんかじゃ全然ないよ!
愛があふれてる映画だと思ったし、これから続く花子と正夫の未来を感じました。

花子と正夫
地下にあるバーで出会い、話すごとに
だんだん惹かれていく。
正夫が花子にかけた言葉
「いいもわるいも
それをひっくるめてあなたなんです。
だから素敵なんです。」

なんて素敵なんでしょうか!

詐欺グループに殴りこみに行き、
家に帰ってきて乾杯する五人
お父さん、誠一、雄二、花子、正夫
家の外は雷雨、ブレーカーが落ちて照明が消えた。暗い部屋の中、兄妹で話しながらハグし合うのを見ているのに、ほんとにお前たちいるのか?と言うお父さん。家族と一緒の時間を過ごすお父さんのうれしい気持ちと、この瞬間は本当なのか?とも感じている心の中の様子が見えるシーンでした。

一年後、亡くなったお父さんが、雄二の教会に現れる。「お前たちハグしてたな
「ハグって何だ、存在の確認だろう」
「いいもんだよなあ」

お父さん(泣)
現れたお父さんの心の中をくみとり、
雄二は「みんなでハグ、どうですか?」と、誠一と花子にLINEします。
兄妹三人が集まったとき、
正夫から「全員でハグしてますよ」と。
酔いつぶれたお父さんを三人でベッドに運ぶ映像が流れます。
なんとも言えない正夫の存在、そして映像はお父さんに届き、誠一、雄二、花子の心の中それぞれにじんわり変化をもたらしたのではと思います。

この家族は愛という節度を持っている人たちだと思いました。

家族の中でも知らないことはたくさんあって、それは誰かをないがしろにしようとしていたわけでもない。
気持ちは勝手で、片方は離れていても大丈夫だと思ってたり、近くにいたいと思う気持ちはあるのに叶わなかったり無理が出てきたり。
こうだと思い込んでいたことから解放されて、自分の中で新しい存在になったり。

映画の中で出てきたことから、自分に置き換えたり考えが広がったりしました。

しかし、「ハグは存在確認」って!!
愛ですね!

映画の最後に流れる
エレファントカシマシの曲
「ココロのままに」

はじまる はじまる
今からはじまってる
戦おう 戦おう
ココロのままに

私にはこの曲もふと浮かんで流れてきました。
勝手にスミマセン!ですが、
花子と正夫
二人のこれからに
エレファントカシマシの曲
「いつか見た夢を」
を、贈ります。

いつか見た夢を正夢にしよう
つまり毎日を 行け!
永遠に流れてる
体中巡ってる
俺のこの思いよ
今すぐ さあ行け! OK

『愛にイナズマ』は、愛にあふれる映画でした。

読んでいただき、ありがとうございました。

映画『愛にイナズマ』https://ainiinazuma.jp/index_sp.php

エレファントカシマシ
https://www.elephantkashimashi.com/sp/

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