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選手が直接選ぶ年俸制。韓国プロ野球の三星(サムスン)ライオンズの6年ぶりの成績回復の秘訣。成績悪い日本プロ球団もぜひ参考に

今年、韓国プロ野球がKTウィズの創設初の統合優勝により、18日に幕を閉じた。 創立最短期間での統合優勝というKTの成果と、他の意味ある記録もいくつか出た。 そのうちの一つが韓国プロ野球の名門球団であるにもかかわらず、過去5年間'秋の野球(クライマックスシリーズ)'ができなかった三星ライオンズの復活だ。


ライオンズは16年以後、ポストシーズン進出後、成績が悪くなったが、今年の成績が急に良くなってレギュラシーズン2位でシーズンを終えた。 6年ぶりのポストシーズン進出だ。 プレーオフで当時勢いが絶頂だった斗山ベアーズに敗れたが、今年ライオンズが「確実に変わった」という評価が多い。

今年のライオンズ復活に対し、元氣燦(ウォン·ギチャン)ライオンズ社長が設計した新たな年俸制が大きな原動力になった。
彼はサムスン電子人事担当副社長、サムスンカード社長などを経た韓国最高の「HR(人材管理)専門家」とされる。


昨年、社長赴任直後から設計を始め、今年導入したライオンズ新年俸制の核心は「選手自らが自分の年俸体系を選択する」という点だ。 あらかじめ決めた年俸の分だけ受け取るのか、基本給は多少低めても成績が良ければ減らした基本給の何倍に達する高い成果給をもらうのか。 選択肢をいくつか作り、選択を選手に任せた。

効率的な人事評価と年俸体系の樹立は、韓国経営界の大きなテーマでもある。 韓国最高の人事専門家は、ライオンズをどのように変えたのだろうか。



◇①基本給vs成果給、複数の選択肢を作る

ライオンズの選手たちは今年、年俸交渉をする際、重要な選択をしなければならなかった。 「基本型、目標型、挑戦型年俸制の中から何を選びますか?」球団が提示した3つの年俸制の中から1つを直接選ぶようにという指針を受けた。 選択肢は以下の通りである。


1)基本型 : 決まった年俸をシーズン成績と関係なく受け取る。

2)目標型 : 基準年俸から10%引き下げた金額で基本年俸を決め、以後良い成績を出せば差し引いた金額の数倍をさらに受け取ることができる。

3)挑戦型 : 基準年俸から20%引き下げた金額で基本年俸を決め、基準点以上の成績を出せば、差し引いた金額の数倍のインセンティブとしてもらえる。


企業で言えば、予め決めた基本給だけを受け取るか、基本給はやや下げても成果によって年俸が結果的には大幅に上がる可能性のある成果給制で契約するかを職員に決めるようにしたのだ。 ライオンズはこうした新しい年俸制に「ニュータイプインセンティブ制度」という名前を付けた。


元基燦(ウォン·ギチャン)社長は、新しい年俸制を設計した趣旨を次のように説明した。 『私は野球をよく知りませんでした。 ところがライオンズに来てみると、シーズン中に選手たちに動機付与をする手段がほとんどありませんでした。


シーズン開始前に年俸契約を結ぶと、一年間の年俸はそれで終わりですからね。 多くの選手は年俸が大きく跳ね上がるFA(フリーエージェント、他の球団が迎え入れる資格を得た選手)だけを見て、その前の数年を耐え忍びます。 シーズン中に選手たちがもっと頑張れるようにする方法はないかと悩んだ末、三星(サムスン)経済研究所と新しい年俸体系を作った」。

選手たちに新制度を十分理解できるように、元社長をはじめ球団関係者たちが数回にわたって説明会を開いた。 タイプを選択した後も、選手が希望する場合、KBO(韓国野球委員会)に登録するまではいくらでも選択肢を変えられるようにした。

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◇②選択は全面的に選手が行う

球団は新しい年俸制を導入する際、「球団が一方的に強要する」という感じを与えないよう努力した。 このため、「基本形」という従来のシステムの年俸制を残し、選択は全面的に選手に委ねた。 企業で言えば、号俸制、年俸制、成果給制などをビュッフェのように準備し、職員を選ぶことができるようにしたのだ。ホン·ジュンハク·ライオンズ団長の説明だ。


プロ野球は年俸制とはいえ、スーパースター級の選手数人を除けば、ほとんどの選手が球団から年俸を通告されるのが慣行でした。 選手の立場では、あまりにも一方的だと感じて不満が生じるかもしれません。 それで今回の新しい年俸制は選手の自律的な選択権を与えるということに意味を付与しました。 基本年俸提示はそれなりの分析を経て球団がするが、基本型、目標型、挑戦型のうちどれを選択するかは選手たちに任せました。 挑戦型のような成果給制が全ての選手に良いとは私も思いません。 むしろそうした成績圧迫に負担を感じる性格の選手もいますから。


選手と監督の誰もが、どの選手がどのような年俸制を選択したかは分からない。 洪団長は「チームの勝利のためには、選手は時に犠牲バントを打つといった方法で、自分を犠牲にしなければならない時がある。 こうした状況で監督らは選手の成果負担を考え、作戦の影響を受けないよう徹底的に秘密を維持するようにした」と説明した。

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◇③成果測定の目安、全選手違う


球団は特定の選手を選ぶ際、その選手がチームの勝利のためにどのような役割を果たしてほしいという「期待」がある。


洪団長は「選手別に球団が成果を測定する基準を3-5個ほど提示した。 選手のどのような点に強みがあり、どの部分の成果を上げれば、チームの成績が全般的に上がるかを考慮して決めた」と述べた。 こうした評価基準は元社長が定めたスローガン「ワンチームワンボディ渾然一体」ともつながる。 選手個人の成果とチーム全体の成果が最大限連動しなければならないということだ。



「one team, one sprit」をスローガンに使う西武ライオンズは最近、成績が良くないので三星ライオンズと名前も似ているし、ユニフォームも似ているため、このような年俸制を選択するのも一つの方法ではないかと思う。












勢いが絶頂 :기세가 절정

敗れる:패하다

年俸制:연봉제

原動力:원동력

赴任:부임

年俸体系の樹立:연봉체제의 수립

年俸交渉:연봉교섭

指針を受けた:지침을 받았다

年俸を受け取る:연봉을 받다

10%引き下げた:10% 인하되다

差し引いた金額の数倍をさらに受け取ること:인하된 금액의 몇배를 더해 받는 것

基本給はやや下げても:기본급은 약간 내려도

大幅:대폭

趣旨:취지

動機付与をする手段:동기부여를 하는 수단

年俸契約を結ぶ:연봉계약을 끝내다

年俸が大きく跳ね上がる:연봉이 크게 뛰는

耐え忍ぶ:참고 견디다

悩んだ末:고민한 끝에

にわたって:~에 걸쳐

一方的に強要する:일방적으로 강요하다

選手に委ねた:선수에게 맡겼다

号俸制、年俸制、成果給制:호봉제、연봉제、성과급제

通告:통고, 통보

あまりにも:너무

不満が生じる:불만이 생기다

自律的な選択権を与える:자율적인 선택권을 주다

成績圧迫に負担を感じる:성적압박에 부담을 느끼다

成果測定の目安:성과측정의 기준

役割を果たしてほしいという「期待」がある:역할을 했으면 하는 기대가 있다

提示:제시

考慮:고려


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