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【講義ネタ】困りごとを捉えること、解決策を知ること、解決できる人と繋がっておくことはいずれも大切という話

「困りごとを捉えることも、解決策を知ること、解決できる人と繋がっておくことはどちらも大切という話」と長々とタイトルを書きましたが、ソーシャルワーカーがニーズについて考える際に使っているスライドが以下のものです。

真ん中の円の部分が「本人の困りごと」です。
この場合は、自宅の浴槽で入浴することが怖くなったクライエントを想定しています。
アセスメントする際は現状はどうしているのか、丁寧に聞き取っていくことが大切ですが、加えて色んな選択肢を情報提供するため、色んな解決策を頭に浮かべておく必要があります。

それが青矢印の先にあるものです。安全に入浴するための方法としては、
・住宅改修で手すりや福祉用具を活用する
・訪問介護を利用して介助してもらう
・家族で何とかする
・デイサービスを利用
・浴槽での入浴は諦めてシャワー浴へ


など色んな選択肢を頭に浮かべます(実際はもっとあります)。

この辺は制度や地域の社会資源をしっかりと知っておくと、良いですね。
ここで、大事なのは、本人の意思・希望です。
仮に、本人の希望が「安全に自宅でお風呂に浸かりたい」という思いだったら、
・デイサービスを利用
・浴槽での入浴は諦めてシャワー浴へ
消えますね。

画面から見えなくなってしまったので、再度同じ画像を(笑)

学生には、クライエントが初めから真ん中にある【困りごと】や希望を言ってくれているとは限らないことをしっかりと伝えています。むしろ、矢印の先から相談が入ることがあると。

例えば、
「すみません。デイサービス利用したいので、手続きをお願いします」みたいな感じです。
困り事は言葉にしていない。

これを聞いて雑なアセスメントして「デイサービスですね。介護保険の申請しましょう。あと認定結果が出るまでにデイサービスの体験でもしますか?」みたいに進んでいくと、本人の希望に触れられてないわけですね。
ニーズでなくてデマンド(要望)しか聞き取れていません。

そこで、「デイサービスを希望なんですね。どのようなことでお困りでしょうか?」と最初から丁寧にクライエントの置かれた状況をアセスメントし、困りごとを聞き出します。
自宅で入浴することを諦めていた方に自宅で入浴できる方法を提示すると、デイサービス以外の方法を選択されるかもしれません。

逆にデイサービスのまま話を進めてしまうと、「家で入浴する選択肢があったなんて。あの人は説明してくれなかった」と後々関係性が悪くなります。

実際の現場ではこのようなことは起こりにくいですが、困り事を聞き出すにはイメージしやすいかなと思って、このようなスライドを使っています。


もちろん、解決策を知っているだけではダメで、日頃から矢印の先にある関係機関(社会資源)と信頼関係を築いておくことで、円滑な連携ができます。
この辺が社会福祉士の業務の面白さであり、やり甲斐の一つかなと感じています。

参考になれば幸いです。
今回は以上です。

ご覧いただきまして、ありがとうございました。
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