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スーツケース

昨夜、自宅の最寄りのドン・キホーテへ行き(と言っても徒歩で約二十分の距離だが)スーツケースを購入した。約一万円。三泊~四泊分の荷物が入る中型のサイズだ。
旅行目的のため、ではなく、明日の文学フリマに出店するので、そのためのスーツケースだ。

私は前回、前々回と文学フリマに参加する際はAmazonで購入した折り畳み式のカートに、自分の本と荷物を入れたダンボールを括り付けてそれを曳いて参加した。
会場への道中、他の見知らぬ参加者と共に浜松町からモノレールに乗るのだが、他の人たちの荷物を見ると、九割以上がスーツケースで私のようなカートにダンボールを乗せて曳いて歩く人は稀であった。

スーツケースはそんなに便利なのか。
それなら俺も使ってみるか。
そう思って購入したのが文学フリマ38の開催日、二日前、即ち昨日の金曜日の夜だった。

それまでの私は旅行に行くときはリュックとバッグ派で、必ずそのどちらか、もしくは両方だった。旅先やその道中でスーツケースを持つ人も多かったが、私は昔からの慣れでずっとリュックかバッグに荷物を詰めていた。

だが文学フリマでもスーツケースを持参する人が多いので、そんなに便利なら俺も使ってみようと思い、購入した次第である。

帰宅後、早速文学フリマで搬入する自分の本を詰めてみようとスーツケースを開けてみたのだが、思ったより空きスペースが少ない。
洋服のような柔軟性のあるものなら四泊分は可能だろう。
だが私が今回入れる荷物は本であり、既刊の六十冊を持ち込む。私の本は一冊が約六十頁ほどでハードカバーではないので、本が曲がりやすいうえに、痛みやすい。

製本所から送られた本は紙の簡易的な帯で十冊で一纏めになっている、もしくはビニールとダンボールの板で二十冊が一纏めになっているので、スーツケースの中で崩れやすい。さらに内部でスーツケースの折り畳み式の持ち手に当たるので、やはり本が痛みやすい。
私は本の束を横にしたり縦にしたりと、まるでパズルゲームのように試行錯誤をした。
その間、約二十分。
結果的に私は「これは無理!本を傷付けないように収めるのは無理!」と結論付けて、これまでと同様にカートにダンボールを括り付けることにした。ダンボールはうちの近所のスーパーに置かれている、買い物客に無料で配布しているものだ。
今回はサントリーの天然水(2L×六本入り)である。

また、今回は普段使っているリュックサックの持ち手の部分に以前に百均で購入したマジックテープのバンドを通し、それをカートの持ち手に通した。
これでリュックサックを背負わなくて済むという算段である。
さらに先週ダイソーで購入したポスター入れに、本のポスターを収納し、それもまたカートの持ち手に養生テープで括り付けた。

はたから見たら非常に格好悪いかもしれないが、誰も気に止める者はいないと思われるので問題は無い。実用性重視で、それはそれで私らしい気もする。

何にせよ、文学フリマ38の前夜の今、私は明日がまるで旅行に行くかのような高揚感があるのだ。
そしてスーツケースはいつかまた旅行へ行くときに使う予定だが、現時点で旅行の予定は無い。
果たして今年か来年か。
いっそ帰省するときに使おうか。私は使うチャンスを窺っている。

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