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◎デジタル化と豊かな生活◎in Estonia◎

ここエストニアは、デジタル国家と呼ばれるほど、デジタル化が進んでいる国のひとつです。

私はアナログ派ですので、デジタルについて考えることがありませんでした。しかしエストニアに住んでいる今、否定するのではなく、デジタルと呼ばれるものがどのように社会の中に組み込まれ、それが私たちの豊かな生活にどのように関わっているのかということを考えてみようと思いました。

デジタル化を人類の「進歩」と捉えるのか、「退化」と捉えるのか。

結果的に言うと、どちらでもなく、私たちの豊かな生活へ繋がるひとつの手段と捉えることにしました。

個人情報のデジタル化

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エストニア住民は、一人ひとりがデジタルIDを持っています。デジタルIDを通して、個人情報を安全に共有することができます。
病院へ行くと、医者がデジタルIDを通して、今までの病気や処方箋情報を知ることができるので、違う病院や薬局へ行くたびに、個人情報を毎回書く必要がありません。
本人確認は全てデジタルIDの提示で行われます。日本のように役所で住民票や戸籍抄本を出してもらう必要がなく、デジタルIDを通した本人確認が法的に有効になります。

逆に言うと、デジタルIDを持っていないと、法的な契約はもちろん、会員登録などもできないことが多いです。

お金のデジタル化

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レストランやスーパーマーケット、コンビニでの支払いは全てカードで行うことができます。交通機関の支払いも全てカードで行われています。
働き先からの給料の受け取りは全て銀行口座への振込のみと、一括されています。
お金の動きは全て銀行の口座で一括管理され、パソコンから収支の確認を簡単にすることができます。

署名のデジタル化

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デジタルIDを使って、署名をすることができます。
住民一人ひとりが持っているIDカードを、カードリーダーを使ってパソコンと簡単につなぐことができます。そこで契約書などの署名を行うのが主流。
デジタル署名をされた書類は法的に有効なものとなります。
それができるということは、市役所で行なっている手続き全てを、パソコンを使ってどこからでもできると言うことです。

教育のデジタル化

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高校生からは、一人一台パソコンを持ち、パソコンを使用した授業や課題取り組みをしてます。
教師と生徒間でのやり取りや、スケジュール管理はアプリを導入されています。そこでは、課題の提示や提出、成績管理もされています。生徒は携帯を使っていつでも確認することができます。
コロナの影響でオンライン授業の導入がありましたが、普段からのデジタル機材を取り入れられていたこともあり、難なく移行することができていました。

私は現在エストニアの公立高校で、日本語の授業をしています。
オンライン授業になった時も、Google meetを使い、生徒たちとmessengerでやり取りするなど、難なくスムーズに進められました。


ここまでのことは、あくまで私なりにエストニアで住んで把握したことなので、誤りがあったりツッコミどころ満載かもしれませんが、そこは温かくみてやってください。

デジタル化と豊かな生活

と言うことで、エストニアのデジタル化に関して全てを理解したわけではなく、生活の中で取り入れられているほんの一部を知った上での見解です。

デジタル化が人類の進化だとしても、そうでなかったとしても、そのおかげで手間だと思われていた事務的な作業や、必要であっても無駄な労力担っていたことが、簡単に時間をかけずにできるようになっていると言うことです。

そのデジタル化を素晴らしいと思うのではなく(もちろん素晴らしいのですが)、そのおかげで自分の自由な時間が増えるというところが重要だと考えました。

豊かな生活とは、自分の好きなことに時間をかけることだと思います。
決して、自分の好きなことをすることがお金に繋がることではありませんし、しなくても生きていけることは確かです。
無駄だと言われて結構。
無駄なことに時間を費やすことができるということが豊かな生活なのではないでしょうか。

その無駄なことをすることが楽しいことであり、楽しむために地球に生まれてきたのではないのかなと私は思います。

デジタル化によって、手間が省かれ、そこで生まれる時間の使い方が大切になっていくのかなと思います。

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