見出し画像

令和6年度成人式雑感

====================
本日のお題:令和6年度成人式雑感
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

きくや着物チョイ話は着物好き方々のために参考になることを紹介させて頂く豆知識メルマガです。着物教則本などに載っているものではなく現在呉服業界で営業している呉服店発の生の情報を配信しております。

上記本店サイトに会員登録していただくと、毎週水曜日にご登録のメールアドレスに同じ内容のメルマガが配信されますのでぜひご登録ください(noteの更新はメルマガ配信より1-2日程度遅れます)。

ツイッターでも毎日着物豆知識をつぶやいています。
TwitterID:@gofukunokikuya

きくや着物チョイ話はメール全文そのままご使用時に限り、転載・無断使用可能です。

====================
いつもメルマガのご購読ありがとうございます。本来なら新年第1回目のメルマガなのであけましておめでとうございます、というべきなんですが、能登半島の地震や羽田空港の事故でおめでたい気分なんて吹き飛んでしまいました。

学生の頃には家事だ地震だとニュースを見ても完全に他人事でしたが、この歳になってくるとこの寒い時期に暖房設備も満足じゃない避難所で体調崩さないやろか、食べ物は足りてるんやろか、と心配になってしまいます。心配になっても私にはほんの少しの募金しかすることはないんですけど…。

今は人命救助や住むところの復興最優先であるのはいうまでもありませんが、少し落ち着いたら能登半島に旅行に行ってお金をいっぱい落としてきたいと思ってます。GWには普通に観光に行けるくらいにはなって欲しいと願ってます。

====================
■リサイクル着物続々入荷中です!是非ご覧下さい。本店サイトは楽天などのショッピングモール価格よりも5-10%程度お安く提供いたしております。

====================
■令和6年度成人式雑感

新年最初のお題は「令和6年度成人式雑感」です。当店は今はリサイクル品を中心に扱っておりますが、実は新品も細々と扱っておりまして、振袖の新品フルオーダーも多数在庫に取り揃えております。と言っても他の振袖専門店さんほどパンフレット配布したりDM送ったりなどは一切していないので年間10セット程度売れるか売れないかというぐらいなんですけどね。

今年もありがたいことに10名の方の着付けをさせていただき、なんとか成人式が始まるまでに送り出すことができてホッとしながらこのメルマガを書いています。スタッフの大西さん(仮名)が一人で頑張ってくれて本当にありがたいです。私も手伝いたいんですけど、着付けを手伝うわけにも行きませんので1階の店の中をウロウロしているだけ(着付け会場は2階の広間)というなんとも邪魔なおっちゃんでした。

昔は成人の日は1月15日だったってご存知でしょうか。1999年までは成人の日は1月15日だったのですが、ハッピーマンデー法の制定により第二月曜日に変わりました。仕事や勉強などで故郷を離れている方にとっては今年のように1月8日ですと何度も地元に帰る必要がなくなり楽ですよね。今は2024年ですから昔は1月15日が成人の日だったなんて全く知らない方が成人式を迎えると考えるとなんとなく感慨深いものがあります。

一方、呉服屋からするとこの第二月曜の成人式はなかなか厄介でして…。

1月3日か4日まで年始休暇を取っている店が多いと思いますが、年始の営業を始めたらすぐに成人式というのは意外と厄介なんですよ。今年は特にカレンダーの並びが最悪。お正月が明けたらいきなりまた土日でそのまま成人の日に突入していくのはかなり厳しいものがあります。呉服店側も成人式を見込んである程度いろんな在庫は揃えておりますが、当日雨の予報などで雨コートや草履カバーなどが在庫切れになるなど予想外の需要で在庫切れになるときもあります。

室町の問屋街も12月28日が仕事納め、1月3日まで年始休暇となっています。そして4日や5日は挨拶回りや月初めの売り出し(呉服問屋は毎月始め1日-3日頃までセールを行います)などで担当者と連絡が取れにくかったりで今年のような8日が成人式だと在庫が切れたとしても問屋から取り寄せることすらできません。

X(旧ツイッター)でも何度かポストさせていただきましたが、来年成人式を迎える方はできれば11月中に呉服店や着付けをお願いする美容室に着物一式を持って行って必要なものが全て揃っているか確認してもらってください。11月中でしたらどんな状態からでも対応して成人式に間に合わせる事ができますが、12月も中旬以降になるとできる事、できない事が色々出てきます。

一番多いのは「振袖はあるけれど長襦袢がない」や袖丈49cmの長襦袢を持ってきたり、です。振袖の袖丈は訪問着や留袖と違って標準の長さがないので呉服店に行けばぴったりの袖丈、裄の既製品の長襦袢があるわけではありません。もちろんリサイクル品でも同じです。もしぴったり寸法を揃えて着たいのであれば裄直しや袖丈直しをしなければなりませんが12月下旬になるともうそういった選択も取れなくなってしまいます。

経験値を積んだ呉服店や美容室でしたら12月中に前もって点検するために店に振袖一式持ってきてください、と依頼してしっかり確認するのですが、友人や隙間バイトアプリなどで依頼すると経験値が浅く、前もって点検、確認することをせずに当日に臨み、大トラブルになることも多々あります。事実、今年も成人の日は朝6時半から店を開けたのですが、あれがない、これがないと店に駆け込んで来られた数人の方はみなさん「知り合いに着付けを頼んだ」という方ばかりでした。

この時代、着物を着るなんてことは滅多にありませんので紙一枚渡して「これを用意しておいてください」なんていってもそこに書かれている単語自体聞き覚えがなくて何を揃えたらいいのかわからない方がほとんどでしょう。そのリスクを計算できず、前もって点検もしないのであればその着付師さんは経験値が低い、と判断せざるを得ません。逆に言えば必要なものが揃っていれば後はだいたいどうとでもなりますので事前の確認は一番大事ですし、それをしない着付師さんは必要なスキルに達していないと判断して避けたほうがいいと思います。

今となっては思い出したくもないですが、関東の某呉服店が成人式直前に夜逃げしたという事件もありましたね。あれも確か1月8日だったんですよ。あれがもし従来の1月15日だったら「年始休暇は終わってるはずなのにいつまでも営業しないぞ?」と危険を察知して動くこともできたはずなのに運悪くその年の成人式は1月8日だったため被害がより大きくなってしまいました。

今年も色々あった成人式ですが、呉服店が着物を販売やレンタルして着付けをして送り出す瞬間は呉服屋冥利につきるというかなんというか。お父さん、お母さんと一緒に着付けに来られて成人式会場に出かける、なんてのは平和でみんな健康であって初めて成立することですね。

あと、今年は顕著だったように思うのですが、振袖姿にブーツを合わせる方が増えてきたこと。先ほど書いたように当店は10人ほどだったのですが、その中の2人がブーツを履いておられました。当店が振袖販売に力を入れていた時は最大40人ほど着付けをしたこともあったのですがその当時はブーツを合わせるなんて全くおられませんでしたが(卒業式の袴は別)このスタイルも少しずつ市民権を得てきたように思います。

振袖はフォーマルと言いつつ、場の雰囲気がどうのこうのというよりも可愛けりゃ全てOKな着物といってもいいと思いますので、時代によってコーディネートが変化しやすい着物であることは確かです。自由な発想で着物を楽しんでくださる若いパワーはすごいなぁ、とおっちゃんは思うのです。その一方で呉服業界にどっぷり使った中年にとってはコーディネートの提案はどんどん難しくなってくるのではないか、と思っています。呉服屋も進化していかなくちゃダメですね。

最後になりますが1月1日の今年の石川県の大地震で楽しみにしていた振袖を着られなかった方も多かったのでは、と思うと本当に心が痛みます。被災された方の1日も早い復興をお祈りいたしております。

====================

発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022

上記URLにて会員登録していただくと毎週水曜日にこのブログと同じ内容のメルマガがご登録のメールアドレスに送信されます。

====================

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?