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進化途上の生物は生き延びることができない

 ドイツ連邦物理学・科学技術研究所(ドイツ最先端の研究機関)において、所長を務めた経歴を持つウェルナー・ギット博士は、情報科学的な側面から、進化論が科学的に不可能な説であること、生命の背後に知性を持つ情報発信者(創造主)がいることについて、その証拠と論理を説明しています。以下は博士の見解の要約です:
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*進化論では説明不能―赤血球の驚くべき仕組み
 全ての生命の造りやデザインは、細胞内に収められたDNA情報によって決定されていますが、その全ての情報が人間の知恵・知識を遥かに越えるほど高度なものであることは、今日の科学者の間では知られた事実となっています。ここでは、そのDNA情報によって造られる赤血球の驚くべき仕組みについて考えてみます。

 私たちの血液の中に存在する赤血球は、特化した専門的な機能を持っており、生命の維持に不可欠な重要な役割を果たしています。赤血球の中には、ヘモグロビンというタンパク質が含まれていますが、これには実に優れた仕組みが備わっているのです。

 人間の子供は、次の三つの段階「胚の段階」「妊娠約9週以降の胎児の段階」「誕生後の段階」において、それぞれ化学的に異なる構造のヘモグロビンを必要とします。そのため、適切なタイミングに、適切な種類と量のヘモグロビンが生成されるような仕組みを、人体は初めから備えているのです。
 このような3タイプの異なるヘモグロビンが、進化の過程で試行錯誤を繰り返しながら自然発生するということはあり得ません。なぜなら、これらの仕組みが完全な形で初めから備わっていなければ、胎児は生き残ることができず、命を落としてしまうからです。

*還元不可能な複雑さは、創造主を明らかにする
 このように、完成された状態で無ければシステム全体が機能しないような複雑さのことを、専門的には「還元不可能な複雑性(Irreducible Complexity)」と言いますが、これは動物の免疫機能にも当てはまるし、バクテリアが動き回るのに必要な鞭毛にも当てはまります。いずれの場合においても、機能が未完成の「途中の段階」にある生物は生き延びることができないのです。

 以上の点から「これらの構造は最初から完成した形で存在した」と考えるのが、事実と調和した説明であり、「最初から完成した形で存在する」ということは、「知性ある創造主がそれを最初から完全に機能するよう設計し、創造した。」ということを明らかにしています。
*情報の自然法則は進化論を否定する

科学の基本原理
科学の最強の論拠とは、科学法則に従ってある過程や出来事が起こり得ないことを証明できることにあります。つまり、科学の法則は例外を許しません。
 例えば、今日の科学で明らかになっている自然法則の一つに「エネルギー保存の法則」というものがありますが、この法則の普遍性によって、エネルギーを供給しなくても運動を続ける永久運動機関なるものは存在し得ない、と断言することができます。
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●自然法則の有効性について
 また、ウェルナー博士は自然法則の有効性について、次の基礎的な点を明らかにしています。
(1) 自然法則は、観測及び実験に基づき与えられた正確な表現である。
(2) 自然法則は普遍的な有効性を持つ。
(3) 自然法則は時間経過とともに変化しない。
(4) 自然法則はシンプルである。
(5) 自然法則に例外は存在しない。

 この中で、(2)と(5)については、本テーマとの関連で特に重要な意味を持っています。自然法則は、無限に多くのケースで有効であるという意味において、普遍的に有効です。この普遍的有効性の程度は、ただ単に地球上のことに限定されるものではなく、全ての天文学的経験に基づき、宇宙全体にも当てはまります。それゆえ、月への飛行において、着陸が無事に成功した時に、自然法則が普遍的に有効であるという想定が正しいことが明らかになったのです。そして、自然法則のこの普遍性は、例外の存在を一切許すことはありません。だからこそ私たちは、この自然法則に照らし合わせた時に、物事が起こり得る可能性について、実験無しに正確な予測を立てることが可能となるのです。

●情報に関する自然の法則
 全ての生命に驚くべき情報が含まれていることについては既に述べましたが、ではその「情報」とは一体何なのでしょうか?ウェルナー博士は、情報に関する四つの自然法則について、次の点を明らかにしています:
(1) 情報は非物質なものであり、物質ではない
(2) 物理的・化学的なプロセスは、非物質的なものを生み出すことはできない。
(3) 統計学的なプロセスは、非物質的なものを生み出すことはできない。
(4) 情報は、知的な発信者のみが生み出せるものである。

 進化論の前提とは、物質が統計学的なプロセス(自然選択や突然変異など)によって、非物質なものである「情報」を生み出すと考えるものですが、上に挙げた通り、その考え方は情報に関する自然法則に反しているため、決して起こり得ないと断言することができます。そして、全ての情報は「知的な発信者」を必要とします。ここで言う知的な発信者の定義は、(1)意識を持っていて、(2)自分自身の意志を有しており、(3)創造的であり、(4)自律的に思考する発信者を意味します。したがって、情報に関する自然法則に従って考えれば、全ての生命の背後には、知的な発信者―創造主が存在する、と結論できるのです。


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