有害な香料化学物質が引き起こす健康への悪影響は12種類以上

　副流煙の危険性はよく知られています。 しかし、「副流香」の危険性についてはどうでしょうか？The Science of The Total Environmentに掲載された最近の研究によると、芳香剤は心血管疾患、全身性炎症、自律神経機能障害などの深刻な健康への悪影響を引き起こす可能性があると報告されています。 別の研究によれば、芳香剤やその他の香り製品に触れた後、アメリカ人の34％が悪影響を受けているという驚くべき結果も出ています。影響を受けた人の半数が、身体障害に分類されるほど深刻な健康問題を経験しています。
 
●フレグランス製品による被害は「伝染病」レベル
　Air Quality, Atmosphere, and Healthに掲載された人口調査の中で、研究者のAnne Steinemann教授は、一般的なフレグランス製品がアメリカ成人1,136人の健康に与える影響を調査しました。環境汚染物質の健康影響に関する国際的権威であるSteinemann博士は、これらの問題の悪影響は「伝染病」であると結論づけています。

　フレグランスは、洗濯用洗剤、柔軟剤、掃除用品、芳香剤、シャンプー、ヘアスプレー、石鹸、香水、アロマキャンドルなど、さまざまな市販品に含まれています。 また、ホテル、空港、店舗などの公共空間でもフレグランス製品は使用されています。
 
　実際、Steinemann博士の報告によれば、アメリカ人の99％は、自分自身の使用、あるいは他人の使用による不随意的な曝露にかかわらず、定期的に香料製品にさらされているとのことです。調査の結果、香水、コロン、ローションなどの香水製品をつけている人の近くにいることで、アメリカ人全体のほぼ4分の1が悪影響を経験していることが明らかになりました。 また、19％の人が、香りのついた製品で掃除された部屋にいることに問題を感じており、14％の人が洗濯物の香りによる健康被害を経験しています。

●香料が及ぼす悪影響
　香料に含まれる合成化学物質への曝露は、偏頭痛、めまい、発疹、筋肉のけいれん、粘膜症状、吐き気や下痢などの胃腸障害など、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。 また、リンパ腺の腫れ、疲労、発熱などの免疫系の問題や、アナフィラキシー、意識喪失、発作、頻脈や不整脈など、より深刻な症状が起こることもあります。Steinemann医師によると、最も多かった副作用は呼吸器系の問題18.6%、うっ血16.2%、片頭痛15.7%でした。
 
重要：喘息発作を誘発するという点で、医学研究所は香料を副流煙と同じカテゴリーに分類しています。

「障害を持つアメリカ人法」で定義されているように、影響を受ける人の少なくとも半数にとって、影響は潜在的に障害を引き起こすほど深刻です。言い換えれば、悪影響により、見る、聞く、食べる、歩く、学習する、読む、コミュニケーションする、仕事などの主要な生活活動が実質的に制限される可能性があります。調査によると、15％の人が、香料の影響によって勤務日数、あるいは仕事さえも失ったと報告しています。

　さらに、22％が香りを嗅ぐと気分が悪くなる可能性があるため、特定の場所を避けなければならないと回答しています。また、20％の人は香りを感じた時点でその場を離れています。

●「フレグランス」という言葉が持つ毒性
　信じられないことに、メーカーは製品ラベルに「フレグランス」や「香水」というたった一つの言葉を使うだけで、最大100種類もの有害な化学物質や合成化合物を使用することができるのです。37のフレグランス製品を分析したところ、156種類のVOC（揮発性有機化合物）が含まれていることが判明しました。しかし、製品のラベルやウェブサイトで開示されていたのは3％未満だったのです。

　フレグランスの化学物質には、ヒト発がん性物質、内分泌かく乱物質、神経毒、呼吸器刺激物質、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロロメタン、エタノールなどの毒素が含まれています。中枢神経系を損傷することが示されている有害廃棄物であるトルエンは、フレグランスサンプルからしばしば検出されます。

　Steinemann,博士によれば、これらの毒素に低レベルで曝されるだけでも、喘息発作、アナフィラキシー、発作、意識喪失などの深刻な（望ましくない）影響を引き起こす可能性があると言います。 さらに、合成香料は成人および小児がん、神経学的障害、免疫力の低下、自己免疫疾患との関連も指摘されています。
 
● 欺瞞的なラベルには毒素が隠されている
　警告：「グリーン」、「ナチュラル」、「オーガニック」というラベルは、安全性を保証するものではありません。このようにラベル付けされた製品であっても、有害な環境汚染物質が含まれている可能性があります。
欺瞞的表示のもう一つの例として、「無香料」製品にはしばしば香水が含まれており、これは合成化学物質の明白な香りを隠す「マスキング香料」です。
 
　幸いなことに、有毒な掃除用具やパーソナルケア用品の安全な代替品は存在します。 専門家は、重曹、過酸化水素水、白酢、レモン汁、無香料のカスチール石鹸など、毒性のない定番品を使うようアドバイスしています。また、ローズマリー、アボカド、オリーブオイルなどは自然の美容製品を作るために使用できます。