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喫煙が若い人の灰白質にもたらす驚くべき影響

 喫煙は世界で最も一般的な依存性行動であり、健康面でも金銭面でも最もコストのかかる行為のひとつです。 脳の健康と発達への影響は何十年も前から想定されてきましたが、喫煙が脳の発達に及ぼす影響に関する包括的な研究は最近まで行われてきませんでした。
 ある大規模な研究では、参加者の灰白質の体積を喫煙前後で調べました。 その結果は憂慮すべきものでした。
 
●ニコチン使用が若い人の精神面に与える影響の分析:縦断的研究
 縦断的調査に基づくプログラムでは、14歳の青年2,000人以上に協力してもらいました。 結果は、10代の若者たちは全体的に顕著な類似性を示しました(参加者の社会経済的背景、人種、性別には若干の格差があります)。
 研究開始時に、参加者は過去2年間のニコチン摂取頻度について、覚えている範囲で質問されました。 同時に研究者は灰白質の体積を評価しています。
 記録を維持するため、学生たちにはニコチン摂取量を記録してもらい、その程度を概算することになりました。 摂取量は19歳のときに再調査され、参加者は再び同じ質問を促され、灰白質の再評価を受けました。この研究は、23歳で終了となっています。

●興味深い新事実が明らかに:喫煙が脳の構造に与える影響
 この研究から得られた知見によって、多くの新事実が明らかになりました。 まず、予想通り、喫煙を常習している学生は、左右両方の前頭前野の灰白質が大幅に減少していたのです。 この脳構造の変化は、規則違反や依存傾向を特徴とする行動と密接に関連しています。
 左内側前頭前野の灰白質の体積の減少は、ルール違反を含む軽度から重度の反社会的行動と直接関連しています。 右側前頭前皮質における同様の変化は、喫煙を引き起こすような行動と関連しています。

 基本的には、喫煙し始める時期が早ければ早いほど、喫煙に依存する傾向が強くなることが判明しました。
 さらに、研究開始時に左内側前頭前皮質灰白質の体積がすでに減少していた参加者は、喫煙する可能性が有意に高かったのです。 しかも興味深いことに、研究開始時点で、灰白質の体積が小さい参加者が喫煙を続けると、研究に参加した灰白質の体積が大きい人と同程度の体積になりました。

●喫煙はあなたの人生を狂わせる
 理想的な食生活や運動、最適な睡眠、ストレスのない生活など、細心の注意を払っていたとしても、喫煙はせっかくの前向きな人生を台無しにします。
 お子さんがすでに喫煙していたり、あるいは将来喫煙する可能性が見受けられる場合は、喫煙の厳しい現実を明らかにするオープンな会話が不可欠です。 単なる威嚇や脅しでは不十分であり、喫煙がもたらす危険で有害な事象を丁寧に説明することが最も重要です。
 

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