(掌編小説)くろねこ春子の日常#003小春の夢はひこうき雲
満月の夜に黒猫に変身する女の物語
「お父さん!あたしのチョコレート食べたでしょ!」
「お父さんは小春のチョコレートなんか食べてないよ!春子だろ?」
「にゃー」
「猫がチョコレート食べるわけないじゃん!ていうか、お父さん生きてた時、春子いたっけ?」
私は目を覚ました。桜も緑の葉っぱがモサモサ茂る季節。だけど今朝は少し肌寒い。なんでお父さんの夢を見たんだろう?春子の夢はよく見るけど、死んだお父さんの夢は見た記憶が無い。お父さん、春子にヤキモチやいてるのかな?お母さんにLINE