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早苗草紙。玖

流行っている言葉を使うことって楽で簡単だけど、それって自分の気持ちを十把一絡げにしてしまうことになる。
心が感じている本当の気持ちって、もっと複雑で繊細で途切れたりしないものだよね。だから同じ言葉に自分を押し込めても、あのひとと私の心は同じではないんだ。
それとも、自分の本当の気持ちをわかっているからこそ、つらくてわざと向き合わないように、流行の言葉を使って軽く、自分の価値を軽くしているのかな。
                   
そんな言葉を使うひとの、言葉の向こうから、「私だって」「でも俺は」「こんなはずじゃ」「しょうがないよ」「本当に言いたいのはそれじゃないの」という声が聞こえる。
                    
それが聞こえると、私の胸はキリキリする。

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