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早苗草紙。

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語録のような、詩のような、エッセイのような。 季節のイラストや写真とともにどうぞ。
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記事一覧

薇(ぜんまい)の、綿毛に覆われた渦巻き状の新芽がなんとも美しい。
命のカタチ。
私たちは、優しい声に導かれてゆっくりと開いていく。

早苗草紙。壱拾

早苗草紙。壱拾

私はひどく怖がりだ。いつもタラレバばかり考えて身がすくむ。それは子供の頃から変わっていない。
少しでも進歩したことがあるなら、怖いことからは逃げても結構ダイジョウブ、なんとかなる。が、怖くなくなるようにしたいなら立ち向かうしかない、と知ったことだろうか。
とはいえ今の私の実際は、逃げる勇気もなく、泣きながらその事柄に当たるだけなんで、偉そうなことは言えない。

早苗草紙。玖

早苗草紙。玖

流行っている言葉を使うことって楽で簡単だけど、それって自分の気持ちを十把一絡げにしてしまうことになる。
心が感じている本当の気持ちって、もっと複雑で繊細で途切れたりしないものだよね。だから同じ言葉に自分を押し込めても、あのひとと私の心は同じではないんだ。
それとも、自分の本当の気持ちを

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早苗草紙。捌

早苗草紙。捌

無明(むみょう)

そして
わからないことだらけなのに気づく
大人になって知ったこと
知ったと思いこんでいたことが
今になって
なんだか違うような気がして
人に 事に出逢うたび
もう一度 もう幾度
考え考える
                     
私は あのひとは
大人なのか子供なのか
優しいのか意地悪なのか
正直なのか偽善者なのか
強いのか弱いのか
したたかなのか
ヘタレなのか
これは愛

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早苗草紙。漆

早苗草紙。漆

「~したい」と言ってるうちは実現しない。

「あなたの夢は何ですか?」
「いつか〇○したい、なんて思っています。」
「いいですね。思い続けていれば叶いますよ」
「はい、落ち着いてできるようになったらきっと…」

夢は誰でも見ることが出来る。どんどん見ればいい。
でもさ、「いつか」っていつだよ?言ってるだけじゃ永遠に来ないよ。

「私はこれをする」と決めて動き出した時から夢は達成点になる。
困難なこ

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早苗草紙。陸

早苗草紙。陸

年を重ねるにつれてわからないことが増えていく

大人になったと思った。
昔よりより多くのことがわかるようになったと思った。
社会の仕組みや人付き合いや家々の事情など。
でも、中年になり、またわからなくなった。
わかったと思い込んできたことが、どうも違うようなのだ。
人のことでも、自分のことでも、思いがけないことがどんどん出てくる。
これでいい、と何とはなしに決めていたことがハズれていく。
 私って

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早苗草紙。伍

早苗草紙。伍

あなたと無駄に。

           石川早苗

あなたと話したい
いろんなこと
あのとき、どう思ってた?
すごい面白かったよね。
しばらくぶりだったけど、何してた?
じつはさ、私さ。

何気ない、くだらない話、したい
吹き出したり、
おーっ、とか
ええーっ、とか言って、
頭ん中でぐるぐるしてる考えも
ときどき聞いたり聞いてもらったりして
ちょっと泣きそうなことは
言っても言わなくてもいい

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早苗草紙。肆

早苗草紙。肆

意味のない言葉、無駄な話、有意義なんかじゃない時間が好き

有意義な時間は疲れる。というか、「有意義に過ごそう」なんつって身体に力が入るから疲れるんだろう。なんにも考えず、思ったり感じたりしたことをそのまま聞いたり話したりして、後から思い出してみると「よかったなあ、実りあったじゃん、あの時の話」なんてのがいいな。
くだらない話でひーひー言いながら笑って、あとに残らないのもね。

そういうのができる

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早苗草紙。参

早苗草紙。参

人に言ってまわるような感謝などしない

感謝感謝とやたら繰り返す人って、私は常に感謝を忘れない人間です、ってPRしてるように聞こえる。
人にわざわざ言わなくても、心に生まれた感謝の思いを大切にし、相手にそれを伝えることができれば、他へ言う必要はない。

苺の花。
花のあとに、かたくて青い実が生る。だんだん色づいていく。が、ホントに紅くなると、鳥に食べられたりなめくじにやられたり。
食べごろは野生の

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早苗草紙。弐

早苗草紙。弐

無理はするけど無茶はしない。

「無理しないでね」。
本当に心配しているときとか、またはお互いをよく知った間柄でエールを送りたいとき、使うよな。
でも、相手を下に見て優しさを示すために使う場合もあると思う。それは遠慮したい。
ここは自分のためにいっちょやんなきゃ、と覚悟してやってるから、自分のペースも分からず無茶をすることはないんだよ。
だからそういうときは勝手に無理させてほしい。

すかんぽ。岡

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早苗草紙。壱

早苗草紙。壱

人生は、ユルく愉しくしぶとくしつこく。

ヒヤシンスの水栽培。伸びる根っこの生命力には圧倒される。
上から見るとなんだかすごいので、紫の蕾が出かけたところを描いてみた。