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エデン・アザールのドリブル徹底分析

以前に公開しようとして、してなかったシリーズです。

レアル・マドリードで現役を引退したエデン・アザール。
魅惑的なドリブルテクニックとシュートテクニックを持ち合わせているアザール。


彼の持っているテクニックは世界を魅了出来るテクニックそのものと言えます。今回はエデン・アザールのドリブルを徹底的に深掘りしてみたいと思います!


アザールのドリブルというと鋭い切り返しや緩急のついたドリブル、一気にトップスピードまで達するドリブルなどの印象があると思います。





エデン・アザール ドリブル徹底分析

ここからアザールのドリブルを徹底的に分析していきます!!




トッププレイヤーになるとベースの足の速さ(スピード)は高いものを持っています。
それはディフェンスも同じです。
ボールを持ってドリブルする方が素走りの状態よりもトップスピードは落ちます。

その中であれだけディフェンダーを剥がせるアザールのドリブルのスピードコントロールや緩急で剥がしていくのにはどんな身体の使い方があるのでしょうか。



縦突破

まずはこの動画から見ていきましょう!


この動画は縦に突破したドリブルです!

センターサークルとペナルティエリアの間でドリブルを開始して、一気にスピードを上げます。
そのままペナルティエリア内まで侵入し、最後のディフェンダー2人をダブルタッチで交わしてフィニッシュまで持っていきます。

まず一つ目の注目すべきポイントは1人目をあっさり交わした加速のシーンです。
対峙しているディフェンダーと最終ラインのディフェンダーとの間にスペースが空いているのでドリブルのスピードを上げて剥がせると判断出来てたら即加速してトップスピードまでギアを上げます。

スペースがある分加速しやすい条件は整っています。

ではどういう身体の使い方をしているのでしょうか。

加速する瞬間に上半身とスネを前に傾けて加速しやすい状態を整えています。

身体の重いところ(重心)が前に移動すれば必然的に身体は前に移動します。
スムーズに重心を傾けるためにこのシーンではボールタッチを大きくして重心を大きく移動させています。

足元からボールが離れるため必然的にスピードを上げないといけません。
そのために重心を傾けることでスムーズな加速につながります。


2つ目のポイントは最後のダブルタッチでディフェンダー2人を置き去りにしたシーンです。

1人目を左足のインサイド、2人目を右足のインサイドで連続で交わしシュートまで持っていきます。
連続で見ると長いダブルタッチと言えます。

その中で特に注目してほしいところが1人目を交わした後に右足を出して、インサイドでタッチしてディフェンダーを交わしますが、その時の身体の使い方です。

画像を見てもらえるとわかりますが、右足でタッチする瞬間に上半身が捻れています。

この上半身の捻れには2つ意味があります。
*右足のタッチをスムーズに行うため(右足が出しやすくなる)
*右から左へ切り返す時のスピードを上半身で打ち消すため

*右足のタッチをスムーズに行うため(右足が出しやすくなる)*
歩くときに右足が前に振り出す時に左手はも一緒に前に出ると思います。
下半身のと上半身の動きで身体のバランスを取るとともに左手が動いて体幹が連動することで右足がスムーズに出やすくなります。

*右から左へ切り返す時のスピードを上半身で打ち消すため*
このシーンでは縦にトップスピードでドリブルしていきているのでかなりのスピードが出ています。
そのスピードの中でこのシーンのような細かいタッチをするのはなかなか高度なテクニックと言えます。

このシーンでいうと右方向から左方向へ切り返していくのですが、右向きのスピードを左向きへ変換させないといけません。
その変換をスムーズに行うために上半身が捻れることでスピードを極力落とさず、左向きへと変化しています。

ただ単に速いダブルタッチをしているのではなく、スピードを落とさないために必要な身体の使い方をしていました!
こうした上半身の捻れはよく使われている身体の使い方と言えます。



切り返し

次の動画は見たことがある人も多いと思います!
vsリヴァプール戦で魅せてくれたこのドリブルからのゴールです。

右サイドから中に一度入り、右足で切り返して、縦に突破してそのままシュートを打ち、ゴール。

このシーンではディフェンダーを一度中に誘って、その状況から切り返して一気に縦に突破するというディフェンダーの動きを操作して優位にドリブルを進めたシーンと言えます。


サイドで中に入ってきた時にスピードアップし、そのままのスピードを保ったまま縦に突破します。

ここでのポイントは縦に突破する時の切り返しです。

左足の軸足を着いて切り返し▶︎右足でボールタッチ▶︎右足で加速

スピードがある程度出ている状態で直角に近い角度を切り返すのは難易度の高いスキルと言えます。
それを可能にしているのが軸足の着く位置です。

軸足の着く位置がボールに対して遠く、着いている脚の角度はやや鋭角です。
着く角度が深くなると身体に返ってくる力の向きも深くなります。

そのため切り返す角度が深くても、スムーズな切り返しが出来る上にスピードの減速を最小限に抑えることが出来ると言えます。



緩急を使った突破

次はこのシーンです。
スピードをコントロールしながら縦に突破したゴールシーンです!

ターンしてから1人目に向かっていき加速して突破、その後の2人目はディフェンダーの前に入り、コースを塞ぎながら加速して最終ラインも突破。
そのままシュートを打ちゴール。

このシーンでは加速と減速を使い分けながらボールコントロールし、縦に突破していくドリブルです。

1人目で加速▶︎2人目は減速▶︎3・4人目で再加速

加速と減速を使い分けることでボールを失わない、かつスピードの減少を最小限に抑えることが出来ると言えます。

1人目
2人目
3人目


1人目の加速して抜いたシーンを見てみましょう!

このシーンでは1人目のディフェンダーを2タッチで抜いています。
最初の1タッチ目で急加速します。

加速するための身体の条件として、重心が移動しやすいかどうかが重要になってきます。

身長などによって重心位置は変わってきますが、大体の人はみぞおちの少し下くらいにあります。
なので、体幹を前に傾ければ勝手に前に進んでくれます。
かといってとりあえず前に傾ければ良いかというとそういう訳ではありません。

ドリブルしているので足元にはボールがあります。
身体の動きに意識を持ちすぎてボールを失わないようにしなければいけません。



2人目の抜いたシーンはどうでしょうか。

2人目はディフェンダーがドリブルのコースに入ってきたので、減速・方向を変えながら交わしたシーンです。

ボールタッチしてボールの向きを変えながら、ディフェンダーの前に入り込みディフェンダーを無にします。

ポイントは最初の1タッチ目で減速しながら方向を変えることです。
減速するためには
一歩目のスネを斜めに着くことが必要になります。
ボールを扱うために、体幹はまっすぐにしておく必要があります。

このシーンでも一歩目で足を斜めに着きながらボールタッチをすることでスムーズな減速をおこなっています。

また、減速しながらも向かう方向を変えているのでボールを失わずにドリブルを続けることが出来ています。


最後、3人目のシーンです。

3人目のシーンでは、2人目を交わした後に再加速。そのままスピードを上げたままドリブルし、シュートを打ちます。

2人目を越えた時点で中央が空いているのでスピードを上げたままゴールに向かっていきます。
このシーンではゴールを目指すのみなので加速を強めています。

2人目を交わした後の身体の使い方が非常に上手いので見てみましょう。

交わしてすぐに崩れたバランスを取り戻すために上半身を起こします。
その後、加速するために上半身を前に少し傾けているのが2枚目でわかると思います。
スムーズに加速するためには上でも説明したように、重心を前に移動させる必要があります。

このシーンでもスムーズな重心の移動のために上半身とスネを前に傾けています。
さらに、腕の振りも前に速く振っています。
そうすることで前方への推進力をより得ることが出来ます。



このようにアザールは狭い中でもスピードの加速/減速を使い分けてディフェンダーを交わしています。





まとめ

今回はエデン・アザールのドリブルをみてきました!
アザールのドリブルの特徴である「縦に速い突破」
その縦への推進力がありながらも時折見せる中へのカットインなどでディフェンダーは簡単に抜かれてしまいます。


加速と減速を使いこなす上でスネと上半身の使い方が重要だと書いてきました。
加速する時には前に傾き、逆に減速したい時は後ろに傾けることが必要になります。

ドリブルで相手を交わしていくためには加速と減速という基本的な動きを適切にトレーニングしていく必要があります。

サッカーは当たり前ですが、相手がいる状況でのスポーツなので、相手の動きに合わせてドリブルを選択する局面も出てきます。
相手がいる中でどういう選択をするかは、行ってきたトレーニングや経験が出ます。

トッププレイヤーに見られる身体の使い方や動きには、効率的に動く術や良い動きをするための理由があります。
それらをトレーニングすることでトッププレイヤーに近づく一歩となるのでぜひトレーニングしてみてください!!


Adjustmovement



ここまで読んでいただきありがとうございます!!
次回の記事も楽しみに待って頂けると嬉しいです!

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