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遊びながら働けるリモートワークプレイス提案アプリ「プレプレ」を開発:プレイフルネス・中野 在人

「遊び心」を持って毎日を生きていますか? 心理学では「プレイフルネス」といいます。最近の研究では、プレイフルネスが高い人ほど自分らしさを表現できることがわかっており、ビジネスシーンにおいても大きな成果を発揮することが期待されています。

プレイフルネス株式会社の代表、中野在人(なかの・ありと)さんは、このプレイフルネスをコンセプトとした遊びながら働けるワークプレイス提案アプリ「プレプレ」を開発しています。

この記事は、神奈川県の「かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(KSAP)」(運営事務局:GOB Incubation Partners)に採択された起業家へ取材したものです。社会課題の解決に取り組むベンチャー企業を募集・採択し、メンタリングやネットワークによる支援などを通じてビジネスモデルの磨き上げと事業拡大を支援するプログラムです。KSAPの詳細はこちら


父親と一緒に「プレイフルネス」を研究

中野さんは2020年にプレイフルネス株式会社を創業するまで、大手企業でHR領域の仕事に従事。人事担当や、人材開発の支援をしていました。

「コンサルティングをする中で、クライアントから『最近、会社に遊び心がなくてつまらないんだよね』という声を聞く機会が年々増えていきました」(中野さん)

もっと各々が自由に自己表現して新しいアイデアを生み出せるような環境をつくりたい。そのような課題感を、顧客から打ち明けられたのだといいます。

「そうした中、『プレイフルネス』を40年ほど研究している父(*1)の論文をたまたま読む機会がありました。これこそが今の企業で求められていることだと感じ、父と一緒に研究しようと会社を創業しました」

プレイフルネスとは心理学の分野で遊び心のこと。プレイフルネスが高い人ほど仕事と遊びの境目がなく、人生の中でいつも自分なりの遊び心を発揮して自由に自己表現を楽しめるといわれています。

過去の研究では、プレイフルネスを向上させることは仕事の成果創出力を高める可能性があり、また、ストレスの軽減や個人のレジリエンス向上にも効果があることがわかっています。

「当社が5,000人を対象に実施したアンケート調査では、プレイフルネスの高い人には経営者や自由業の方、高年収で独立した働き方をしている人が多いという結果が出ました」

プレイフルネスとは心理学の分野で遊び心のこと。プレイフルネスが高い人ほど仕事と遊びの境目がなく、人生の中でいつも自分なりの遊び心を発揮して自由に自己表現を楽しめるといわれています。

過去の研究では、プレイフルネスを向上させることは仕事の成果創出力を高める可能性があり、また、ストレスの軽減や個人のレジリエンス向上にも効果があることがわかっています。

「当社が5,000人を対象に実施したアンケート調査では、プレイフルネスの高い人には経営者や自由業の方、高年収で独立した働き方をしている人が多いという結果が出ました」

プレイフルネス度は、「型破り」「独創性」「自分軸」の3つの因子から測定できる

プレプレのサービス概要

中野さんが現在、同社の新規事業として開発を進めているのが、リモートワークの場所を探せるアプリ「プレプレ」です。“プレイフルプレイス”からとったネーミングで、その名のとおり、遊びながら働けるワークプレイスを見つけるためのサービスとなっています。

「仕事中に気分転換したいけど良い場所が見つからないという人や、出張先・旅行先で観光を兼ねて仕事をしたいという人、また、自宅やいつものカフェ以外の場所で働きたいという人に向けて、最適なワークプレイスを提案します。

お洒落なカフェやリモートワーク可能な美容室、ジムやサウナといった趣味を楽しめるワークプレイスに加え、海や森など自然を身近に感じられる場所も探せます」

プレプレのイメージ画面

プレプレの特徴の1つは、直感的なインターフェースから場所を選べること。「人との出会いがある」「活力が湧いてくる」「周辺に豊かな自然環境がある」といった体験を軸にしたカテゴライズや、地図からも場所を見つけることが可能です。

「プレプレでは、検索条件を細かく設定して探すというよりも、プッシュ型で場所を提案します。そこが他社サービスと違うところです。

さらに、当社が独自に算出した『プレプレ指数』を参考に場所選びできる点も大きな特徴です。仕事に集中できる環境かどうかを測る『ワーク指数』と、オフの要素である『プレイ指数』からスコアをつけています」

「実は私自身がもともとすごいハードワーカーで、新卒時代から10年くらい休みなしで朝から夜遅くまで働くような生活を送っていました。あるとき、疲れたので芦ノ湖でリモートワークをしてみたらアイデアがどんどんわいてきて、オフィスと離れて働くことの良さを実感したんです。この体験がプレプレの着想につながりました」

プレイフルネス株式会社が目指すのは『誰もがもっと、人生を好きになる』世界。プレプレはその足掛かりだと中野さんは話します。

「社員がオフィスに集まって働くのが当たり前だった時代から、今は一人ひとりが自分の個性を生かしながらリモートワークで働く時代になりました。さらに、ライフスタイルと仕事が融合するような働き方をする人も増えています。プレプレではそうしたところをサポートしていきたいと思います」

「プレプレ」はこれまでα版の検証を行ってきましたが、2024年2月◯日にβ版をリリースしました。

「α版ではアイデアやコンセプトを検証しましたが、今回のβ版では、ビジネスモデルと、ユーザーやワークプレイス側のニーズを検証します。

検証を終えて方向性が見えてきたら、資金調達も検討しています」

プレプレを通して、皆がもっと自分らしく、心のままに働ける世の中を

最後に、この事業で実現したいゴールと、事業を推進する上での思いを改めて聞きました。

「画一的な社会の価値観や 働き方を押し付けられて、生きづらさを感じてる人がいると思います。プレプレを通して、皆がもっと自分らしく、心のままに楽しく働き、生活できる世の中にしていきたいです。

正直言って、私自身も先がどうなるかは分かりません。その不確実性も含めて楽しんでいます。

私は『偶然から全てが生まれる』と考えています。スタートアップの世界では『エフェクチュエーション』と言いますが、何が起こるかわからないけど、だからこそまずはやってみることが大事なのではないでしょうか。その中で見えてくるものを、つかんでいきたいです」

プレイフルネス株式会社について>

*1:北海道医療⼤学心理科学部 名誉教授の中野茂氏。発達心理学の研究分野の1つである「遊び研究」の第一人者。プレイフルネス株式会社では顧問を務めながら、研究活動に従事。