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勝手にアナリストレポート Vol.1020:チェンジホールディングス(3962 TSE-P 時価総額875億円)

決算シーズンですので、勝手にレポートも連投です。1020号はチェンジホールディングス。同社ホームページのトップページには「日本を持続可能社会へ」。そうなんです。ふるさと納税だけの企業グループではないのです。
25年3月期は中期経営計画の最終年度。クレディスイスでカバレッジしていた時からアグレッシブすぎる中期計画と言っていましたが、今回ようやく減額修正されました。これぞ悪材料出尽くしですかね。
今回も速報版になります。

チェンジホールディングス(3962)


24年3月期決算ファーストインプレッション
次期中期経営計画への道のりを見極めていきたい


<キーメッセージ>
24年3月期の営業利益は会社計画を31%下回ったものの、事業の選択と集中に伴う損失計上の影響を除いたベースでは、会社計画を過達していた計算。将来の損失発生リスクを一定排除したことを考えれば、中期的にはポジティブな決算内容だったと我々は考える。
中期経営計画最終年度となる25年3月期の営業利益計画は、200億円から130億円に引き下げられた。しかし、そもそも達成の蓋然性が高くなかったことを考えると、今回の減額修正は悪材料出尽くしと受け止めることもできよう。
今後は人材不足解消領域、サイバーセキュリティ、地方創生、公共DXに絞り込んで事業展開していくことを同社は言明。25年3月期は翌期から始まる次期中期経営計画に向けた準備期間になる。進捗をしっかりと見たい。

<本文>
チェンジホールディングス(以下、「同社」)の24年3月期通期は、売上収益37,015百万円(前期比+85%)、営業利益7,562百万円(同+32%)。売上収益はふるさと納税プラットフォーム事業が好調に推移したこと、サイバーセキュリティ領域に事業領域を拡大したことから、会社計画34,000百万円を過達となった。一方、連結子会社DFA Roboticsの暖簾を減損処理(1,956百万円)したこと、エネルギー事業で債権回収不能見込額1,160百万円を貸倒引当繰入額として計上したこと、等を受け、段階利益は会社計画を大幅に下回った。上記影響額を排除した場合の営業利益は11,107百万円と、会社計画11,000百万円を過達していた計算。ファンダメンタルズを勘案し、24年3月期一株配当は前期12.5円から18.7円(含、特別配当6.7円)とする予定。短期的にはネガティブな印象を持つかもしれないが、事業領域の選択と集中が進んだと考えれば、中期的にはポジティブに考えても良いだろう。
今決算実績及び事業領域の選択と集中を行ったことに鑑み、25年3月期会社計画は既公表の中期計画水準から大幅に引き下げられた(売上収益78,000百万円→45,000百万円、営業利益20,000百万円→13,000百万円)。ただし、3Q決算発表段階で25年3月期会社計画は既に挑戦的なものと映っていたこと、同社から中期計画を数字ありきでは考えていないとの見解が示されていたこと、から悲観的な印象はない。逆に中期的にどのような課題解決を行おうとしているのか、何を成し遂げようとしているのか、が明確になったことに目を向けていきたいところである。
具体的には、中期経営計画「DJ2」で掲げている「Local x Social x Digital」の中で、①人材不足解消領域(民間DX、人材)、②サイバーセキュリティ、③地方創生(ふるさと納税、観光、カーボンクレジット)、④公共DX、に絞り込んでいく計画。次期中期経営計画「DJ3」にどのように繋げていくのかが今後の注目点となるだろう。
25年3月期については、下期偏重の利益計上に戻ることを覚えておきたい。24年3月期はふるさと納税の制度改正に端を発した駆け込み需要によって、上期の営業利益が約28億円前倒し計上された(金額は同社推定値)。今期はそれが通常に戻るため、上期営業利益が前年同期比-54%となる見込み。下期は事業領域の選択と集中による損失計上がなくなるため、逆に営業利益が同2.8倍となる計画になっている。しっかりとこのことを念頭において、今後の四半期決算開示をみていきたい。

<ディスクレーマー>
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