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古本として出回らないような本にこそ出会いたい
打ち合わせを終えたその足で、新橋駅前の古本まつりに立ち寄った。一年ぶりくらいだろうか。
年に数回開催されるこの古本まつりでは、駅前の通称「SL広場」に30ちかい古本をあつかうテントが立ち並ぶ。
その眺めは、いきなり都心に巨大な古書店が出現したみたいでなかなか壮観なものがある。
とはいえ、本の数が多いからといって自分の欲しい本が見つかるかといえばそれはまた別の話だ。
新橋にかぎらず、こうした
「シュルレアリスムと日本」覚え書き
シュルレアリスムはむずかしい
シュルレアリスムはむずかしい。
東京の板橋区立美術館で開催中の展覧会「シュルレアリスムと日本」をみての感想です。
むずかしいと言っても、それはかならずしも難解といった意味ではありません。そうではなく、意識をもって無意識の領域を描こうとすることに本来つきまとう困難さ、とでも言えばよいでしょうか。
シュルレアリスムは、アンドレ・ブルトンの《シュルレアリスム宣言 溶
変なおじさんが遅刻の危機から少年を救った話
毎朝バスを待ちながら、見るとはなしに向かい側の停留所を観察するのが日課のようになっている。
そのバス停から発車するのは、特別支援学校の方面に行く路線である。ちょうど通学時間帯にあたるため、いつも7、8人の生徒たちがこのバスを利用する。
毎朝のことだから、最近ではすっかり彼らの顔を覚えてしまった。顔ばかりか、この頃はそれぞれのキャラクターまでなんとなくわかってきた気がする。
この子は好奇心が旺