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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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第29回Unity1週間ゲームジャム お題「かわる」投稿作品プレイ感想

 表題どおり、Unity1週間ゲームジャム──通称、unity1week が開催されました。

この記事を投稿した時点で、299作品が投稿されています。そのうちの155作品遊び、感想を書きたくなったゲームの感想を書きました。

これは前々回「1ボタン」のときのヤツ。……前回の「おくる」も参加したハズなのに書いてない。サボってるやん!

作者名は敬称略で、内容もそれなりに忌憚無く語ってます。また、ゲームのネタバレを遠慮無くしてます。ご注意ください。


3人の勇者 - 天川

 絵本のストーリーを変えるゲーム。お話自体はなんてことない王道モノだと思う──もちろんこれ自体もよい──んだけど、自分の手が介在するとそれだけでより素晴らしいものに見えてくるから不思議。ゲームパワー。とはいえ、このゲームシステムにしたからそれだけで「はい良作」というわけでは無い。見せかたの順序も大事で、そこに天川さんのスゴさがあるわけだ。最初にバッドエンドをしっかりと見せておくからこそ「自分の手でストーリーを変えた!」感覚をもたらすわけだし、道中のページもすべていわば“問題集”なわけである。そのうえで、3人の勇者のキャラクターを端的に表現し、それ自体が導線になっているからスゴいのだ。最後のページを【荒廃した世界で、木にリンゴが一つだけ付いている】と表現しているからスゴいのだ。机に置かれた絵本という見せかた。雰囲気にあった音楽。あくまで絵本の世界が「めでたしめでたし」で終わる演出。いずれも傑出したディレクションであろう。


9番ホーム - ゆーじ

 『8番出口』を遊んだことが無かったので、より一層「おもしれ~~」ってなった。こんな感じなんだな~。観察力と記憶力の問題だから誰でも「できそう」と思えるし、途中で失敗しても最終的には異変を覚えていってやっぱり「クリアできそう」に収束していく。言ってしまえば【間違い探し】だから題材に大きな縛りが無くて真似もしやすい。流行るだけあってよくできてるな~。椅子に座ってるだけで異変扱いされるおじさん可哀想。なにか起こりそうでなにも起こらない謎のプレッシャーを発散する河村塾!入塾します。


Color Shift Shooter - Kzyoki

 『スイカゲーム』のフルーツ落とすアクションをシューティングっぽい形に変えたゲーム。ゲームシステムが素直に「頭いいな~~」と思った。マージ系の気持ちよさそのままに、ビリヤード的な遊びになってる。中盤までは「少ない打数でどうやって目標を達成する?」という遊びができる。これが新しい遊びになっててよかった。終盤は「とりあえず大きくしてから考えよう」になっててあんまり盛り上がらなかった。最終面で「白か~こりゃとりあえず連打で増やすか」ってなにも考えずに連打してたらあっさりゲームオーバーになっちゃった。この辺りの課題はスイカゲームと変わらずかな。とはいえ、スイカゲームよりも技術介入余地がわずかに高まってる気がして好き。スイカゲーム上手い人からすればアレも技術介入余地はちゃんとあるらしいけども。


『Dear past diary, 』 - かくひと, acrocat08

 最後のほうの文言に揺さぶられて、「マルチエンディング……あるのか?!無いのか?!」ってガタガタ引き出しを開け閉めした。それすらもしっかりゲーム体験に組み込んでる。お釈迦様の掌の上。こういうゲームってどうしてもシナリオを変化させようとして総当たり気味な遊びになってしまうことがある。かといってシナリオを大きく変えられないのはやはり不満が生じる。そうした諸問題に対して、シナリオを大きく変えられないこと自体をテーマに持ってきて着地させているのがスゴい。シナリオも劇的なことはなにも起こらない──いや、正確には起こっているんだけど、そのおかげで直接大きく報われるとかそういうことが発生しない──が、それがテーマに合っている。音楽演出も効果的なワンポイントに絞って運用しているのが完璧。

余談だけどズッコケ三人組シリーズ、懐かしいなぁ。記憶曖昧だけど、サバゲーで相手ボコボコにするハナシが好きです。あと好きとかじゃないけど覚えてるのがモーちゃんがダイエットサプリかなんかにハマって激やせするハナシとか。交番に逃げ込んだら交番もグルだったヤツ、あれ怖すぎたよね。


Graph Game - ゆーりんち

 ゆーりんちさん、絵作りぢからを順調に高めていらっしゃるな。と後方腕組み古参面しておきます。先に難点だけ挙げておくと、やはり操作方法が分かりづらく、ステージ毎に変化するところか。2ステージ目は長押し操作であることが操作する前から伝わるようになっていれば完璧。続く3ステージ目は少し操作に余裕が無い。こっちの改善方法はいろいろありそう。もうちょい高い位置から落とすとか、重力緩めるとか、In, Out, Through をマウス載せるだけで切り替えられるようにするとか。

なんにせよこれらは少しだけケチを付けられる項目ってだけで、ゲーム自体は面白い。じゃあ言うな。演出だけに寄りかかっていないと感じる。いや、こんだけ演出がしっかりしているなら、遊びは薄味でもいいんだろうな。とはいえ、シンプルな形状で済む【グラフを作る遊び】にして、絵作りの実装が活きてくる形に落とし込んでいるのはスゴい。そのうえで演出一つ一つにアイディアがある。ナイス!


House Explorer - ReSTART GameStudio

 ヤドカリアクションゲーム。なにも背負ってないと弱く、背負ったモノによってアクションが変わる。カービィのコピー能力や、マリオオデッセイのキャプチャーなどに通ずるよさがある。このアイディアを昇華させた商業のヤドカリゲームも何個か見かけたことがある気がする。やったことはないけど。そんなわけで、ネタ自体が「イイな~~!」とウキウキできる。いくつかベースアクションが用意されているが、それらがシンプルな操作形態に落とし込んであるのもよい。アクション自体は「たしかにそういうのできると楽しそう!」と思える可能性が提示されている。そのうえで、ちゃんと【ヤド】によってできる遊びに合わせた敵配置や地形になっている。終始ニッコニコで楽しく遊べた。ヤドカリ自体もそうだが、触れるとダメージを受ける敵をウニにしていたり、一定間隔で出現したり消えたりする敵をチンアナゴにしていたり、見た目とアクションの内容を一致させているのがとってもよい。機能をあらわしたデザインがいいね~。瞬殺してしまったけど、ラスボスが潜水艦なのもめちゃくちゃ好き。海の荒くれ者と戦い続ける果てに、海そのものを侵略してくる外敵──人間が最後の敵なの燃える。たぶん、それまでに倒した海の荒くれ者たちが海を守るために力を貸してくれる。っていうところまで幻視しました。

ずっと好きって言ってるけど、なんかマジで刺さった。直前にめっちゃ難しいアクションゲーム遊んだあとに、今作の緩さを体験するっていうタイミングもよかったと思う。全体のクオリティがちょうどいいラインをしっかり見極めてるというか。看板で簡素ながら操作説明をしてたり、ヤドの見た目自体は【?ブロック】のような見た目でサラッと済ませてる。一方で、ボスはしっかり描いてる。この辺りのバランス感覚も「イイな~~~!」ってなっちゃった。大事なところが分かってる。大砲でウニが壊せるのも気持ちよかった。ゲーム全体のクオリティをちょうどよいレベルに統一しつつ、そのうえで可能性を提示する感じが好き。ゲームジャムって「1週間でこのクオリティ?!」みたいなのもいいけど、「これが完全体になったら楽しいだろうな~」っていう可能性を提示してくれるゲームもまたいいもんだなぁ……


Switch Signal! - koda, Todo, iori, kimpeko@=)

 信号を操作するゲーム。なんだこの溢れ出る“Eテレ感”は!少しさわってすぐに気に入ってしまった。事故は仕様とのことで、あるていどゲームとして成立させるために無茶をしている部分がある。ここがなんとも惜しい。ゲームとして成立してはいるかもしれないが、気持ち良さに欠ける。題材として用いられている信号は、ルールによって流れを整理するのが目的。ならばゲームプレイも心地良く整理されていて欲しかった。もちろんこれは好みの問題だ。【視点の角度が変わって信号機の色が見えない】というひねりはイイと思ったな。個人的には別の可能性として、信号機シミュレーターみたいなのも楽しそうだなと思った。ゲームとして成立しなくてもいい。ただスイッチ一つ切り替えることで、全体の流れが変化するのを眺めて楽しむオモチャ。もう既にあるかな?


アイとユウ - madomadox

 素直じゃない一組の男女をくっつけるノベルゲーム。遊んでて「こ、こいつら~~~~!!」ってなる。その場に居る人物同士で視点を切り替える仕組みは、かなり興味深い発想だと感じた。ただ、それを活かしきれているかというと、やや怪しい。作者の意図した体験は分からないが【視点切り替えによって新しい事実を浮かび上がらせ、得た情報を元に有効な選択肢を推測し選んでいく】といった僕が期待したゲームプレイはあまりできなかったからだ。最終的にはほとんど総当たりのようなことをしてクリアすることになった。と、少しケチをつけたが、このもどかしさ、ままならなさがゲーム全体の方向性を決定づけているし、テーマを考えるとこれがベストだと思える。ゲーム自体はまとまった完成度がありつつ、ゲームシステムには別の方向で伸び代を感じさせる。不思議な趣のある味わいのゲームだった。


アハッと! ヒラメキ間違い探し - すこやかメテオ, tasky, Kuro, やづ

 テレビ番組で見かけるアレ!二問目でもう「あっこいつやりやがったな」感が出てきておもろい。かと思えばふつーに難問も差し込んでくる。なんだかんだで油断ならない。すぐ同じ問題にリトライできるようにしてあるのは素晴らしい心遣い。ワイプ芸やぶっとんだ問題とかに笑いつつも、たまに真面目にアハ体験(直喩)で楽しめる。いいゲーム。


雨森 - おるむあるでひど

 最高すぎる。子どもの頃にやってたような遊びがここにある。絵作りもサウンドも、素朴なよさがある。雨を楽しむインタラクティブメディアみたいな感じ。放置ゲームとしても新鮮な魅力を感じた。よい“雨ゲー”だ!


アルティメット冬将軍-春直前スペシャル- - トナリト

 最初は「いやむり無理無理無理ムリムリ!!!」ってなるぐらいハッスルしてる。アルティメットすぎる。めっちゃ頑張って耐えてから第二形態始まるのもなかなかにスペシャル。春迎えるために毎年こいつ倒すの大変すぎる。乱数要素のさじ加減がかなり絶妙でイイな~と思いました。パターン化できるような箇所もあれば、それができない箇所もある。弾幕の散らばりかたとか、つららの落ちてくる位置とか、挑戦毎に少し変化してて「無理すぎ!」ってなったり「今回ラクなパターンだありがてえ~」ってなったり。この振れ幅が魅力であり、諦めずプレイし続けられる調味料として機能してた。お手本のような乱数の使いかた。それとやっぱり事前に【60秒耐えきったら勝ち】と宣言してるのもいいね。「それぐらいだったら頑張ればイケるのでは?」って思っちゃうもん。

あと雪だるまが攻撃してくるのもなんか衝撃受けた。「お前そっち側?!」みたいな。雪だるまって善性があるイメージ。でも雪だるまからしたら春が来たら溶けて消えてしまうので、戦わざるを得ないのかもしれない。もしかすると、奸智に長けた冬将軍の卑劣な手管によって雪だるまは参戦させられているのでは?雪だるまの「溶けて消えたくない」という純真な願いにつけこんだ冬将軍、許せねえ!!!などとロールプレイするとより楽しめます。


いやや!ひのえんま! - マサのすけ(プロジェクト神機)

 なんだこのクオリティ?!ゲーム説明文や作者様の過去作を拝見するに、別プロジェクトの流用などをしたっぽい?にしてもスゴい。ストーリーの勢いに笑った。これが100万フォロワーのちからっ……!エンディングの演出も完全に新章が始まるヤツ。


映り変わって カラテレビ - MYOJO WORKS

 空手少女が調子の悪いテレビをぶっ叩いて直すというパワー設定から、知的なトリック満載のパズルゲーム。テレビに入るというゲームシステム自体がワンダーなおどろきがあって好き。テレビに入るデカいウソを納得させてから【映りが悪いと入れない】→【叩くと直って映るようになる】とするのは非常に上手い。【同じチャンネルにするとテレビ間ワープができる】とかもまったく違和感が無い。これらのウソをしっかりとパズルに組み込んでいて完璧。

テレビを直すと他のチャンネルが有効になるのは、選択肢の増加になるわけだが遊んでいて混乱しない。ステージ構成がしっかりと順序立てて考えられるようになっているからだ。プレイヤーが一度に把握できる情報をよく理解している。Sステージのギミックだけでも素晴らしいと思っているが、Hステージでサイズの変化という大きなトリックを仕込んでくるのは凄まじい。ステージ名のSの意味、S→H移行ステージ、それに伴ったUIの変化など、舞台設定への説得力やその磨き込みは圧巻の一言に尽きる。テレビの映りが変わる。時代が移り変わる。テレビのあいだを移り変わる。空手とテレビ。カラーテレビ。タイトルもクインティプルミーニングぐらい行っててオシャレ。

強いてケチを付けるところがあるとするなら、最初のステージの出来がいまいちなところかな。悪くはないんだけど、他のステージと比べると焦点がいまいちぼやけているように感じた。まぁこのケチって「いまのままでも100点満点中100点なんだけど、これができてたら102点だったよね」ぐらいの意味なんだけど。

音楽の評価が個人的にとてもよい。ムーディーな感じが素敵で、ノスタルジックな感覚を呼び覚ますレトロさがある。……音楽を褒める語彙、分からん。あと何気にチュートリアル終わったらパートが追加される演出してて怖い。1週間でそこまでやるの……?最後の演出はスマホやPCに移っていくという意味かな。


合体変身ヒーロー - 天門堂

 天門堂さん、ちょいちょい面白いゲーム作ってて舌を巻く。いわゆるマージ系のシステムに、押したら戻れない仕組み(倉庫番的不可逆性)を加えたようなパズルゲーム。合体後のすがたに納得感が無く──ライオンが合体してペンギンになるミステリー。歯磨きか?──、循環もするので最初は分かりづらくて戸惑う。けど、常に早見表が用意されているのでやってるうちに慣れていく。一手戻すアクションが無いので遊びにくいところはあるが、それが許容される幅に収まっているのでなんとかなる。最初は選択肢が多くて、進めると徐々に狭まっていく。その過程と結末に満足感がある。ジグソーパズルとかナンバープレイスとかに近い。後ろでドラゴン暴れている中で合体している状況もなんか笑える。悠長すぎる。まぁ、ヒーローは遅れてくるものだからな!


川流こびと - Drop, Ri=san

 川を流れる小人を捕まえて出荷するゲーム。運とマウス捌きと素早く判断する認知能力が求められる。こういう、自分の裁量で限界に挑めるゲームは好きだ。運の要素がデカいのも何回も遊ぶ理由になるし。既に出てる出荷条件と同じ条件が追加されたとき、分かりやすく運が悪いので言い訳にもなる。逆に髭の有無や服の色が癒やし。小人たちは明らかに溺れてるし、“出荷”ってなんだよとか、冷静に見るとめっちゃブラックな世界観。ほんわかした音楽で誤魔化せてないぞ!


キューブアイランド - takashicompany

 マージ系のシステムに『カルカソンヌ』的な拡大システムがくっついた感じ。カルカソンヌ遊んだことないのにテキトーに言ってる。演出がどれも素晴らしく心地良い。無限に遊べてしまうヤツ。でも下手だからスコアは伸ばせない。「それでもいいや気持ちいいし」って思えるゲーム。素敵ですね。


クリエッ!!! - みっく

 ゲーム制作版パワプロ、みたいな感じ。ゲーム制作版パワプロは「アリだなそれ……」と思いました。やる気の影響が凄まじいのがリアルなゲーム制作っぽい。やる気が高いとめっちゃ進むからねゲーム制作。あと【目標達成できてたらやる気アップ】【目標達成できてなかったらやる気ダウン】なのもゲーム制作っぽい。順調なときって「気分がいいから進められる→進むから気分がよくなる」みたいな正のフィードバックループが発生するもんね。逆にダメなら「ダメだからできない→できてないからダメだ……」の負のフィードバックループ。


ゲーム内容は予告なく変更されます - ジェッドム

 予測不能のゲーム体験ッ!ネプリーグ感。オープニングの勢いで笑っちゃったし、最後のギンギラギンに光ってるCONGRATULATIONS!にも笑った。何気に3Dシューティング自体はカッコいいんだよな。エイプリルフールに内容が追加されてる!一番面白かったのがジェッドムさんにかかった『The Witness』の呪いがまだ解けていないところ。治療は困難を極める……ところでラ・ムラーナ遺跡を調査してきたジェッドムさんの次回作が楽しみですね。


サクラヤグラ - obeco

 奇才obecoさんの最新作。ダンジョン攻略っぽいターン制のパズルゲーム。ジャンルとしてはたしかにそんな感じなんだけど、体験としてはかなり独特で、ちょっと他で味わえない。obecoさんのゲームだいたいそう。パズル自体はしっかり難しい面があって歯応えがある。それでいてヒントもあるので諦めずに最後までプレイしやすい。

ザルーゴの分身が基本的にめちゃくちゃ邪魔なのに、ある面では役に立ってるのが腹立って笑える。難易度に対する納得感の出しかたが【パーティーメンバーがアホなことしてるから】なのが面白い。足手まといが一人だけ居るならともかく、三人全員がふざけたキャラクターかつしっかりふざけていて、プレイヤー役の鳩時計さくらが真面目な苦労人なのでちゃんと納得感がある。さんざん迷惑かけさせられて、最後は……悔しいことに、感動させられる!


チェンジ!!!! カイザーファルコン!!!! - 瓜頭(かず) 🍈

 救助タイプを女性型のロボットにすることで女性人気も取り込む狙いがいいね。なんだかんだでカイザーファルコンが一番カッコいいし、人気がある。そう読みましたね僕は。なんのハナシだ。

単純な三つの入力を、組み合わせによって六つの出力に変換させている。そして上手いのが、問題も同じ発想で作ってあるところ。山×要救助者、みたいな感じで。【指定された問題に合わせて答えを入力する】でありながら、作業的にならない。それでいて失敗したときに悔しいし、自分が悪いと思える。単純な一つの問題Aだけなら簡単すぎるが、A-α と A-γ と派生パターンが二つあると歯応えが生まれる。山を越えるだけなら簡単。そこにプテラノドン or 要救助者になると、「山の…プテラノドン…っあー、レッドプリマになっちゃった!クッソ!!」になる。ロボットアニメという舞台設定にしたうえで、ご指名システムは素晴らしいネタ。【指定された問題に合わせて答えを入力する】そのまんま剥き出しになるような見せかたでありながら、めちゃくちゃ納得感がある。敵の挑発に乗れないヤツはロボットにも乗れねえ。自明だよな。実績システムもなんだかんだでモチベーションになりますねこれ。


トモダチ代理人 - ArrayCats(リル姉, Taro)

 イかしたサウンド演出&絵作り、信頼と実績の ArrayCats!ゲーム内容は紹介文どおり、サクラになって他人の結婚式に参加するのをシンプルなゲームに落とし込んだらこうなるというモノ。これだけでも類を見ないゲームであり、それを実現する制作能力もスゴい。ただ、この遊び自体はシンプルゆえにそこまで新しいわけではない。そもそも「サクラになって他人の結婚式に参加したいか?」みたいな。情報覚えるのめんどいし。

しかも最初遊んだとき、エンディングまで行けなかったのでより一層「んー?よく分からんな……」で終わった。が、これは意図的にやっている。初回プレイでエンディングまで行けた場合の台詞が用意されていないのがその証拠だ。さらに、顧客評価を上げるために万遍なくヒアリングしなさいと指示して誘導している。これにしたがって質問が被らないようにしているとエンディングまで行けないようになっている。この回りくどさにまんまと引っかかったわけだ。ベストスコアを目指すとエンディングに辿り着けない。このひねくれた感じ、ゲームのテーマに沿っている……か?「顧客の幸せは数字には表れない」みたいな。いやこれは主題ではないな。エンディングは伏線をバッチリ回収していて、綺麗にオチがつく。分岐周りの仕掛けを見て無言でシークレットモードを起動したよね。エンディングを体験しないのはもったいない……というより、ラストのためにそれまでのシーンが作られている。最後まで遊ばないと、このゲームのよさの50%も体験できていないように思う。そう考えると、やっぱストレートにエンディングに誘導してよかったのでは?という気も……いや、しかし……うーん、分からん!でもテーマに反して明るさがあってよいゲーム!

アート担当者の表記が無い恐怖。プログラマー担当のリル姉さんかサウンド担当のTaroさん──もしくは両名がこのぐらいの絵作りはできるがサブスキル扱いという事実。


灰をいろどる少女 - こもりびと@ゲーム作家, 海ヒオ

 『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』の時空石っぽい。あと芽が出て乗っていたモノが打ち上げられるのは『ブレスオブザワイルド』っぽい。というわけで、なんか勝手にゼルダみを感じて楽しんでました。新緑石を掴もうとして蹴っ飛ばしてしまいがち。でも遊びにくいところはそれぐらいで、あとはかなりリラックスして遊べる難易度や遊びやすさがよかったな~。バーンって打ち上げられるのやっぱ楽しいな。


早送り農園 - ohanaya3

このゲームは時間経過が超高速で進む農業ゲームだ。農業ゲームと言っても、播種から収穫まではすべて単純な左クリックで済むので、正確にはクリッカーゲームになるわけだが……「高速で野菜が育つなら農業もラクなんだろうな^^」プレイ前にこう思っていた自分は、その数秒後に自らの甘い考えを悟り、絶望した。時間経過が高速ならば、自らも高速で動かなければならないのだ。春に素早く播種して、夏は作物が一瞬で水を吸収するので絶えず水やりをし、秋には超高速で収穫を済ませなければ、冬に野菜はあっさりと凍えて枯れてしまう。失敗しても絶望しているヒマは無い。時間はどんどん過ぎていく。

はたらけど はたらけど 猶わが生活 楽にならざり ぢっと手を見る

石川啄木『一握の砂』

を地で行くゲームバランスが牙を剥く。手っていうか連打しすぎて腕が!腕が!!壊れる!!!安いもんだ。腕の一本くらい…このゲームでは腕の一本は1000$ぶんの価値に相当する。完全に脱線──『ストーンオーシャン』の後半を知らない人を置いてけぼりにするが、プッチ神父がメイドインヘブンを発現させたときって、あの世界の農家さんがみんなこういう目に遭ってたのかと思うと、許せねえよプッチ神父……!!お前は自分が『悪』だと気付いていない、もっともドス黒い『悪』だ……


マジカルリズミカル - オクトレイン, 朧童子

 カッコいい音楽のリズムに合わせてドカドカなるの気持ちいい~。後半の同時詠唱でもうめちゃくちゃ。でも赤発動してるからって油断してると無敵が切れる一瞬の隙を突かれて被弾しがち。攻撃に夢中で白魔法への移行準備できなくなりがち。「タイムアップ後も動けるからスコア伸ばせるぞ!ジェム取れ!」とか涙ぐましい努力してたら、タイムアップ時点でスコア確定する仕組みなのが判明する哀しさ。短いスコアアタックながらいろいろ詰まってて楽しかった。敵一体100pでジェム一個500p?ほなジェムだけ取ってればええやん。あんまりスコア伸びないな。じゃあ敵倒してみるか。ジェム狙いのときと同じくらいのスコアになるな。【結論:どっちも大事】になるのも面白かった。赤→白がやりづらくて苦手!


おわり

 以上です。投稿時点ではまだ評価期間中なので、もうちょい遊ぶかも。そんで感想を書きたくなったら追加するかも。以下、締めの言葉。

unity1week 参加者の皆さん、お疲れさまでした。主催者のないちさん、ありがとうございました。ねぎさんもありがとうございます。また次の unity1week でお会いできるとさいわいです。



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